長年に渡って「吹奏楽コンクール」を聴き続けていると
たまにですけど、クラシックアレンジものにおいて、
「え・・・この作曲家って・・・誰・・?? 聞いた事すらない・・・」みたいな作曲家の曲を自由曲に選ぶチームもあったりして
その辺りは大変興味深いものがあります。
そのいい例がカヒッゼの「イタリア狂詩曲」なのかな・・・・
最初にあれを聴いた時は・・・正直思いっきりぶったまげました・・・
だって、まさにイタリア民謡「フニクリ・フニクラ」をもろにそのまんま執拗に「これでもかっ!!」というくらい
引用しまくっていましたからね・・・
コンクールでの演奏がきっかけとなってその曲とかその作曲家の曲を知る事になったのは
色々とあるのですけど
(前述のイタリア狂詩曲を聴いた次の日には・・私は・・この曲が収録されたCDを探しに渋谷・池袋・秋葉原を
転々としたものです・・・ま・・結局秋葉原の石丸電気で無事に発見しました!!)
作曲家の名前すら聞いた事が無いというのはどちらかと言うと少ないケースだと思います。
なぜなら吹奏楽コンクールの支部大会・全国大会と言うと、ほとんどの場合は、アレンジ系の曲を自由曲に
選ぶ場合は、ある程度は知名度がある作曲家を選ぶ傾向が大変強いですからね。
そんな中・・・
「ええーーー、この作曲家って誰・・・?? 聞いた事すらない!!」の筆頭格は、
私にとっては、
1985年に秋田県の花輪高校吹奏楽部が自由曲に選んだガジべコフという作曲家の交響曲第2番でした!!
というか・・・当時の普門館の会場にいた人の中で「ガジべコフ」という作曲家の事をご存知の方って
もしかしたら・・
多分一人もいなかったのかも・・・??
勿論、そういう自分も全然知らない・・・聞いた事すらないという感じでした。
後日、大学の吹奏楽団の人達に「ガべペコフって誰??」と聞いても
全員が「誰それ・・・?? 名前すら聞いた事が無い」という反応でした。
この年の花輪高校の演奏は本当に素晴らしいもので、まさしく「名演」に相応しい演奏だったと思います。
しかも・・・
この演奏、プログラム一番なのですよ!!
朝一番という大変シビアな条件にも関わらずあの生き生きとした演奏、金管セクションの重厚感溢れる演奏、
木管のしなり・・・
聴いていて全く文句がつけようがない演奏で、とにかく素晴らしい演奏だったと思います。
だけど・・・
あの素晴らしい演奏の評価はなぜか・・・「銅賞」なんですよね・・・
ま・・・この話は既にこのブログでは何度も語り尽くしていますし
「私が吹奏楽コンクールの中で一番納得がいかない銅賞」とかなり執拗に記事にしていますので、
ま・・・その辺りは今回は割愛をさせて頂きますけど
「あの演奏のどこが銅賞なんだ!! どこをどう捻くれて聴けば銅賞という評価を出せるんじゃ――!!」と
当時とにかく思いっきりブーたれていたものです・・・(苦笑・・)
だけどそれにしても花輪高校の当時の指揮者の小林久仁郎先生ですけど
ハチャトゥーリアンの交響曲第3番「シンフォニーポエム」と言い
このガジべコフといい、
一体どうすればこうした「埋もれたマイナーシンフォニー」の名曲を探し当てるのでしようかね・・・
小林先生の功績は腐るほどあるのですけど、その一つが
「シンフォニーポエム」を吹奏楽コンクールの定番自由曲の一つとなるきっかけを作ったという事があると思います。
このガジべコフに関しては、
そうですね・・・その後私も色々と調べたのですけど、結局なんにも分かりませんでした。
かろうしで判明したのは、
1.1974年に既に55歳の若さで逝去
2.正式には、スルタン=ガジべコフという名前
3.アゼルバィジャン共和国の作曲家兼音楽院教授
このくらいでした・・・
他にどんな曲があるのか、代表作はなんなのか、誰に師事したのか等は・・
そうですね・・・
今現在もさっぱりわかりません・・・
花輪高校が演奏した交響曲第2番なのですけど、
今の所、私自身、この曲の管弦楽版の原曲は聴いた事がありません。
というか・・・
そもそもレコード等の音源ってこの曲にあるのかな・・??
