うちの近所も日本全体の高齢化社会の例外でもないようでして、2003年に今の家に住みだしたときには町会の一つの班に
17世帯近くあったのに、逝去とか介護施設への入居とか売却等で空き家状態が続いている家もいくつかあったりします。
そしてそうした空き家も最近においてはいくつか転売先が決まったとかで建て替えとか建売住宅の新築が施工されていて
空き家が少しずつではありますけど減っているのは近隣住民としてはむしろありがたいものはあります。
実なのですけど、我が家から数軒先の木造家屋が現在、解体工事の真っ最中です。
私自身が2001~2006年の新築木造住宅のモデルハウス営業担当をしていた頃の木造住宅の解体というのは、
2階建て・35坪前後の建坪の場合ですと、解体工事の原価は4大体70万前後で解体日数は大体5日~一週間前後で、
基本的には現場に重機を持ち込んで、ツメまたはシャベルを家に叩きつけ部材を剥がしていき、それを作業員が
同じく現場に横付けされているトラックに廃材をどんどん詰め込んでいき、それを産業廃棄物処理施設場に持っていくという
イメージだったと思います。
だけどここ数年は建設関連のリサイクルが大変厳しくなり、昭和30~50年代に施工した家ですと家の中に部材として
アスベストが使用されている可能性もあると言う事で重機でどっか~んと最初に家をつぶすという事が
しにくくなった事情もありますし、
廃材を部材ごとに分別処理し、「この現場ではこの量の資源ごみや不燃ごみが発生し、それをいつ産廃処理場に
持ち込んだのか」というマニュフェスト書類を作る必要があり、
基本的に現在の解体作業は手作業のものが多くなったということで、
以前と違って建坪35坪程度の木造住宅でも解体着手から完了までは大変時間がかかり、今現在ですと
大体平均して2週間程度は掛かっていると思います。
それに伴って解体工事費用も、2000年代初頭の頃に比べてほぼ倍増していると思います。
ちなみに、木造住宅の解体が一番楽で費用も安いのですけど、鉄筋の場合ですと、木造の約1.5倍程度費用が発生し、
RC(コンクリート)の場合ですと、費用は木造住宅の2倍程度掛かると思った方が宜しいかと思います。
そんな訳で最近の住宅街の中の木造住宅の解体は、最初の潰しと基礎解体以外はほとんど重機を使用せず、ほぼ手作業で
家屋を解体しているパターンが多いと思います。
人間の手で部材を剥がしている訳ですので、当然時間も掛かりますし、それが最近の解体現場の工事費用高騰の
大きな要因になっていると思います。
以前ですと、解体するのに別に簡易足場は組む必要も無かったのですけど、
屋根やベランダを解体する際には足場がないと作業も当然やりにくいので、簡易的な足場を組むことも多く、
それもコストアップの要因にもなっているのかもしれないです。
うちの数軒先の解体現場は、私が休みの日にちょいと覗いてみると、解体現場の作業スタッフは全て東南アジア系の
外人さんでした!
というか親方というか解体の監督も日本人ではなくてほぼオール外人さんチームでした。
(最近の解体・塗装・足場の職人さんは日本人ではなくて外人さんが多いというのは21世紀以降は当たり前という感じですね~)
新型コロナの感染リスク回避ということで労働力としての外国人労働者の入国は今現在はかなり厳しく制約されているようにも
思ったのですけど、聞いてみたら「今現在日本に在留している外国人労働者は既に日本の永住資格を持っていたり
帰化していたりする人が大半で、さすがに労働実習生としての入国は制限がかかっていて事実上難しい」とのことでした。
その外人さん解体チームが解体工事開始時に近所に着工挨拶にタオルを持って廻っていて、うちにも
来ていましたけど、
「騒音・振動等において大変ご迷惑をおかけして大変恐縮しております」と大変丁寧で流暢な日本語を操っていて
私が「うちで車を出す際にはトラックをどかしてくださいね」とお願いしたら
「ごもっともでございます。然るべくそのように対応させて頂きます」と
正直日本人の若いあんちゃん職人が対応するよりは100倍も丁寧な言葉遣いと態度を示されていましたので、
「最近の解体現場も随分と変わったじゃん!」という認識を私自身が実感してしまいました!
その外人さん解体チームも皆様たちも、休憩中も仕事中もノリがとてもいいというか陽気に楽しく仕事をしているという感じが
大変印象的でしたし、多分東南アジア系の言葉で何言ってるのかさっぱり分かりませんし、
解体作業中も終始いうまでもなくマスク着用状態でしたが、
口は動いているけど同時に手もちゃんと動いているという感じで、あの手際の良さとスピードは素晴らしかったと思います!

あの手際の良さはスター☆トゥインクルプリキュアのララちゃんもそのスピード感に「およー」と感激されるのかも
しれないです。
外国人労働者の方が丁寧で正しい日本語を流暢に扱っていたのに対して、ララちゃんが語尾にほほすべて「・・ルン」という
妙な?語尾をつけてしまうというのもなんだかアレな話ですけど、それはララちゃんが実はプリキュア史上初の
宇宙人プリキュアということでおおめに見てあげてほしいものですルン・・・
今回の解体現場は多分ですけど築40年以上の物件で、間違いなく1981年の建築基準法改正前の建築物件という
せいもあるのですけど、
その解体現場をよく眺めてみると、基礎はベタ基礎ではなくて布基礎と言う事で、床面の下は結果的に地面だったし、
筋違も入っていないし耐震補強用のL字金物も付けられていないし、
屋根は家に1トン程度の負荷を掛けている和瓦だったし、
感想としては「2011年の東日本大震災などを含めてよくこれまで持ち応えていたよね~」という感じでもありましたけど、
ここまで持ち応えていたという事は日本の在来工法の素晴らしさを意味しているとも言えるのかもしれないです。
それにしても近所で顔馴染みの人が高齢で遠くの介護付老人ホームに転居して、ここでまた一つ空き地が
生じてしまったというのは、今現在、そして近未来の日本の縮図なのかもしれないですね・・
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中東や中国などのアジア雑貨のお店もたくさんありますし、このあたりは店員さんや職人さんに日本語が流暢な外人さんがいても不思議ではないほど、
ある意味人種のるつぼみたいな感じではありますね~
こういう皆様たちが若い日本人のやんちゃなあんちゃんよりも礼儀正しくて正確な日本語を使うというのも
なんだかおもしろい話だと思いました。