吹奏楽経験者の方でマーチを一度も演奏したことは無いという方は多分ですけど皆無に等しいと思います。
そのくらい吹奏楽とマーチは相性がいいというのか切っても切り離せない関係なのだと思います。
世界各国にはいろいろなマーチがあり盛んに演奏されていますけど、その演奏形態はほとんどが吹奏楽であり、
管弦楽がマーチを演奏することはむしろ珍しいようにも感じたりもします。
(ニューヨークフィルとかクリーヴランド管弦楽団によるスーザの「星条旗よ永遠なれ!」は本当に惚れ惚れするほどかっこいいです!!
ニューイヤーコンサートでお馴染みのシュトラウスのラデッキー行進曲も管弦楽のマーチとしては定番中の定番ですね!)
マーチというと上記の星条旗よ永遠なれ!やラデッキー行進曲もそうですけど、吹奏楽版としては例えば
美中の美・国民の象徴・錨をあげて・雷神・ワシントンポスト・士官候補生・ボギー大佐・アメリカンパトロールなどがとても
印象的ですね!
上記で挙げた曲は私も全て演奏した記憶がありますけど、吹奏楽コンクールの課題曲とか自由曲みたいに
窮屈でプレッシャーがかかり胃がギリギリするような感じではなくて
マーチを吹くときだけはとってものびのび生き生きと演奏していたような印象もあります。
(「響け! ユーフォニアム」カテゴリで散々書きましたけど、マーチングといって歩きながら演奏することはちょっと苦手でした・・)
さてさて・・それではマーチというと日本の作曲家において有名なマーチというとどんな作品があるのでしょうか?
日本の吹奏楽事情においては「全日本吹奏楽コンクール」というものが切っても切り離せない関係があり、
日本の吹奏楽がここまで世界的に見ても驚異的なレヴェルの高さを見せているのは、確かに功罪はあるのは
認識はしていますけど、この吹奏楽コンクールの存在が間違いなく、否! 100%吹奏楽コンクールが導き出したというのは
確実にあると思います。
そんな訳で「日本のマーチ」というとどうしても吹奏楽コンクールの課題曲というイメージもあるのかとは思いますし、
事実、吹奏楽コンクールの課題曲としてのマーチには大変優れた作品や名曲も相当多いのですけど、
ここでは吹奏楽コンクールの課題曲をあえて除外して考えると、
例えばですけど、團伊玖磨の祝典行進曲とか新・祝典行進曲、黛敏郎のスポーツ行進曲、山本直純の白銀の栄光、
高校野球でお馴染みの栄冠は君に輝くなどが大変名高いと思います。
あ・・そういえば、すぎやまこういちのドラクエシリーズの序曲のマーチ・ドラゴンクエストマーチ・おてんば姫の行進
な~んていうマーチもありましたね! (笑)
だけど日本のマーチというと一番有名というのか親しみやすいメロディーというのか、
一度ぐらいは耳にしたことがあるマーチというと「軍艦マーチ」なのかもしれないですね!