それすら不明なのです・・
この話、以前も書いたと思うのですけど、大学時代貧乏学生の典型だった私は・・・
聴きたくともお金がないもので
中々吹奏楽作品とかクラシック音楽のレコードを買う事が出来ないものでした・・・
当時は・・・CDがやっと世に普及したばかりで、国内盤はなんと・・・一枚3000~3500円と言う今では
信じられない値がついていました・・・・
そういう時、大変便利な施設がありまして、
それが何かと言うと都内の上野にある「東京文化会館」の五階にある「音楽資料室」でした!!
ここは本当に貧乏学生にとってはありがたい場所でして、
クラシック音楽・吹奏楽に関しては・・・
多分・・・「無いレコード・CDは無い」と言えるかもしれないほど資料が豊富で
これかなんと・・・!!
無料で聴くことができるのです!!
聴き方は、資料室内に鑑賞ルームがあって、ヘッドホンを使用して、借りたレコードを聴くことが出来ました。
勿論、室外への貸し出しは不可なのですけど
とにかく・・タダでこういう山ほどあるレコードを聴くことが出来るのですから
本当に貧乏学生にはありがたかったですね!!
ま・・・レコードをレンタルする際、膨大なインデックスの中から「聴きたい曲」を探すのは
かなり大変でしたけど、
逆に言うとそれだけ膨大な資料があるという事でもあります。
一応、一回3枚まで、込んでいる時は2枚までという規約はあるのですけど、
正直・・そんなに込んでいる日というのはあんまりなかったような記憶があります。
レコードを借りる際に希望すれば、その曲の楽譜・総譜も貸してくれましたので、ホント、色々いい勉強は
させて貰ったと思います。
だけど・・・・
この上野の音楽資料室をもってしても・・・
「ガジペコフ」という作曲家の交響曲第2番、またはこの作曲家の他の作品はないものかと色々と調べたのですけど
回答は・・・
「該当なし」というものでした・・・
ガジべコフの交響曲第2番は、吹奏楽アレンジ版ですけど
ブレーン社から出ている「レジェンダリーシリーズ・花輪高校編」に収録されています。
だけど・・・
結局・・・ガジべコフって一体誰なんだぁーーという疑問は・・・この30年近くなんにも解決できていないです・・・・
最後に・・・・
余談ですけど、
私が上野の音楽資料室を訪れる際ってほとんどは、大学の吹奏楽団の両国での練習場からの帰り道という
パターンが多くて
大抵の場合、クラリネットが入った楽器ケースと譜面を手にしている事が多いせいか
音楽資料室のおばさま達に、
入室の際の学生証提示の時(学生席と一般席の二つがありましたね・・・)
「あれ・・・○○大学・・じゃー、音楽学科の学生さん?」と聞かれる事がよくありましたけど
「いえ、法学部」と答えると・・・
「え・・マジで・・・??」という表情になっていたのが大変印象的でした・・・
ま・・・確かに・・・大学の時は、音楽の事しか勉強しなかったですよね・・・(苦笑・・)
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やっぱりそう思いますよね。
ボクなんか30年間そう思い続けていました。
年代的に花輪を知ったのが前年の「シンフォニポエム」。
それ以前の素晴らしい演奏は随分と後になって、
ネットで知ることとなりました。
吹奏楽のための幻想曲「壁画」(1989)
「チェックメイト」(1992)
などは普門館で即売テープを買いましたが。
ボクも相当カジベコフは調べたんですが…
で・・・
”何者?”
が30年間の研究の答えでした…。