V.ネリベル / 二つの交響的断章 → 私が吹奏楽オリジナル作品の中で文句なしに圧倒的にいっちば~ん!大好きな曲です!

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当ブログは予約記事を採用しておりまして、実は7月7日に掲載させていただく「祝! 吹奏楽カテゴリ1000記事到達」の記事は、
6月中旬ごろには既に完成しておりました。
(あの時点で996記事という感じだったと記憶しています)

そして実質的に1000番目に書いた記事というのが本記事に相当します。
そして管理人の想いとしては「実質的に1000記事目になるこの記事では、このブログの管理人が古今東西ありとあらゆる
吹奏楽オリジナル作品の中でいっちば~ん!大好きな曲を書こう!」というものがありましたので、
本記事においては、私が吹奏楽作品の中では断トツにいっちば~ん!大好きな曲ともいえるV.ネリベルの
「二つの交響的断章」について書かせて頂きたいと重います!

そして二日後の7月7日のお祝い記事は「通算1000番目の掲載記事」ということで、ここに名実ともに1000記事に
なりますので、この際には当ブログでも大々的にお祝い記事を書かせていただきたいと思いますので、
どうか明後日の方も何卒宜しくお願いいたします!

現在の日本には世界に誇れる指揮者というものはかなり多く存在していると思うのですけど
その中の一人が佐渡裕氏と私は確信しております。
この偉大なる大指揮者ですけど、「若い、若い・・」と言われていたらもう50代に突入しているのですよね。
時の流れを感じさせてくれます。
佐渡さんの指揮による演奏では、過去において色々と素晴らしい演奏に巡り合ってきましたけど
あくまで私が直接聴いた中で最高の演奏は
1996年の新星日響のチャイコフスキー/交響曲第5番だったと思います。
あの時は冗談抜きで「感動」が止まらなかったですし、
あんな素晴らしいチャイコを聴けたのは私の「生涯の誇り・財産」だと思ってすらいます。
そうした佐渡裕氏ですけど、 指揮者としての「原点」は実は吹奏楽コンクールでもあったりします。
吹奏楽に詳しい人ですと、 「それって1986年の龍谷大学のD/組曲ハーリ・ヤーノシュでしょ?」と言われると思いますけど、
実は不正解です・・(笑)
正解はそれに遡る事5年前・・1981年の京都府大会のとある女子高なのですけど
その時の自由曲がまさにこのネリベルの「二つの交響的断章」だったのです!!
(参考までにこの時の課題曲はAの「イリュージョン」だったそうです・・)
この時の佐渡さん指揮のこの女子高の演奏はとてつもない熱演だったそうでして、そこには「情熱みなぎるダイナミックな
ネリベルだった」との事らしいです。
だけどこの時の審査結果は残念ながら銅賞という評価になり、この審査結果に到底納得できなかった佐渡さんは
審査員室に抗議の怒鳴り込みにいったというエピソードも残されているとの事です。
そしてこの京都府大会の演奏から数条年後に佐渡氏がプロの吹奏楽団であるシエナを指揮して
ネリベルの「二つの交響的断章」を振ったさいに佐渡さんは
「なんだ・・、あのときの京都の女子高との演奏とおんなじじゃないか! 自分は今もあの時も決して間違っていなかった!!」と
確信されたとの事です!
佐渡さんらしいすてきなエピソードだと思います。

「二つの交響的断章」ですけど、原曲はとてつもなく長いです!
第一楽章がかなり冗漫にも感じてしまいます。
誠に申し訳ないのですけど、現在定番になっているコンクール用のカットヴァージョンに耳が慣れてしまうと
原曲版は「無駄が多い」ようにも聴こえてしまいます・・・(汗)
(これはあくまで私の個人的感想です)
そうした原曲があまりにも長すぎて、コンクール用カット版の方がしっくりくる他の例としては
大栗裕の「吹奏楽のための神話」もそれに相当するのかもしれないですね。

ネリベルの「二つの交響的断章」はタイトルとおり二つの楽章から構成されていますけど、この対照的な二つの楽章の
静と動の対比やダイナミックスレンジの幅広さ、そしてなによりもあの劇的な緊張感と二つの楽章の落差の対比が
とてつもなく面白いと思います!

