ディヴェルティメントというとクラシック音楽好きの皆様の感覚ですとモーツアルトという事になるのかもしれないです。
ディヴェルティメントを邦訳すると喜遊曲または嬉遊曲という事になり、
要は楽しく軽妙に親しみやすく作られ、極力悲しい部分や深刻な部分は避けるという事がお約束になっていると思います。
よく「ディヴェルティメント」と「セレナーデ」との違いは何という事が問題になる事もありますけど、
正直特に違いはありません。
強いて言うと、室内用に作られたのがディヴェルティメント、屋外用がセレナーデという所なのかもしれないです。
このディヴェルティメントという音楽形式は、ハイドンやモーツァルトの頃に盛んに作曲されていたものの
19世紀以降は急速に廃れていったような気もします。
(20世紀の作品としてはイベールやバーンスタインの作品が今現在でも演奏されていると思います)
吹奏楽作品でディヴェルティメントというと思い浮かぶのはパーシケッティーだと私的には思うのですけど、
(皇帝への頌歌でおなじみのモリセイにも同名の作品があったりもします)
知る人ぞ知る作品で、全国大会はおろか支部大会でも1980年の福岡工大付属高校以外は演奏実績がない曲ではありますが、
増田宏三の喜遊曲「踊る行列」は、どちらかというと「ディヴェルティメント」というと洋というイメージがある中、
和の鄙びたイメージを吹奏楽オリジナル作品として盛り込んだ楽曲が既に1980年代以前に作曲されていた事は
驚きでもあるように感じられます。
増田宏三という御方は、作曲家という側面も勿論あるのですけど、どちらかというと作曲理論とか国立音大の作曲理論の
先生というイメージが強く、踊る行列以外の作品や管弦楽作品を調べようと思っても全然検索に引っかからないというのが
実態でして、正直この喜遊曲「踊る行列」についての情報はほぼ皆無としか言いようが無いように感じられます。
増田宏三の吹奏楽作品というと、1976年の浜松工業の自由曲の「朝の歌」の作曲者でもあるのですけど、この朝の歌も
支部大会以上では浜松工業以外演奏実績もありませんので、増田宏三について語るにはあまりにも情報が無さすぎるという
事なのだと思われます。
強いて言うと、バンドジャーナル1984年の特別号の「今注目の邦人作品特集」の中にこの喜遊曲「踊る行列」も紹介されては
いますけど、内容的に特段新しい情報も書かれていませんし、この曲の作曲の経緯とか背景とか作曲の意図等については
何も書かれていませんので、私自身もこの曲に関しては、福岡工大付属高校の1980年の演奏のイメージでしか
書きようがないのが少し歯がゆい感じでもあります。
バンドジャーナル1984年の特別号のわずかな情報として、南国の熱狂的な数日間にわたる祭りをイメージして作曲
されたと記されていますけど、そういう意味では、例えば福岡の博多どんたくとか徳島の阿波踊りとか
はたまた沖縄の琉球舞踏をイメージして作られた音楽と言えるのかもしれないです。
喜遊曲「踊る行列」は上記で触れたとおり、2019年末時点では全国大会・支部大会での演奏実績は今のところは
1980年の福岡工大付属高校(現・福岡工大付属城東高校)のみに留まっています。
(県大会クラスではいくつか演奏実績はあるようです)
だけどその1980年の福岡工大付属の演奏が大変素晴らしくて、正直に書いてしまうと
「この演奏を超える演奏は多分だけど絶対に出てこないだろう・・」と感じさせるものは間違いなくあると思われます。
1980年の吹奏楽コンクールの全国大会の高校の部はとにかく驚異的なハイレヴェルの演奏が続出していて、
これは嘘偽りなく今現在の視点・感覚で聴いても全く遜色ないものがあると感じられます。
勿論使用されている楽器や演奏技術は今現在の方が圧倒的に高いのは紛れもない事実ではあるのですけど、
音楽的感性というのか表現力の多様さや音楽的掘り下げの深さにおいては今現在の吹奏楽コンクールのレヴェルすらも
凌駕しているような感じすらあると私には感じられたりもします。
就実・東海大学第四・花輪・秋田南・市立川口・銚子商業・前橋商業・玉川学園・兵庫・天理・淀川工業・高岡商業といった
