J.オリヴァドーティ / 序曲「バラの謝肉祭」 → 1970年代に小編成のスクールバンドを中心に大人気の吹奏楽曲でしたけど、シンプル・イズ・ベストを見事に立証した曲だと思います。

2 0
最近の現役中学生や高校生で吹奏楽をされている現役奏者の皆様に「オリヴァドーティという作曲家知っている?」と聞いても
ほとんどの人は、「誰、それ?」というような扱いなのかもしれないですね。
私が中学生・高校生の頃の1970年代後半から80年代前半の場合ですと、
奏者が25人足らずの小さな吹奏楽部や技術的にあまり上手くないメンバーが多いチームが吹奏楽コンクールに
出てみようと思った場合は、
①「吹奏楽のための民話」でお馴染みのコーディル
②「クィーンシティ組曲」でお馴染みのカーター
③序曲「バラの謝肉祭」でお馴染みのオリヴァドーティ

あたりから始めようというのが基本的な流れだったような感じもあります。
当時の吹奏楽コンクールにおいては、C部門(人数が25名以下の部門)・B部門(35人以下の編成)においては、
コーティル・オリヴァドーティは大人気だったような記憶があります。
あ・・C編成やB編成といっても最近の現役奏者の皆様にとっては「なんじゃそれ・・?」という死語の世界と化しているのかも
しれないですね。
支部や県によって言い回しは微妙に異なっていたりもしていますけど、基本的には大編成と小編成という部門に統一
されているのが実情だと思います。
1990年代の頃で言うと、スウェアリンジェンみたいな位置づけとも言えると思うのですけど、逆に言うと
吹奏楽コンクールの流行り廃りという歴史の中で、小編成のスクールバンドにおいて、コーディルやオリヴァドーティに
少し飽きてしまったところにスウェアリンジェンという作曲家が彗星の如く現れ、オリヴァドーティに代って
スウェアリンジェンがその役割を奪取したという表現も出来るのかなぁ・・と思ったりもします・・(汗)

J・オリヴァドーティは実は生粋のアメリカ育ちではなくて、生まれ自体はイタリアです。
18歳のときアメリカに移住し当初はオーボエ奏者としてシカゴのミリオン・ダラー・バンド、
第二次大戦中は海軍軍楽隊に所属し奏者としての生活を送る事になります。
戦後はカリフォルニアに移り、スクールバンドのための多数のオリジナル作品や音楽理論の教本等を残すことになります。
元々がイタリア生まれでイタリアで基礎的な音楽教育を受けた方でもありますので、
「バラの謝肉祭」が何となく演歌っぽいとか歌曲の世界みたい・・と時に揶揄されるのは、オリヴァドーティのイタリア人としての
血がそのような曲を書かせていたのかもしれないですね。
バラの謝肉祭は1947年に作曲され吹奏楽の歴史を語る上ではずせない古典的名曲のひとつであるのは間違いないと思います!

オリヴァドーティの曲って色々とあります。

一例を挙げてみると・・

〇序曲「バラの謝肉祭」

〇イシターの凱旋

〇「大洋の偉観」序曲

〇ポンセ・デ・レオン

〇序曲「りんごの谷」

〇「美しき剣士」序曲

〇「桂冠詩人」序曲

などなどがありますけど、全ての曲に共通して言えることは、難しい表現とか不協和音等はほとんどなく
親しみやすくシンプルなメロディーラインが、全ての人の心の中にまっすぐとすんなりと入り込んでいけるようにも思えます。
素朴を絵に描いたような作品だと思いますし、コーディルの「吹奏楽のための民話」と同様に
シンプル・イズ・ベストを音楽的に立証した作品と言えるのだと思います。

こうした親しみやすく平易な作品が、オリヴァドーティの名前と共々消えていきそうな雰囲気は
1970年代~80年代の吹奏楽に関わった者としては少々寂しいものはありますね。
こうした曲が後世の時代にも受け継がれていって欲しいなとも思えてならないです。

序曲「バラの謝肉祭」なのですけど、
コラール風の序奏の後に続く、クラリネットのメロディーラインが本当に美しく素晴らしいのです!!
この後金管セクションが加わり一度盛り上がり、
中間部でしっとりと歌い上げ、ラストで再び盛り上がるという感じの曲ですけど、
こういう「シンプルさ・素朴さ」満点の曲は素晴らしいとしみじみと感じます。

クロード・スミスの「ダンス・フォラトゥーラ」とかバーンズの交響曲第3番とかスパークの「宇宙の音楽」といった
華麗で技術的な難易度が極めて高い吹奏楽オリジナル作品も素晴らしいですけど、
時にはこういう素朴で楽しい曲もいいものだと思います。

昭和の頃にソニーから「オリヴァドーテイ作品集」というレコードも出ていましたけど、
何とかあれ、復刻版CDが出て欲しいです!
バラの謝肉祭だけなら、フェネル指揮/東京佼成や渡辺渡邊 一正指揮の東京佼成WOの演奏が素晴らしいと思います。

だけどたまにはこういう懐かしい曲も吹奏楽コンクールで聴いてみたいものですね・・
関連記事
ページトップ