
↑
ラー油の一例

↑
熊本とんこつラーメンでお馴染みの黒い調味料のマー油

↑
チー油(鶏油)
ラーメンなどの調味料でお馴染みのラー油、マー油、チー油ですけど、それぞれ材料も作られ方も異なります。
昭和の頃のラーメン店や街中華のお店においては、ラーメンのための調味料はこしょうぐらいしか置かれてなかったと
思いますし、餃子用に酢・ラー油・醤油が置かれていたぐらいだったと思います。
最近においては激辛ラーメンの台頭やとんこつラーメンや鶏系塩ラーメンの人気という事もあり、
店頭の調味料コーナーにてラー油・マー油・チー油などといった調味料を置いている店も増えつつあるようにも感じられます。
ちなみにですけど、日本餃子協会によると餃子を食べる時の調味料の配分としては醤油5:お酢4: ラー油1」が
黄金比率で理想的との事です。
(私だったら、醤油5:酢3:ラー油1.5 チー油0.5ですね~♪)
ラー油・マー油・チー油は語感が似ていますけどいうまでなく全然異なる調味料です。
まずラー油とマー油ですけど、どちらも植物油をベースにした調味油で名前も似ていますがそれぞれ別の調味料です。
ラー油とは唐辛子などの香辛料となたね油を主原料とする中国発祥の調味油で、漢字では辣油と記されます。
長ネギや生姜、鷹の爪、花椒などの香味野菜を入れ加熱して風味を移した油に一味唐辛子を漬け込んで作るのが一般的で、
餃子のタレに辛味を加えるために用いられるほか、麻婆豆腐や坦々麺など中華料理の調味料として用いられることもあります。
ちなみに私自身は、麻婆豆腐や麻婆麺に「少し辛みが足りないかも・・」と感じる場合は七味やラー油を
追加する事が多いです。
数年前に桃屋などで、刻んだ唐辛子やフライドガーリック、フライドオニオンなどの具材が入った食べるラー油が
発売されていましたけど、あれを開発された方は天才だと思います!
食べるラー油はあれがあるだけでおかずはほぼ不要だと思いますし、たくわんが数切れあれば食べるラー油だけで
ご飯が何杯でも食べられそうですし、ハピネスチャージプリキュアのすてきなごはん娘のゆうゆうでしたら、食べるラー油だけで
ほぼ無限大にご飯を食べつくしてしまうのかもしれないです~♪
一方、マー油とは、焦がしたニンニクとごま油を主原料とする熊本県発祥の調味油で、漢字では魔油と記されます。
焦げるまで炒めたニンニク、長ネギ、タマネギなどをすり鉢やフードプロセッサーでペースト状にし、
ごま油で伸ばして作るのが一般的で、焦がしにんにく油と呼ばれることもあります。
熊本県熊本市とその周辺地域を中心に作られる「熊本ラーメン」に用いられることが多い調味料です。
近年ではその熊本ラーメンをモチーフにしたカップ麺も何種類か発売されていましたけど、その調味料として真っ黒なマー油が
使用される事がほとんどで、そのカップ麺としての熊本ラーメンを食べる際にはあの黒い液体のマー油が確かに
見た目は少し不気味なのかもしれないですけど、味としてはガツン!とくるすてきな香ばしさを醸し出していると感じられます。
ちなみにですけど、マー油と馬油は全然違うものです。
馬油とは、馬の皮下脂肪を主原料とする動物性油脂のことで、一般的にはバーユと読みます。
主に食用の馬を解体する際に腹や首の部位から採取される脂肪酸を多く含んだ油脂で、人間の皮脂と性質が近いことから、
皮膚の保湿や保護などを目的に外用薬として古くから利用されていました。
馬肉の生産が盛んな熊本県などでは馬油を用いた石鹸やシャンプー、化粧品なども製品化されています。
漢字で記載された馬油は、マーユと誤読されることもあり、そうした事が馬油とマー油が混同されがちな要因なのかも
しれないです。
チー油とは漢字で書くと鶏油ということで、ここから推察される通り鶏肉の食肉加工やレンダリングにより得られる鶏脂を
加熱して得られる油の事であり、大変風味豊かでコクがある調味料です。
ラーメンスープの風味づけに使われますし、和洋中の料理の風味づけや味付けにも活用でき応用範囲が広い調味料とも
いえそうで、万能調味料といえるのかもしれないです。