金賞チームの演奏は一つの音楽的限界の壁すらも超えた名演と言えると思いますし、
東海大学第一・名古屋電気・福岡工大付属等の銀賞チームも金賞チームに決してひけを取らない名演だったと思います。
そしてその中でも、秋田南の三善晃の交響三章、福岡工大付属の踊る行列、淀川工業の大阪俗謡による幻想曲の
3チーム続いた邦人作品による自由曲の演奏には、今現在改めて聴いても、その新鮮な音楽的な切り口に
ゾクゾクとさせられるものは確実にあると言えると思います。
1980年と言うと邦人作品が自由曲として選ばれる事自体が少し珍しいという時代でしたので、
3チーム連続邦人作品の演奏というのは当時としては奇蹟と言えるのかもしれないです。
邦人作品が大人気で全国大会の自由曲の半数近くが邦人作品という昨今のコンクール事情という視点で見ると
「そんなのは別に珍しくもなんともないよね~」という事になってしまうのは時代の変化と言えるのかもしれないです。
上記で書いた通りその邦人作品を選んだ3チームがそれぞれ全て素晴らしい演奏を後世に残してくれていて
この演奏は今現在の視点・感覚で聴いても全く色褪せてはいないと思います。
私の個人的な見解ですけど、三善晃の「交響三章~第三楽章」に関しては、
あれだけ多くのチームがその後この曲を自由曲に選びながらも1980年の秋田南を超える演奏はいまだに存在していないと
思いますし、あの秋田南の音楽的小宇宙空間ともいえる濃厚な世界は、あそこまで完璧に内面的に完全燃焼し尽くした演奏と
いうのは今後も不世出のような感じすらあるように思えますし、後日あの名演を作曲者の三善晃が絶賛されたという
エピソードも当然だと思われます。
(1978年の秋田南の三善晃の「管弦楽のための協奏曲」も高校生のレヴェルをとっくに超越していると思えます!)
大栗裕の「大阪俗謡による幻想曲」は、その後丸谷先生が「いい加減マンネリ!!」と言われ続けながらも
2年に一回はこの曲を自由曲に選んでいるにも関わらず
丸谷先生自身が1980年度の自身のこの演奏の壁をいまだに超えられていないような感じすらあります。
というかそろそろ淀川工科の丸谷先生もダフニスとクロエと大阪俗謡による幻想曲以外の自由曲で吹奏楽コンクールに
臨んでほしいと感じたりもしますし、丸谷先生のコンクールでの有終の美はこの2曲以外の曲でもって新鮮な感覚で
臨んで頂きたいと願ったりもしますけど、それは期待するほうがもう無理なのかもしれないですし、コンクールにそうした
あまりにも保守的で頑迷な考えで臨むというならばそもそも論として吹奏楽コンクールに出場しなければいいのに・・という
考えも部外者としては感じたりもします。
秋田南と淀川工業に挟まれる形になっているのですけど、福岡工大付属の演奏も大変素晴らしいものがあると思います。
審査結果としては、秋田南と淀川工業は金賞に輝いているのですけど、福岡工大付属は残念ながら銀賞に留まっています。
個人的な見解ですけど、福岡工大付属の銀賞は少し厳しすぎるようにも感じられます。
上記で書いた通り増田宏三の喜遊曲「踊る行列」はいかにもという感じの和風な喜遊曲だと思います。
感覚としては兼田敏の「シンフォニックバンドのための交響的音頭」の世界に近いものがあるようにも感じられます。
兼田敏のような泥臭さはあまり感じず、鄙びた情感は伝わるもののどちらかというと洗練されている感覚もあったりします。
兼田敏の世界は「辺境の地の田舎鄙びた盆踊り」という感じなのかもしれないです。
そうそう「踊る行列」というタイトルだけを見てしまうと、 團伊玖磨の「ブラスオーケストラのための行列幻想」の
Ⅰ.男の行列 Ⅱ.女の行列 Ⅲ.そして男と女の行列に近いものがありそうですけど、
團伊玖磨の曲は鄙びた感じとか和の雰囲気はあまり感じさせず、どちらかというとモダンとか都会的な洗練された雰囲気を
感じ取ってしまいそうです。
増田宏三の喜遊曲「踊る行列」は、打楽器の遣い方も大変効果的で、チャンチキとか和太鼓等の和楽器を
曲の最初から最後までかなり巧みに使用されていて、曲としての面白さは十分アピール出来ていたと思いますし、
