ジョン・ウィリアムズのアメリカ映画音楽上の貢献度は素晴らしいものがあると思います。
アカデミー賞を5回受賞と言うのも凄いと思いますけど、ノミネート止まり42回と言うのも ある意味一つの記録だと思います。
ジョン・ウィリアムズがが映画音楽として作曲した曲は思いつくだけでも
〇ジョーズ
〇スターウォーズ
〇未知との遭遇
〇スーパーマン
〇インディージョーンズ
〇ホームアローン
〇シンドラーのリスト
〇ジュラシックパーク
〇ハリー・ポッター
など多数の作品が出てきますね~♪
個人的には、吹奏楽アレンジ版で私自身演奏経験もありますけ「スターウォーズ」がとても 印象深いです。
やはりあの音楽の「メインテーマ」を聴くだけで、映画の名シーンが色々と思い出してしまいますね。
それと知名度はいま一つですけど「11人のカウボーイ」のホルンの雄叫びも極めて印象深いものがあります。
(吹奏楽アレンジ版の演奏としては1987年の福岡工大付属高校の圧倒的名演が大変印象的です)
ジョン・ウィリアムズは、ボストン・ポップスの指揮者として自作自演の他に、
例えば、スッペの喜歌劇「ボッカチオ」序曲とかカバレフスキーの歌劇「コラブルニヨン」序曲など
親しみやすい小品の演奏もすてきな演奏がとても多くて指揮者としても傑出した才能をお持ちなのだと思います。
ジョン・ウィリアムズの作品で、映画音楽以外なのですけど、忘れられない作品として
「リバティー・ファンファーレ」という大変スケールの大きな小品があります。
式典関係のファンファーレと言うと、 この曲以外でも、
1984年の「ロサンジェルスオリンピック」のテーマ曲であるファンファーレも大変素晴らしい曲も残されています。
この「リバティー・ファンファーレ」は、1986年にニューヨークのリバティ島にある自由の女神の修復完成記念のセレモニーの
ために作曲された作品です。
自由の女神の前での発表は、7月4日にマンハッタンの南西端のバッテリー公園で夕方から夜にかけて盛大に行われました。
当日はウイリアムズの指揮によるオール・アメリカン・マーチング・バンドと合唱団が
自由の女神をバックに、野外ステージで演奏されました。
金管楽器の壮麗なファンファーレに続き、打楽器や鐘(カリヨン)が打ち鳴らされ、
ホルン等が厳かな第1主題を提示し、トランペットの華やかな旋律が高鳴り興奮が増し、
最後にもう一度第1主題も現れ、効果的に曲を閉じます。
冒頭の金管セクションによるファンファーレは、本当に豪快で気持ち良く鳴り響き、その後続く「鐘」は、チャイムというよりは
本格的な教会の鐘というかカリヨンがゴーンと荘厳に鳴り響くのが極めて印象的です。

カリヨンとは要は教会の鐘みたいなものでして、厳密にいうと、
複数の鐘を組み合わせて旋律を演奏できるようにし鐘楼建築物に設置されたかなり大がかりな建造楽器ともいえそうな
ものですけど、ここで言うカリヨンとはカーンコーンと鳴り響く教会の鐘の事です。
大抵の場合2台で1つのセットをなしていることが多いです。
カリヨンが実際に使用された曲を演奏会等で聴いた事は、マーラーの交響曲第2番「復活」~第五楽章や
ベルリオーズの「幻想交響曲」~第五楽章ぐらいしか記憶にありませんけど、コアな昭和の吹奏楽ファンの皆様にとって
カリヨンというとすぐに思い出すのは、誰がなんといっても埼玉県の市立川口高校吹奏楽部による
1981年~82年の「無言の変革」シリーズなのだと思います。
ちなみに82年の「そこに人の影は無かった」の方では、そのラストはカリヨンの音で静粛に閉じられます。
市立川口はその後、アトモスフェアやリードのオセロ・ハムレットでもカリヨンを使用し、特に1988年の「ハムレットへの音楽」の
終結部において2台のカリヨンによる壮麗な響きで普門館の聴衆をあっ・・と言わせていました。
(CDのあの演奏を聴くと、カリヨンがあまりにも強すぎでむしろ金管楽器の音すら消している大音響だと思います!)
