クラシック音楽で使用される楽器の中には「ムチ」もあったりします・・ → ムチというとなんかヘンな意味でドッキリさせられるのかも・・!?

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中学校の頃の音楽の授業だったと思うのですけど、
B.ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」(「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」が正式タイトルです)という
管弦楽曲を音楽鑑賞の時間に聴いた時、
音楽の教科書の中にこの曲で使用する楽器の事が結構細かく書かれていて
吹奏楽部員であった私にとってはごく当たり前の風景だったのですけど
弦楽器・管楽器・打楽器が写真と共に色々と紹介されていて結構興味深かった印象があります。

この曲の中で使用される打楽器(パーカッション)として紹介されていたのは、

ティンパニ
大太鼓とシンバル
タンブリンとトライアングル
小太鼓とウッドブロック(木魚)
シロフォン(木琴)
カスタネットとタムタム(ドラ)
ムチ

だったのですけど、教科書に「ムチ」と記されていましたので、当時の妄想真っ盛りの男子中学生の中には

「ムチって、まさか女王様が使用されるあのピシっピシッ!というものなの・・?」
「まさか女王様がボンテージ衣装で黒レオタードを穿かれた上で、この豚野郎がぁ~っ!と罵りながら
ムチをMっぽい奏者に叩きつけるものなのかっ・・!?」と当時何やらヘンな妄想ネタとして盛り上がっていたものでした・・(汗)

確かに「ムチ」というと革で床を叩きつける際のあの「ピシャッ!!」みたいな音をイメージする人も多いのかもしれませんけど、
実際にブリテンの「青少年のための管弦楽入門」という曲を耳をダンボのようにして細かく聴いたとしても
そうした「ピシャッ!!」みたいな音は聴こえてこないと思います。

ま、そりゃそうですよねぇ・・

クラシック音楽上での「ムチ」という楽器は、別にあのSMアイテムという訳ではなくて(汗)
拍子木を大きくしたものと言うのか、細長い2枚の木の板を合せてバン!!という音を鳴らすという
これはこれで立派な打楽器なのです。




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上記がクラシック音楽・吹奏楽で使用される打楽器としての「ムチ」です!

2枚の細長い木板の一端を蝶番で留め、2枚の木板を合わせることによってパンッ!という鋭い音を発します。




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こちらはいわゆる女王様が商売道具または調教用としてお使いになられるものです・・(汗・・!)





私がブリテンの「青少年のための管弦楽入門」を最初に生で聴いたのは、尾高忠明指揮の読売日本交響楽団でした。

私が上京したての頃だから1984年頃の話だと思いますが、生で聴いて「ムチ」の謎は解けたという感じでもありました。
この曲は一般的にはティンパニ以外の打楽器は3人のみ使用という事が一般的であり、
打楽器奏者は、大太鼓・小太鼓・シンバル・ドラ・ムチ・シロフォーン・ ウッドブロック・サスペンダーシンバルなど
多種多様な打楽器を掛け持ちで演奏しますので結構大変だと思います。
「ムチ」の場合は、細長い2枚の板を視聴効果たっぷりに派手に叩き付けますし、見た目にもかなり目立っていると
思いますので、奏者としては叩きがいがあると思います。

この「ムチ」をもっと効果的に使用した曲があります。

それは何かと言うと、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」です。
この第一楽章の冒頭で、この「ムチ」がバシッ!!と叩かれていきなり曲が開始されますので
ピアノ奏者もバックの管弦楽団も冒頭からかなりのプレッシャーが掛かると思います。
最初にこの曲を生で聴いた時、 その「意外さ」に度胆を抜かれたものですし、
「まるで猫だましみたいな曲みたい・・」とも感じたものでした。
随分昔に、舞の海が、立会いの時に相手の意表を突くために
目の前で急に手のひらをバーンと叩いて音を出して相手をびっくりさせてその隙に上手を取るという戦法がありましたが、
ラヴェルの「ピアノ協奏曲」は、クラシック版猫だましという感じです。
そしてこの「ムチ」は第三楽章でも再度使用されます。

ラヴェルのピアノ協奏曲は、全般的には第一・第三楽章の才気煥発的な茶目っ気
第二楽章のファンタジーの対比が非常に面白く、
18分程度の短い曲なのですが、聴かせどころ満載の曲です。
特に第二楽章のコールアングレの長いソロは、奏者の腕の見せ所ですし、
その陶酔感たっぷりの夢心地にはうっとりさせられるものが多々あると思います。
ちなみにですけど、第三楽章の主題は、映画「ゴジラ」のテーマ音楽に大変よく似ています。

このラヴェルのピアノ協奏曲を沼尻竜典指揮/新星日本交響楽団で、梯剛之さんという全盲のソリストと共演した
演奏を聴いた事がありますが、
「あの難しい出だしをどうするのかな? ソリストは目が見えない方だし、ムチ奏者との兼ね合いもあるし・・」と
思っていた所、ムチが叩かれる寸前に、指揮者がピアノの蓋にコツコツと拳骨で
たたいて合図を送り、ムチもピアノもバックのオーケストラも何の乱れもなく演奏が展開されていったのは
「さすがプロは違う!」と感じたものでした!

ブリテン・ラヴェル以外でこのムチが使用されたクラシック音楽としては、マーラーの交響曲第5~6番や
ショスタコーヴィッチの交響曲第13~15番という事例もあります。

吹奏楽オリジナル作品ですと、この「ムチ」をかなり効果的に使用した曲として
チャンスの「呪文と踊り」やバーンズの「呪文とトッカータ」(祈りとトッカータ)などが挙げられると思います。

吹奏楽コンクール等において打楽器のかわいいJC・JKの皆様たちが「ムチ」なんて楽器を使用してしまう光景を目撃すると
なんだかドキッ・・とした気持ちになってしまうのかも・・??
(ただのヘンタイさんですね・・汗・・!)

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