ユーフォニアム・クラリネット・オーボエ等の少しおどけたようなソロも大変ユニークなものがあったと思います。
ホルンの少しとぼけた雰囲気は合いの手という感じもありそうです。
そして曲のラスト近くに登場するチャンチキ・和太鼓・シンバル・ティンパニのみによる打楽器だけのアンサンブルは、
この曲の「熱狂さ」とか南国的雰囲気を遺憾なく伝えているようにも感じられます。
曲全体としては最初から最後まで和の打楽器という特殊楽器の音の響きに頼り過ぎているような感じもあり、
確かに全体的には熱狂と言う雰囲気も伝えつつも、テンポ設定の変化や曲全体の壮大なクライマックスが少なくて
福岡工大付属の演奏も確かに上手いし、聴かせどころも心得ているし、ソロも上手いし、
全体の響きも申し分ないしという印象はあるのだけど
ワンパターンとか変化に乏しいという印象も感じさせてしまうのは、演奏の良し悪しというよりは曲自体の構造的な課題点
だったのかもしれないです。
そのあたりが福岡工大付属が1980年は銀賞に留まってしまった理由と言えるのかもしれませんし、
そうではないのかもしれないし、正直何とも言えません。
私個人としては、聴いていて大変面白いと思いますし、ラスト近くの打楽器のみの掛け合いの部分から曲のエンディングまでの
熱狂はこれがこの曲の壮大なクライマックスと言えるのかもしれないですし、
この曲は終結部と曲のクライマックスと最大の盛り上がりがイコールの曲と言えるのだとも今更ながら感じたりもします。
確かに評価は分かれる演奏かもしれないですけど私は大好きな演奏の一つですし、たまにはどこかのチームが
自由曲として演奏して欲しい気持ちは間違いなくあると思います。

増田宏三の喜遊曲「踊る行列」は最初から最後までチャンチキや和太鼓が大活躍し、曲全体のリズムをリードしていますけど、
ららマジの器楽部の打楽器パートの中で和太鼓を担当しているのは、実はJKさんではなくて、JCさんの中学3年の
神田茜という元気はつらつとした下町娘というのもとてもすてきですね~♪
神田茜は粋でいなせな下町少女で、とにかく祭りが大好きで落ち着きがない性格というのも
なんだかやたらと喧嘩早そうな粋な江戸っ子みたいなものなのかもしれないです。
だけどそうした元気溌剌で落ち着きがなく常に何かを絶えず精一杯表現しようとするその姿勢に相応しい楽器こそが
日本の伝統的和楽器の一つの「和太鼓」と言えるのかもしれないです!
お祭りや神社の奉納の舞の際の櫓の上には、いつも神田茜が元気一杯和太鼓を叩き鳴らしているのだと思いますね~♪
中学生と言う事でまだ小柄な体格ですけど、小さ目な体をダイナミックに躍動させるそのエネルギーに見ている人たちを
感動させるのかもしれないですし、神田茜はポニーテール娘と言う事で、叩くたびに髪の束が揺れるのもとてもかわいくて
粋なのだと思います。
ららマジ器楽部による喜遊曲「踊る行列」の演奏も聴いてみたいですし、神田茜による和太鼓の演奏にも興味津々で
あったりもしますね~♪

神田茜は私服もとってもかわいいですね~♪
神社でお参りしている様子もいかにも和風少女という雰囲気があると思います。
埼玉の大宮駅の次の駅のさいたま新都心は、さいたまスーパーアリーナという全国的に著名な最大37,000席を使用できる
国内最大級の多目的アリーナがあるのですけど、
このさいたまスーパーアリーナ内には、「すわんど」という国内最大級の和太鼓スクールもあったりします。
そしてこのすわんどは、テレビ埼玉のローカルテレビCMとしては埼玉県内ではお馴染みなのかもしれないです。
すわんどでは通常の宮太鼓や締太鼓はもちろん、希少性の高い大太鼓も複数台完備し、どんなレッスンにも対応可能
という事で、様々な世代の皆様がレッスンに通われている和太鼓の専門スクールでもありますので、
ここにはもしかしたら・・? ららマジのすてきな和太鼓奏者の神田茜がレッスン生または講師として東大和市から
来ていただくという脳内妄想もアリなのかもしれないですね~♪
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