「ラーメン大好き 小泉さん」第1話のBパートにおける学食でのランチの際に、マー油関連の話が出てきます。
悠 : このスープに浮いてる黒っぽい奴のせいかな…
あ!そっかアレか!ボードに書いてあった…“うまあぶら”!そうだよ!この“うまあぶら”が良い味出してるんだよ!
馬の油がとんこつスープにこんなに合うなんて知らなかったー!
まさに豚と馬の奇跡のコラボレーション!いや良いね!“うまあぶら”!
悠が得意になって誤った悠の感想を小泉さんにペラペラと喋っていた時に小泉さんの内心は実は既にブチ切れモードで
「こいつ・・何も知らないくせに何言ってやがる・・」みたいな心境になっていたのかもしれないです。
小泉さん : “まーゆ”
“うまあぶら”ではなく“まーゆ”と呼びますこの場合
ちなみに化粧品などに使用される馬の油とは違い、
ラーメンの馬油はにんにくを焦がして香りを移した香味油のことです
学食内のポスターには「馬油」と表記されていましたけど、上記で記したとおり、熊本ラーメンの調味料としての
マー油と化粧品等に使用される馬の皮下脂肪を主原料とする動物性油脂としての馬油は異なるモノですので、
ポスターの表示は厳密にいうと謝りといえそうです。
(もちろん小泉さんは気が付かれているようです・・)
このシーンの後、小泉さんのうんちくは更に延々と続く事になります・・
小泉さん : 関係あるとしたら鶏です。熊本系のスープはとんこつと鶏ガラのミックス
馬油を使うことでルーツである久留米、玉名系よりコクがあるのが特徴です
本場の馬油となるともっとにんにくの風味が強めですしチップ状にした揚げにんにくを入れるのが定番です
小泉さん : このスープは鶏ガラベース。あなたは乳白色のスープ全てがとんこつベースだと思ってませんか?
悠 : えっ!違うの?正直そんなに詳しくない私からすると白いスープで濁ってるのはとんこつ、
透明なのは塩、茶色いスープで濁ってるのが味噌で、透明なのは醤油…くらいしか意識してなかったよ
小泉さん : そんな認識で良く今まで生きて来れましたね驚きです
悠 : いや普通そんなもんだって!特に困ったことなかったし!
この辺りの会話は小泉さんらしいですし、小泉さんは語りたかったのかもしれないです。
小泉さんの手にかかってしまうと大澤悠の人生そのものがラーメンの認識一つだけで完全否定されるのも
いかにも小泉さんらしい話でもありました~♪


塩味のラーメンというとベースはどちらかというと鶏と野菜がベースになっている事が多いと思います。
「ラーメン大好き 小泉さん」第1話においても、大澤悠は、マー油入りのとんこつラーメンを馬の油と勘違いしてしまい、
小泉さんから冷たい視線を浴びた経緯もあるせいなのか、後日学食のポスターに鶏油と書かれていた際に、
悠 : へー次は鶏油か…はっ!
悠 : またこれ!鶏関係ないパターン!?
悠 : あっぶねー!
と独り言をつぶやいていた際に、背後にいた小泉さんから
「ちーゆ、それは鶏皮から作られた香味油」とまたまた冷たい視線を浴びせられていたのも大変印象的でした~♪
これはある意味、日本語の難しさを示唆しているのかもしれないです。
馬油と漢字で書かれていれば普通の感覚ですとやはり「お馬さんの脂」と思ってしまうのに対して、鶏油は
その文字の通りに鶏の油というのは、言葉の難しさと同時にラーメンの奥深さを示唆しているのだと思われます。


上記で記したとおり、マー油入りの熊本ラーメンのカップ麺は複数のメーカーから既に商品化されていますけど、
「サッポロ一番 名店の味 桂花 熊本マー油豚骨」というカップ麺はかなり人気があるように感じられます。
ちなみにこの熊本ラーメンは今年・・2021年3月にリニューアル化されています。
このカップ麺は、創業昭和30年だという熊本ラーメンの老舗有名店「桂花(けいか)」の人気メニュー「桂花拉麺」を
再現したもので、まろやかな豚骨スープに香ばしいマー油を利かせた熊本マー油豚骨となっています。
まろやかで濃厚な豚骨スープに香ばしくコクのあるマー油を合わせたクセになる味わいのスープと言えると思います。
麺は張りとしっかりとした噛み応えがあるコシの強い中太のちぢれ麺で、スープの絡みが絶妙だと思います。
そして熊本ラーメンの特徴の一つのマー油という黒い液体がラーメンの表面をびっしりと覆っていて、
このマー油(揚げるあるいは炒めるなどして焦がしたニンニクとごま油で作った調味油)の香ばしさはかなり食欲を
そそります!
博多・久留米の本場のとんこつラーメンのような強烈な豚骨香がそれほどしないのも一つの魅力と思います。
こうやって別に熊本に行かなくてもカップ麺で熊本のマー油入りの豚骨ラーメンを堪能できるというのはとてもありがたいものが
ありそうです!
- 関連記事
-
スポンサーサイト
黒マーユが流行った時にはニンニクの香味油だと
認識していたのに…。言葉も使っていないと
すぐ忘れてしまいます(^^;