東方MMDというのは見ているだけでもとても楽しいものがありますし、そのバックボーンとしてのボーカロイドの音楽も
素晴らしいものがあると思います。
改めて「東方MMDってなんですか~?」という人のために記させて頂きますと、
東方Projectのゲームのキャラクターを使って、MikuMikuDanceで作った動画というのが東方MMDと言えるのですけど、
ダンス動画にも物語の動画としても応用は可能で、既にたくさんの東方MMDがニコニコ動画やユーチューブ等で
UPされています。
東方の原作の世界ですと、キャラが身に纏っている衣装は、例えば霊夢でしたら巫女さん衣装、
咲夜さんだったらメイド服、妖夢だったらあの緑色の衣装でアリスだったらあの水色衣装というようにほぼ固定化されても
いるのですけど、MMDの場合ですと服装に関しても自由にお好みによっていくらでも応用は可能ですし、
例えば普段は肩だし腋見せの巫女さん衣装の霊夢にセーラー服やフリフリのピンクの私服を纏わせて自由にダンスさせることも
はたまた他の登場人物を交えての二次創作物語を作ることも可能ですので、
その応用度の幅広さは目を見張るものがあると思います。
本日ご紹介させて頂く東方MMDは、アリスが踊る「心做し」の大変意味深な世界と、それとは全く対照的な
JK妖夢が繰り広げるドタバタラップともいえなくもない弾ける感じの「おねがいダーリン」です。

「心做し」(こころなし)とは、ボーカロイドの蝶々PによるGUMIちゃんオリジナル曲であり、
アルバム「EXIT TUNES PRESENTS GUMical from Megpoid」の書き下ろし収録曲でもあります。
この曲の絶叫するような歌い方は心にぐぐっと迫るものは間違いなくあると思います。絶唱に近いのかもしれないです。
後述しますけど、この楽曲の歌詞は大変重たくて意味深で、最初にこの曲を耳にされた方はたぶんですけど
「何をいっているのかさっぱりわからない・・」という感覚になられるのかもしれないです。
だけどたとえ意味がよく分からなくても、初めて聴いた人でもハートに直接響き渡る曲であるのは間違いないと感じます。
この楽曲は、年上のお姉さんが年下の彼をあやすような感じの歌という解釈もありなのかもしれないですけど、
PVの静止画からわかるとおり、この楽曲は本来は心を持たないロボットと人間の女の子の恋物語と言う解釈のほうが
妥当なのだと思います。
最近では人工知能とかAIとかよく話題になっていて、近未来の世界ではコンピューターやロボットが一定以上の知能と
学習能力をもって人間と対等に渡り合う事も決して珍しい話ではなくなるのかもしれないですけど、
それでは人間とロボットの間に恋愛感情は果たして成立するのか・・?ということをテーマにした楽曲が「心做し」と
いえるのかもしれないです。
歌詞の中の「すべて投げ捨てられたら」「すべて忘れられたなら」「笑って」「泣かないで」といったワードからは
ロボットは機械で構成されていて感情というものは制御されているゆえに、相手の人間の女の子から
「好きだよ」とか言われても
「この人は何を求めているのだろう・・」という制御不能でもあり理解不能でもある世界に突入するしかないということなのかも
しれないです。
歌詞の中の「また胸が痛くなるからもうなにも言わないでよ」というのは、
本来のロボットやコンピューターというものは人間から何か指示を受けて初めてそれに対しての回答を出していくという
事なのかもしれないですけど、人間からの「好き」とか「愛している」といった感情・・特に恋愛感情というものについては
やはり理解と制御を超えたものがあるといえそうですし、
制御不能のものを機械として考えるという事はロボットにとっては「もう何も言わないで」=指示を出さないでという
事なのかもしれないです。
歌詞の中の「ねぇもしも、僕の願いが叶うなら君と同じものが欲しいんだ」というのは、ロボットにそもそも願い事が存在するのか
という問題は一旦おいておいても、もしも本当に願いが叶うというなら、自分のことを好きといってくれる人間の女の子と
同じ心がほしいということなのかもしれないです。
結局、最後まで答えを見つけることができなかったロボットに女の子は「あなたの心は、幸せは、居場所は、ここにあるよ」と
やさしく語りかけるのですけど、それは換言するとたとえ確かに構造上は機械からできているのかもしれないけど、
「あたなの心はちゃんとここにあるよ・・」ということなのかもしれないです。
「でも僕には存在しないからじゃあせめてここにいてよ」という歌詞は
ロボットの視点で言うと「確かに自分には心は存在しないし、これからもないのかもしれないけど、
あなたと心で繋がっていられないならせめて近くにいさせてほしい・・」ということなのかもしれないですし、その辺りの
ロボットなのだけど人間の諦観に近いような感覚も確かに伝わっているようにも感じられます。
この楽曲のテーマは「ロボット」なのですけど、ロボットを「人形」というワードに置き換えてもこの歌の世界は成立するようにも
感じられますし、それが東方の世界でもっともよくお似合いなのは、幻想郷のすてきな人形遣いのアリスなのだと思います。
だからこそこの「心做し」を背景にアリスが東方MMDとしてせつなげに踊っているものを見ると、とてつもなく共感するものが
間違いなくあるように感じられます!