第1楽章 Marcato

鍵盤打楽器の基本モチーフ(D-A-F-Bb)の繰り返しから始まります。

第一楽章は、グロッケン・シロフォーン・コンサートチャイムだけの鍵盤打楽器のみの8分音符から開始される
作曲当時としては珍しいタイプの吹奏楽オリジナル作品だったと思いますけど、
この冒頭に、低音金管楽器→高音金管楽器が加わっていき、高潮化した時に、
鍵盤打楽器も16分音符へと更に速度が速まり、クライマックスを築いた後、
アルトサックスとテナーサックスのデュエットへと曲が展開されていき、この辺りからドラがかなりの凄まじい轟音を
たてていきます。
このサックスのデュエットに合いの手をいれるような役割の鍵盤打楽器の16分音符のヒステリックな響きは
これだけでも一聴の価値があると思います。
原曲ではこのあたりからの木管のソロがかなり執拗に展開されていくのですけど
これは少ししつこいような気がします。
第一楽章のオーボエに乗っかる形のファゴットのデュエットも実にいい働きをしていると思います。

第2楽章 Allegro impetuoso

ティンパニの力強い独奏から始まり、金管群がそれに応えます。

Tbのソリから始まり、第1楽章とは対照的なスピード感の中で収縮と拡大を繰り返し、
冒頭の主題が多層的な響きの中で再現されると、叩きつけるように終わります。

金管楽器と打楽器が「これでもか!!」とばかりにかなりの強奏を展開していきます。
でも第二楽章のあの強烈なリズム感と強引な展開のとてつもない「エネルギー」には、本当に魅かれるものがありますし、
強烈な「生きるエネルギー」を感じてしまいます!!
第二楽章から打楽器では、トムトムが大活躍をします。
レコード・CDを聴いてしまうとトムトム奏者は1名のようにも聴こえますけど実際は2名で叩きつけています。

この曲は吹奏楽コンクールでも1977年の全国大会における天理高校の演奏以来、21世紀に入ってもたまにですけど
この曲が継続されている事は大変嬉しいものがあります。
だけど、この曲のコンクール演奏に関しては、1979年の市立川口高校と1980年の東海大学第一の演奏を
超える演奏はいまだに現れていないと思っています。
というか、あまりにもこの両校の演奏が神がかっているというのか素晴らしすぎる名演なので、
両校の演奏から既に38年以上の歳月が流れているのですけど
あの演奏を超える演奏はもう出てこないのかもしれないですね。

だけど、私にとってネリベルの「二つの交響的断章」というと1979年の市立川口高校の演奏に尽きると思います。

とにかく、あの演奏は凄過ぎると今現在でも思っています。

「神がかり」・「奇跡のような超ウルトラ名演」としか言いようが無いと思いますし、
当ブログの役割の一つが市立川口のあの素晴らしい名演を語り継ぐことだとも思っています。

東海大学第一高校のかなのクセのある個性的な演奏、あの重低音をバリバリと鳴らした演奏も大好きですし、
あの積極果敢に最初から最後まで攻め続ける積極性は今現在の吹奏楽コンクールでは多分そんなには見られない
表現スタイルだと思いますし、確かに特に前半部分は「乱暴すぎるのかも・・」と感じなくもないのですけど、
あれはあれで立派なネリベルの表現なのだと思います。
(東海大学第一の演奏をレコードで聴くと、ティンパニがなにかヘンな方向から聴こえてくるようにも思えるのですけど、
あれは当時としては大変珍しいセッティングで、鍵盤打楽器・大太鼓・ドラ等をステージ左手に配置し、ティンパニのみ
ステージ右手に配置したからだと思います)
よく吹奏楽マニアの方ですと「1977年の天理高校」を推す方も多いのですけど、
私としては天理高校の演奏は確かに巧いし理性的な演奏で個人の技術の高さは相当なものがあるとは思うのですが、、
市立川口とどこが決定的に違うのかと言うと「演奏の熱さ」と「第二楽章以降のヒートアップ振り」なのだと思います。
天理は理性的に第二楽章も展開しているのですけど、私から言わせて頂くと、
あんまりおもしろくないし、市立川口のような狂った狂喜乱舞さがなく優等生のような演奏に終始してしまっているのは
もったいない感じもあります。
(天理は前年度がまさかの初の銅賞という事で、この年はもしかしたら守りに入っていたのかもしれないですね・・)

