チャイコフスキーと言うと
「三大バレエ」がかなり名高いと思いますけど
このバレエにも色々な「プリンセス」が登場しますよね。
「白鳥の湖」ではオデット姫とか「眠りの森の美女」ではオーロラ姫とかが登場していましたよね。
チャイコフスキーの三大バレエなのですけど、上演時間はどれも長めで
白鳥の湖は2時間半程度、眠りの森の美女は何と軽く3時間を超えます。
くるみ割り人形が一番コンパクトにまとまり、90分前後です。
「眠りの森の美女」ですけど
とにかくバレエ全体はとてつもなく長いです!!
BGMとしてのバレエ音楽もとてつもなく長大で、全曲を聴くと多分、飽きると思います・・・・
音楽的にはとてつもなく冗漫な感じもします・・・
ま、現在でも「全幕上演」でも完全ノーカット版で上演される事はあまりないように思います。
各バレエ団の解釈&演出によって部分的なカット&編集がなされていると思われます。
例えば、ディアギレフがこのバレエを上演しようと企画した際は、
そのあまりの長さを嫌がり、全幕のハイライトシーンをうまく集めた一幕もののバレエとして企画し
タイトルも「オーロラ姫の結婚」というタイトルに変更されています・・・・
このバレエは、かなりメジャーですのでストーリーも結構知られてはいると
思います。
ま、ディズニー映画にもなっていますからね。
一応簡単に記しておくと・・・・
ある王様の、誕生したばかりの娘の命名式の際に、
自分がその式に呼ばれていなかったことに立腹した悪の精・カラボックスから
「姫はやがて糸紡ぎの針を指に刺して死ぬ」と呪いをかけられてしまいますが、
善の精・リラが魔法の杖を持って現れ
「カラボックスの呪いを解くことは出来ないが、指を指すことで百年の眠りについてしまう。
だけど一人の王子の愛のキスによって眠りから目覚める」と宣言されます。
そして100年後に、素敵な出会いが待っていた・・そしてそこには・・・
ま、そんな感じのお話ですね。
このバレエは前述の通りあまりにも長い為、
音楽として演奏される場合は、演奏会用組曲版として演奏される事が多いです。
ちなみにこの組曲版は、
Ⅰ.序奏とリラの精
Ⅱ.バラのアダージョ
Ⅲ.長靴をはいたネコと白いネコ
Ⅳ.パノラマ
Ⅴ.ワルツ
という構成になっています。
音楽としての密度は大変濃いと思います。
特にラストの「ワルツ」が素晴らしいと思います。
Ⅰにおいては、冒頭が全楽器と太鼓関係の強打からかなり印象的に開始されていきますが
そのクライマックスの場面では、
全楽器が咆哮し、ティンパニー+大太鼓がズドーンと叩き付け
シンバルがソロでガシャーンと鳴り
ドラが凄まじい大音響でドワワワワー―――ンと鳴り響かせています。
Ⅱも大体Ⅰと似たような音楽なのですけど、
Ⅱの場合、最初は弱奏でから開始し、徐々に音量が盛り上がっていき
最後はすさまじい大音量でフィナーレします・・・
Ⅱのpp~fffに至る音楽的ダイナミックスレンジは相当幅広いものがありますね。
Ⅲは、オーボエのつぶやくような感じから開始されていきますが
何となくユーモラスな雰囲気もあったりします。
Ⅳのファンタジー感は素晴らしいですね、本当にうっとりとさせられます。
Ⅴのワルツは、いかにもバレエの大団円みたいな雰囲気の音楽ですね。
個人的にはファゴットの音階を上下していくユニゾンがとても大好きです。
この「眠りの森の美女」~ワルツですけど、なぜか知らないのですけど、うちの近くのスーパー・マルエツにおいて
よくこのワルツが流れています。
何かこのワルツを聴くだけで気分は・・・「ウルトラハッピー」になってしまいそうですね・・・(笑)
この曲を生で聴いたことは、意外と少ないですね・・・・
沼尻竜典指揮/日本フィルとスヴェトラーノフ指揮/N響ぐらいかな・・・・
この素敵なバレエ組曲を聴く場合
とても気に入っている演奏があります。
カラヤン指揮/ウィンフィルなのですけど、録音は、私が生まれる以前のすごく古いものですけど
この優雅な演奏、すごーく気に入っています。
特にワルツの優雅さが素晴らしいですね!!
そうそう、これはかなり有名な話ですからご存知の人も多いかとは思いますが、
チャイコフスキーの代名詞とも言えるバレエ音楽「白鳥の湖」は初演は、惨憺たる大失敗に終わっています。
今現在の感覚でこのあまりにも素晴らしい数々のメロディーとかあの優雅な踊り、
そしてドラマティックなストーリーを考えると
「どこに失敗する要素があるねん・・」と関西弁でツッコみたくもなるのですけど、
白鳥の湖以前のバレエと言うものは「踊り」がメインで、音楽はあくまで添え物という感覚が大変強く、
当時は・・・振付師とか演出家の命令によって作曲家がせっかく作り上げた曲そのものを
カットしたりメロディーラインを変更させられたり、他の曲に差し替えられるというのはかなりの日常茶飯事だったようですね。
それに対してチャイコフスキーは
そうした当時のバレエ界の「音楽家冷淡な扱い」という事に異議を唱え、
当時としてはあまりにも革新的な音楽を作り上げたものの、肝心の振付がそうした新しい音楽に付いていけず
新しい感覚の音楽と古い時代の舞踏という大変なギャップが
そうした初演の大失敗という事に繋がっていったそうです・・・
そして・・数年もの間、チャイコフスキーはバレエ音楽から足を洗い、この分野での曲は書こうとはしなくなるのでした・・
だけど再度バレエ音楽の依頼が舞い込み、当初は頑なに拒否したものの、
依頼者の熱い気持ちについつ負けてしまい、
「それならば・・」と思って作られたのがこの「眠りの森の美女」なのです。
多分ですけど・・・チャイコフスキーとしては「白鳥の湖のリベンジ・・!!」みたいな気持も多少はあったのかも
しれないですよね・・・
ま・・だけどこのバレエは初演は大成功でしたから、ホント、良かったですよね!!
チャイコフスキーは意外と初演はコケるみたいな雰囲気もあり、
例えば・・・交響曲第5番とかヴァイオリン協奏曲は・・・結構というかかなりの不評だったみたいですね・・・
うーーん、なんか今では信じられない話なのかも・・?
- 関連記事
-
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
件のトラックバック