軍艦マーチですけど、旧日本海軍の「軍艦」をテーマにしたマーチです。
正式名称は軍艦行進曲または行進曲「軍艦」なのですけど、なぜか知りませんけどこの曲は軍艦マーチとして呼ばれることが
多く、今現在ではその呼び方が完全に定着していると思います。
1900年(明治33年)に軍歌として元からあった元ネタとしての曲に瀬戸口藤吉がマーチとしての加筆を行い手を加え、
海軍の公式行進曲として採用されています。
現在も海上自衛隊の公式行進曲として、式典等で演奏されています。
当初は変ロ長調として作曲されましたけど、その後ト長調に編曲され、さらに大正時代末期にはヘ長調へと改訂され
現在に至っています。
採用当初は題名に沿って、軍艦の進水・出港式などで用いられていましたけど、
戦時中になると戦意高揚のためにラジオなどで盛んに流されるようになり、
終戦直後はGHQの指導もあり多くの軍歌が封印または演奏禁止になっているのに、どういう訳か分かりませんけど
なぜか軍艦マーチだけはGHQから指導を受けなかったため、そのまんまずっと演奏され続けていたという経緯もあったりします。
私はパチンコ等のギャンブルは一切やらないもので、パチンコ店に行ったことは無いのですけど、
昭和の頃はパチンコ屋さんの前を通るとよくこの軍艦マーチがBGMとして流れていて、
そのため私のような昭和世代ですと、軍艦マーチ=パチンコ屋というイメージを持っている人も多いのかも
しれないですね・・(汗・・)
メロディー自体が大変明るくノリの良い曲のため、そのあたりがパチンコ屋さんのBGMとして重宝された理由なのかも
しれないですね。
そうしたパチンコ屋さんのBGM音楽として定着した事でこの曲は日本ではすっかりなじみ深いマーチとなっていったのだと
思います。
現天皇陛下の婚儀を祝った曲でもある團伊玖磨の「祝典行進曲」の知名度が正直今一つである事を考えると、
やはりパチンコ屋の宣伝効果は凄いものがあるのだと改めて実感させられたものでもあります・・(汗・・)
だけど最近では、この軍艦マーチをBGMとして店内で流すことはかなり激減しているそうです・・・
この軍艦マーチですけど、私が中学生の頃部室内にフルスコアがあったのですけど、その総譜の注意書きには、
私のあやふやな記憶ですけど、
「トリオの変奏は、絶対にコルネットが吹く必要がある。コルネットを所有していない吹奏楽団がごまかしながら
この曲を吹くなんてとんでもない話である」みたいな何かとてつもない上から目線みたいな事が
書かれていましたけど、今現在ならばともかく、昭和の頃の田舎の中学校の吹奏楽部にトランペットとコルネットを
使い分けている学校なんてある訳ないじゃん!とツッコミを入れたい気分でもあります・・(汗・・)
この軍艦マーチはタイトルからしていかにも右の方が喜びそうで左の方が眉をしかめそうな感じてもあるのですけど(汗・・)
右系としても名高かった黛敏郎が司会者を務めた「題名のない音楽会」にて、三島由紀夫がゲストとして呼ばれ
読響を三島由紀夫が指揮された曲こそが、この「軍艦マーチ」でした!
うーーむ、これはいかにも右系の黛さんと三島由紀夫が選曲しそうな曲なのかもしれないですね・・(汗・・)
私の出身大学はどちらかというと右系の学校でして
(私は法学部でしたけど、憲法の講座を担当されていた5人の教授のうち4人は「いますぐ憲法第9条改正! そして日本は
ただちに再軍備をしろ!」という先生という事に示唆される通り、かなりの右寄りだったと思います。
今現在はどうか分かりませんけど・・)
当時在籍していた吹奏楽団もそうした影響があったのかどうかは定かではないのですけど、大学の公式の式典の行進曲とか
東都リーグの野球の応援ではよくこの「軍艦マーチ」を演奏していたものでした。
そしてなぜか知りませんけど、高校の頃はあれだけ吹いていた「星条旗よ永遠なれ!」はアメリカの曲と言うせいなのか
ほとんど演奏していなかったのは、右系の学校の雰囲気というのも多少はあったもしれないですし、
右と左が当時はいまだに小競り合いをキャンパス内で時折やっていた
昭和の頃の学生紛争の名残という奴なのかもしれないですね・・(汗・・)
最後に・・この軍艦マーチなのですけど今だったら「艦隊これくしょん」のゲームのBGMとして使用した方が
ぴったりと言えると思います!
例えば、武蔵・伊勢・長門といった戦艦の艦娘が用いたとしたら「はまりすぎてかえって怖いくらい・・」と思われるのかも
しれないですね・・
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軍艦マーチは仰るとおり、耳にしなくなりました。
イントロを「ジャンジャン ジャガイモ サツマイモ」と歌ってましたねぇ。
戦艦だけでなく、どの艦娘たちにも合うとボクは思いますよ。
ようつべでは長門が40センチ砲をブッ放す映像がありましたけど。