それにしても1979年の市立川口の演奏は凄まじい「熱さ」が光り輝いていたと思いますし、
強烈なインパクトのある切れ味鋭いウルトラ名演だと思います。
私は、現在、埼玉県川口市在住なのですけど、
1980年代の市立川口高校の数々の素晴らしい名演
(特にこの二つの交響的断章と「無言の変革」シリーズ、名取吾郎シリーズ)に感銘を受けた人も多いと
思いますし、私自身、この市立川口の演奏に魅了&影響を相当受けていますし、
それが一つのきっかけなのかもしれませんけど、東北在住時代に
「いつの日にか市立川口高校がある川口市に住んでみたい」と思っていたら 、なんと本当に
その数十年後に本当に住む事になってしまったものでしたし、
(偶然なのですけど、うちの奥様が川口市の生まれと育ちなものでして・・・)
その意味では「夢が叶った~!」と言えるのかもしれないです・・(笑)
 
1979年当時吹奏楽コンクールの全国大会の出場チームのステージ衣装はほぼ例外なく学校の制服というか、
男子は学ラン、女子はセーラー服かブレザーという中、
市立川口高校吹奏楽部は、赤ブレザーに白のズボン・スカートという当時としては斬新なステージ衣装というのは
当時はとても眩しく斬新でしたし、広い普門館のステージが狭く感じるほど、
打楽器を数多くセッティングし、ハープとか法螺貝とか、コンサートチャイムとは別に本物の「鐘」を 持ち込んだり、
視覚的にも大変インパクトはありました。
そして何よりも演奏が素晴らしかったと思います!
1979年の市立川口高校の課題曲は「プレリュード」という コンクール史上初の無調的色彩の強い現代音楽系の曲
だったのですが、 冒頭のティンパニソロをはじめ、緊張感漲る演奏が本当に素晴らしかったし、
後半のヴィヴラフォーン以降の木管セクションのひさやかさ、打楽器セクションの鼓動 など
文句のつけようがない課題曲Bの演奏だったと思います。
しかもこの演奏、全国大会初出場でしかもプログラム一番なのですよ~!
そんなハンディーを全く感じさせない演奏だったと思います。
自由曲のネリベルの「二つの交響的断章」はまさに圧巻の一言!!!!!
前述の通り、出だしが、チャイム・シロフォーン・グロッケン・マリンバの鍵盤打楽器から開始され
執拗に同じメロディーを反復していくのですが、この緊張感が絶品です。
アルトサックスのソロも素晴らしいし、それに合いの手を入れる打楽器セクションの瞬発力も お見事に一言に尽きます。
ファゴットのデュエットも・・ま・・少しばかりズレはあるのですけど、やはりあの勢いは止められない感じです・・・
後半のティンパニソロからの金管セクションの透明かつ勢いのある展開も大変迫力がありますし、
トムトムをはじめとする打楽器セクションのやはり瞬発力と自発性は高く評価されて然るべきだと 思います。
自由曲における、ドラの鳴り方が非常に効果的なのも印象的です。特に第一楽章の鳴りっぷりは凄まじい・・・
前述の通り、この原曲は17分程度の長いものなのですけど、
市立川口は5分30秒程度にコンパクトに収めてしまいましたので、
「もう少し長く演奏しても良かったのでは・・・? せめてこの翌年の東海大学第一高校くらいの長さは
欲しかった」とも言えなくはないのですけど、
指揮者の信国先生は、 「音楽的緊張感」を優先に考え、このカット方法にしたのかもしれませんよね。
(課題曲Bのプレリュードを静粛に音楽的緊張感をキープしたまま、ネリベルの冒頭のあのひそやかな鍵盤打楽器へと
入った事もあり、課題曲との連続性みたいなものも信国先生としては意識されていたのかもしれないです)

この1979年の市立川口の演奏は、色々な意味で私の「バイブル」と言えるのだと思いますし、
花輪高校・秋田南高校と並んで私に与えた影響はトップクラスなのだと思いますし、
私としてし市立川口高校に対する「想い」というものは格別のものがあると思っています。
市立川口高校は、川口市の市立高校の学校統廃合により既にこの校名は消えてはいるのですけど、
私の記憶の中で、市立川口高校の数々のあの伝説的名演・・そして特にあの二つの交響的断章の歴史的名演は
永遠不滅に受け継がれていく事は間違いないと思います!

ネリベルの「二つの交響的断章」は今現在でも支部大会・全国大会でも演奏され続けているのですけど、
1979年のあの市立川口高校を超越するような斬新な演奏の出現を心待ちにさせて頂きたいと思います!
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