A.リード / 序曲「インペラトリクス」 → 序奏-A-B-A-コーダから構成されますが、冒頭の重厚さはタイトルの「古代の皇后」のイメージにぴったりだと思います!

4 0
A.リードの序曲「インペラトリクス」はさすがに最近ではコンクールでもコンサートでもほとんど聴かなくなりましたね・・
実はこの曲は、かつては全国大会でも自由曲として演奏されたことがありましたし、少なくとも私が
中学~高校あたりの頃は、県大会レベルなら、小編成の部でどこのチームが毎年一回程度は演奏していたような
記憶があります。

私が吹奏楽コンクールの現役奏者であった70年代~80年代にかけてのコンクール規定と現在の規定では
かなり変更になった点もあるかと思います。
一つの例として、部門の見直しと人数制約の変更点があると思います。
これは県レヴェルにおいて、規定が県ごとに微妙に違ってきていますので一概には言えないと思うのですが、
C部門が25名以内 B部門が35名以内 A部門が50名以内という規定があり、
現在の大編成55名以内 小編成30名以内とは少し異なる規定があったと思います。

そう言えば、こんな話をかつて耳にした事があります。
とある学校が、吹奏楽コンクールについて、「今年は28名でB部門に出場し、自由曲はインペラトリクスを演奏しよう」という
話になったものの、コンクール出場受付の間際の頃に 退部者が出てしまい28名の人数キープはおろか、
23名での出場がやっとこさっとこという事で 仕方なくC部門に出場する事になったとの事なそうです。
ここで一つ問題が発生し、コンクールでは B部門は演奏時間は課題曲を含めて12分以内ですが、
C部門は課題曲を含めて10分以内という制約があり、 インペラトリクスは7分30秒程度の演奏時間を要するため、
別の曲を自由曲にするか、インペラトリクスをカットして演奏するか部員全員で話し合いを重ねたそうでして、
インペラトリクスは、冒頭のコラール的な重厚感のあるどっしりとした序奏・アレグロの展開部・
フルートソロを中心とした ゆったりとした中間部・アレグロの再現、そしてラストのアレグロのコーダという部分から
構成されますが、 10分以内に収めるためには、中間部をそっくりカットする必要があり、そうなると全体を通じて
冒頭とアレグロとコーダ部分という 騒々しい音量過剰な部分のみを演奏する事になってしまい、音楽の構成上
あまり望ましい事では ないとの結論に達し、
自由曲を急遽、演奏時間5分程度の同じくリードの「ジュビラント序曲」に変更したというのも
コンクールの規定の面倒さとか選曲とかカットとか色々な問題がはらんでいるような気もしますね。

私自身は「インペラトリクス」を吹いた事は無いのですけど、楽譜を見た限りでは、それほど難しい曲には
感じられなかったですし、何よりもあの冒頭の堂々としたTuttiなんかは全奏者fffで吹いてみたいなぁ・・・という気持ちは
あったものですね。
この曲のタイトルの意味は、「古代の皇后」という意味との事ですけど、冒頭の堂々とした出だしとか
中間部のしっとりとしたフルートソロの気品さは、まさに「皇后陛下様!! へへーーー!!」みたいな雰囲気に
満ち溢れていると思います。

リードの序曲「インペラトリクス」はジョージア州フォレスト・パークのG.P.バブ中学校バンドと、
その指揮者ドナルド・E・ウィルクスの依頼により作曲された経緯があります。
リードの初期作品というと、サスカッチアンの山・音楽祭のプレリュード・インペラトリクス・ジュビラント序曲といった曲を
思い出しますが、これらの曲は実は全て第二次世界大戦後に作曲されたものばかりです。
リードには「ロシアのクリスマス音楽」という大変重厚長大な荘厳で厳粛な大曲があるのですけど、
実はこの曲は、 第二次世界大戦前に作曲されたものでもありました。
感覚としては、ロシアのクリスマス音楽よりは、インペラトリクスや音楽祭のプレリュードの方が若い頃に作曲された
初期作品といった香りもあるのかな・・?と思ったりもします。

この曲は、前述の通り、冒頭の荘厳な序奏→アレグロの展開部→中間部→アレグロの展開部の再現→コーダという
流れになっているのですけど、
フルートソロの美しい中間部が終わったら、一度演奏したアレグロ部分をもう一度繰り返し吹いて、
更にその上にコーダへ流れ込み、このコーダの部分もアレグロ部分の再現という感じですので、
今現在の感覚で聴いてみると 「いくらなんでも少しくどいじゃん・・」みたいな感覚になってしまいますね。
もしかしたら、この「くどさ」が同じリードの曲でも、春の猟犬とかパンチネルロほど
後世に演奏され続けられなかった要因じゃないのかな・・・とも思いますね。
反面その「くどさ」が現在の洗練された吹奏楽オリジナル作品には無い魅力でもありますので、
改めてこの曲を聴いてみると「しつこい・くどい」という感想以外にも
「なんかなつかしい香りがする」とか「バタ臭いけどなんか素朴な雰囲気」みたいな印象も感じたりするから
不思議なものです。
特に中間部のあのフルーソロの美しさは絶品だと思いますし、あのソロは、まさにこの曲の大きな魅力だとも思います。

この曲最近全く聴かないですね・・・
私がこの曲を最後に聴いたのは、今の所、1990年代中盤の関東大会B部門の
新潟明訓高校だったかな・・・?
この演奏、少しもっさりとした響きだったけど、素朴な感じがよく表現されていて
残念ながら評価は銅賞でしたけど、私はいい演奏だったと思っています。

たまには温故知新という事でこうしたレトロな吹奏楽オリジナル曲を聴いてみるのもすてきな事だと思います。
関連記事
ページトップ