私が初めてスウェアリンジェンの名前を耳にしたのは意外と古く、確か1979年の県大会で
とある中学校が自由曲として「エグザルテーション」を演奏していました。
当時のコンクールのプログラムの表記では、スウェアリンジェンではなくて「スエーリンゲル」となっていましたので、
この二つの表記の方が同一人物と気が付くのは数年後の事でした(汗・・)
スウェアリンジェンの曲って本当に分かりやすくて単純明快で明るく楽しく実にいですよね!
構成もA-B-Aという実にシンプルなものだし、「シンプル イズ ベスト」をまさに実証していると思います。
私自身、スゥエアリンジェンの曲は、インヴィクタ序曲しか吹いたことが無いのですけど、
この曲は高校3年の時の定期演奏会の一曲でしたが、
他の曲がスペイン奇想曲とか組曲「絵のような風景」とか芥川也寸志/交響管弦楽の音楽などとにかく難曲ばかりでしたので、
この曲を吹くときだけは実にのびのびと楽しく吹くことができていたと思います。
インヴィクタは、クラリネットのパート譜も難しい箇所はほぼ皆無で、極端な高音もないし指使いは平易だし、
曲は実にのびやかで楽しいし、吹いていて大変気持ち良かったです。
やはりプレイヤーをこうした気持ちにさせる事とか技術的な易しさとか親しみやすいメロディーが
スウェアリンジェンを長期間日本の吹奏楽界で(特に中学校の小編成部門で)「不動の地位」を保てた
一つの理由と言えるのかもしれないですね。
冒頭が多くの場合打楽器セクションを伴う強奏から開始され、コンサートチャイムがやたらとカンコン華麗に鳴り響き、
中間部のあまりにも美しいのびのびとしたロマンチックなメロディーが展開され、
ラストは前半部分が再現され楽しく曲が閉じられるというのがスウェアリンジェンの一般的なパターンだと思うのですけど、
時に「どの曲もノヴェナやチェスフォード・ポートレイトに似ている・・」と言われがちでもありますが、
スウェアリンジェンの曲が実に40年近くも日本の吹奏楽コンクールで根強い支持を得られ続けているのも
よくわかる気がします。
私も大学でも一応吹奏楽部に所属し、毎年全日本吹奏楽コンクール・都大会大学部門に出場していましたけど、
大学時代も高校時代と同様に学生指揮でしたが、
自由曲に、ドビュッシーの「三つの夜想曲」~Ⅱ.祭りを選曲した際も全体とし中々うまくまとまらず
あの繊細なイメージがつかみきれなくて全体合奏をしていてもモヤモヤがかなり奏者の間でも指揮者にも募っていたと
思います、
大学の部の都予選まであと一週間を切った際、指揮者がついポロッと
「うーーん、やはりドビュッシーは君たちの技術では無理なのかもね・・・今から自由曲を
スゥエアリンジェンのチェスフォードポートレイトに変えてみる?
大丈夫、この曲簡単だから、君達でも三日でマスターできるよ・・・」
なんていう屈辱的な事を言われてしまったのは何か懐かしい思い出ですね。
だけど実際問題、ある程度の技術を持っているチームでしたら、極端な事を言うとコンクール本番前日に自由曲を
スウェアリンジェンに変更したとしてもコンクールの本番では案外なんとかなりそうな雰囲気を有しているというのは
間違いないのかもしれないです。
内容がスカスカでくだらない曲だからなんとかなるという訳ではなくて、
「シンプル イズ ベスト」のような内容の深さも秘めながらも技術的にはやさしいというのがスウェアリンジェンの最大の
魅力といえるのかもしれないです。
コンクール直前の自由曲の変更というと、例えば東北大会と県大会の自由曲はチャイコフスキーの
幻想序曲「ロミオとジュリエット」だったものの、地区予選の段階ではレスピーギの交響詩「ローマの松」~アッピア街道の松で、
びっくりさせられた事もありましたけど、他にも驚いた事としては、
ラヴェルの「スペイン狂詩曲」を自由曲に選び千葉県大会を突破した市川交響吹奏楽団が吹奏楽連盟から
「スペイン狂詩曲は吹奏楽に編曲不可であり演奏不可である」との指摘を受け、関東大会への辞退はせずに、
自由曲そのものをスペイン狂詩曲からイベールの交響組曲「寄港地」へと変更し、
県大会から関東大会まで一か月も無いのに、この変更した自由曲でもって関東大会に臨み、ダメ金ではありましたけど、
金賞受賞という驚きの離れ業までお披露目していたのは大変印象的でもありました。
スウェアリンジェンがブレイクするきっかけとなったのは1981年の狂詩曲「ノヴェナ」ではないかと思います。
支部大会でこの簡単な曲をやるチームは少なかったですけど、この年の県大会では、このノヴェナが大流行したような
記憶があります。
出だしのピッコロと木管ののんびりとした素朴な感じで始まり、コンサートチャイムがカンコン鳴り響いたり
いかにもスゥエアリンジェンらしい曲だったと思います。
スゥエアリンジェンの曲って大抵の場合、威勢のいい打楽器のリズムとか金管の咆哮から開始される事が
多かったような気もするのですけど、こういうしっとりとした出だしと言うのは案外珍しい部類だったのかもしれないですね。
スウェアリンジェンの曲と言うと・・・
〇狂詩曲「ノヴェナ」
〇インヴィクタ序曲
〇チェスフォードポートレイト
〇コヴィントン広場
〇アヴェンチューラ
〇マジェスティア
〇栄光の全てに
〇センチュリア
〇誇りと祝典
〇シーゲート序曲
あたりが私は好きですね。 だっていかにもスゥエアリンジェンらしい響きの曲ばかりですからね~
スウェアリンジェンと言うと、中には少し不思議な曲もあり、
例えば「ロマネスク」とか「リフレクションズ」みたいに少し哀愁溢れる曲もあったりして
特に「リフレクションズ」の少し物悲しい感じは、スウェアリンジェンの別の表情みたいな感じもあり、
これはこれで悪くはないし私は大好きです!
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スウェアリンジェンはシーゲート序曲だけやったことがあります。仰るようにシンプルイズザベストの構成と美しいメロディ。youtubeで聴きなおして気持ちよく吹いたことを思い出しました!