この曲は残念ながら生で聴いたことは一度もないのですけど、演奏会のオープニングとしては実に相応しい曲だと思います。
夏の野外コンサートにも最適の曲かもしれないです。
この曲は、吹奏楽にも編曲され、
1994年の関西大会で、洛南高校がこの曲を自由曲に選び素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
惜しまれることに、この年の洛南は関西大会ダメ金という事で全国大会に進めず、関西大会で散ってしまったのですけど
あの華麗な演奏は是非普門館でも聴きたかったです!
あの年の関西代表は淀川工業・兵庫・天理でしたけど、淀川工業はこの学校にしては珍しいくらい不調で銀賞に留まり、
天理はあまりにも抑制され過ぎた演奏は理性的という意味では申し分ないのかもしれないけど少し欲求不満気味で、
兵庫は松井節全開の名演でしたけど、自由曲のカットがかなり強引かな・・?とも感じていただけに、あの年の関西代表には
洛南の「リバティーファンファーレ」は絶対不可欠だったと今更ながらに感じたりもします。
あの年の洛南の演奏はとてつもなく生き生きとしていて、演奏終了後の会場全体がざわつくあのとてつもないブラボーコールの
大声援は、洛南の演奏の素晴らしさを物語っているように感じられます。
洛南の冒頭の金管ファンファーレの激しさと高揚感は圧巻でしたし、それに続くカリヨンの響きがとても壮麗でしたし、
ラストの自然な盛り上がりも圧巻の仕上がりだと思います。
この曲は、吹奏楽版では「交響的三章」・「よろこびの翼」・「オーストラリア民謡変奏組曲」でお馴染みのカーナウが
アレンジしていますけど、 吹奏楽オリジナル作品を主に活動対象にされている方がこうやって
管弦楽作品をアレンジしているのも何か興味深いものがあります。
ちなみにカーナウは、ホルストの組曲「惑星」~天王星も吹奏楽に編曲されていました。
リバティー・ファンファーレの吹奏楽版としてはこの洛南高校を超越する演奏は今後も多分不世出だと思うのですけど、
それ以外としては中澤忠雄先生指揮の野庭高校の定期演奏を収録したCDにこの曲も含まれていましたけど、
確かに見事な演奏ではあるものの、少し洗練され過ぎて自発性と高揚感に欠ける演奏であったのはかなり勿体無いな・・と
感じたものでした。
あの年の洛南高校のリバティーファンファーレの演奏は、ハリソンの夢・アメリカの騎士・ダンスフォラトゥーラと
同じくらい宮本先生のアクの強さが漲り渡り、「宮本先生=洛南高校」というとてつもなく強烈なサウンドが
確立された瞬間じゃないのかな・・・とも感じさせてくれました!
ああいう演奏が出来てしまう演奏団体は、今現在の吹奏楽コンクールの高校の部では皆無と言えるのかも
しれないですね・・
あの「宮本先生=洛南高校」という組合せは、「吉永陽一先生=兵庫高校」に匹敵するとてつもなく個性的なものだったと
感じていますし、個性がギラギラ漲っているみたいな言い方がこれほどしっくりくるチームは少ないとすら思えます。
宮本先生も既に彼岸の彼方に旅立たれていますけど、宮本先生の個性とアクが漲るあの名演の数々は間違いなく
私たちの胸の中に受け継がれていくものと思います!
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教会のステンドグラスの年の淀工は、本当に一発勝負で演奏してみるまで分からない怖さと言うのを改めて実感しましたね。
ですけど、自由曲のステンドグラスは好きな演奏です。
思えばこの次の出場から自由曲のローテーションが始まったんですよねえ…。
佐々木朗希投手、CSの登板もそうでしたけど、シーズン終盤には大事な試合で先発をまかされたりしてきて、次世代エースとして順調に成長してきていますね。