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【東方MMD】アリスで心做し ロボットと人間、人形と人間というテーマは、新しくて古いテーマともいえそうなのですけど、
例えばロシアの作曲家、ストラヴィンスキーが作曲したバレエ音楽「ペトルシューカ」は「心を持った人形の苦悩」を
テーマにしていて、
「それでは心を持った人形と言うのは、人間とどこに違いがあるのか? ペトルーシュカとはそもそも一体何なのか??」
みたいな「哲学」みたいなテーマすらも有しているようにも思えます。
それを煮詰めていくと、
「こんな嫌で辛い思いをするのだったら最初から人の心を持つという魔法を掛けられない方がよかった!!」といった
ペトルーシュカのある意味「悲痛な心の叫び」みたいなものすら感じてしまう事になるのです。
つまり、人の心を有した「人形」にあまりいい未来は待っていないみたいな事を示唆しているのかなとも感じてしまいます。
この「人形」という言葉は、今現在においては「ロボット」という言葉に置き換えても差し支えは
ないのかなと感じますし、上記の「心做し」の世界にも通ずるものはあるのかもしれないです。
アリスの人形というものは、アリスに対して反発の心を有したり、アリスの意図に沿わない事をしでかしたり、
使い手であるアリスそのものに人形が攻撃を仕掛けていくという事は100%ありません。
アリスの人形は、人形自体に「心」はあんまりなくて、アリスの「見えざる糸」によって意のままに操られる存在なのですけど、
アリスの人形というものには、「心」というのか「魂」がそれ程は存在しないから、ある意味人形にとっては楽と言えるのかも
しれないですし、扱っているアリス自体も楽なのかもしれません。
なぜなら「人形」というものは、やはり元々が「人によって操られるべき存在」と言えるのかもしれないですし、
むしろその方が人形にとっては「幸せ」と言えるのかもしれません。
近未来のAI社会を考えると、こうしたロボット(人形)と人間のかかわり方というのは意外と重たいテーマにもなりそうですし、
「心做し」はそれを既に先取りした楽曲ともいえるのかもしれないです。

「心做し」が大変重たいテーマを含んでいるため、最後にJK妖夢が弾け飛ぶ「おねがいダーリン」の世界でもって
皆様に弾け飛んで頂きたいです~! (笑)
「おねがいダーリン」はボカロPのナナホシ管弦楽団さんのオリジナル曲です。
歌い手の松下や柊優花が歌ったことで、松下が原曲と勘違いされがちですけど、ナナホシ管弦楽団書き下ろしの
ONEというCeVIOの公式デモソングでもあります。
厳密に定義するとボーカロイド曲ではないけど、ボカロプロデューサーが関わっているという事で、ボカロ関連曲と
いったほうが宜しいのかもしれないです。
この楽曲は下手な解説や解釈など一切必要なしです!
そのまんま、見たまま聞いたままをお楽しみ頂きたいです!
歌詞を少し見てみると、
ダーリン、あなたは私の言うこと全然聞かない
あれほどやめてといった煙草もお酒も毎日二箱七缶一日たりとも欠かさず
肝臓やられてお釈迦になっても
看病してあげないんだから
あれほど健気に見つめてきてあげたのに
今ではすっかり知らんぷり
てっいうか、それって胡坐かいているだけじゃん、ぶっちゃけ・・
舌先三寸、おかけで私のハートはズタボロです
うーーむ、このダーリンというのは典型的なダメ男で、この女の子はこのダーリンにいいように弄ばれているのかも
しれないですけど、女の子は「それがいい」というのかもしれないですし、
「私がいないとうちのダーリンは・・」みたいな事を言うのかもしれないです・・
東方MMDではこの「おねがいダーリン」は大人気のようでして、既にたくさんの東方キャラの皆様が踊っていますけど、
「男運の無さ」とか「くじ運の悪さ」では定評がありそうなのは妖夢と霊夢であり、
特に妖夢のJK版と通常版のかわいらしさは半端無いものがあります~!!
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【東方MMD】 JK妖夢でおねがいダーリン 妖夢の衣装が計3回チェンジし、最後は白玉楼をバックにデフォルメゆゆ様と一緒に踊っています!
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【東方MMD】おねがいダーリン 魂魄妖夢 こちらは幻想郷のいつものあの衣装の妖夢です!
妖夢は東方MMDでの愛されキャラ振りはすごいものがありそうですね~!
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ロボットと人間の恋物語というのももしかしたら近未来では可能性があるのかもしれないですし、それを既に先取りした楽曲ともいえそうですね。
記事にも触れられていた通り、人間に操られるべき存在の人形が大暴れするというのはペトルーシュカの世界なのですけど、
ロボットも人形も、人間がきちんとコントロールするのが最適と言えそうですね。