この記事の一つ後の記事が「魔法つかいプリキュア」に関する事なのですけど、
10月の記事の中でこの「魔法つかいプリキュア」にセットする形でデュカスの交響詩「魔法使いの弟子」の記事を
書かせて頂きましたけど
クラシック音楽で他に何か「魔法使い」みたいなワードが搭乗する曲って何かあったかな・・と思ったのですけど
いかんせん・・・乏しい私の知識の中では中々出てこない・・・(苦笑・・・)
代わりに出てきたのが
最近でもないけど、ナクソスレーベルより発売された
「魔法革命プロコフィエフ」というタイトルの企画モノCDでした・・

これは・・・
クラシックのミラクルパワーで「魔法少女」に大変身!?
「交響戦艦シリーズ」待望の”ヒロイン編”ついに登場!!という、クラシック音楽とアニメのコラボ企画商品
みたいなものだと思います。
なんか「魔法革命」というタイトル自体・・・「プリキュア」の世界に近いものを感じさせてくれますよね・・(苦笑・・)
ま・・・CDの紹介文として、
「いっけな~い!ちこくちこく~!」ドジで平凡なヒロインが、クラシック音楽のミラクルパワーで
「魔法少女」に大変身!?
学園、敵、変身、必殺技 、涙、友情など、少女アニメの「お約束シーン」を
イメージさせるキラキラでファンタジックな名曲をお届け。
Twitterで大反響を巻き起こしたヒットアルバム「交響戦艦ショスタコーヴィチ」
「幻想魔神ハチャトゥリアン」に次ぐ待望の第3弾!
とありますけど、まさにその通り!!という感じですね・・・
このCDに果たしてどんな曲が収録されているかと言うと
残念ながらアニソンとかプリキュアの過去のOPとかEDが収録されている訳ではなくて
クラシック音楽の曲・・・・特にロシア系の曲をメインに構成されている普通のクラシック音楽のCDです。
ま・・・確かに収録されている曲は、ファンタジー系の感じな曲が多いですね。
具体的には・・・・
1.バレエ音楽「ロミオとジュリエット」 Op.64 – 導入曲<プロコフィエフ>
2.バレエ音楽「魔法の鍋」 P129 – コサックの踊り<レスピーギ>
3.「子供の魔法の杖」組曲第1番 – 序曲<エルガー>
4.鐘の歌<アンダーソン>
5.バレエ音楽「シンデレラ」組曲第1番 Op.107 – 真夜中<プロコフィエフ>
6.バレエ音楽「火の鳥」 – 火の鳥の出現~カスチェイ王の魔の踊り<ストラヴィンスキー>
7.バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op.71 – こんぺいとうの踊り<チャイコフスキー>
8.レクイエム – サンクトゥス<ラター>
9.交響詩「人魚姫」 – 第2楽章( 抜粋)<ツェムリンスキー>
10.フルート協奏曲 ト短調 「夜」 Op.10 No.2 RV439 – 第6楽章<ヴィヴァルディ>
11.バレ エ音楽「シンデレラ」組曲第1番 Op.107 – シンデレラのワルツ<プロコフィエフ>
12.交響詩「魔法使いの弟子」<デュカス>
13.ヴァイオリ ン・ソナタ第3番 ハ短調 Op.45 – 第2楽章<グリーグ>
14.ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26 – 第1楽章<プロコフィエフ>
15.バレエ音楽「四季」 Op.67 – XV. 秋(アレグロ)<グラズノフ>
16.バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op.71 – 花のワルツ<チャイコフスキー>
17.バレエ音楽「ロミオとジュリエット」 Op.64 – 終曲<プロコフィエフ>
そうですね・・・私自身は、2・4・8・13の曲は知りません・・・聴いた事がないです・・・
「シンデレラ」・「火の鳥」・「くるみ割り人形」の音楽はこうした「魔法」をイメージしたCDには
もってこいの曲だと思いますね。
だけど・・・ツィムリンスキーの交響詩「マーメイド」なんて・・・渋い・・・渋すぎるよ、この選曲!!
それと・・・
グラズノフのバレエ音楽「四季」~秋ですけど、これは・・・吹奏楽コンクール大好き!!という人間しか
分からない曲なのかも・・・??
この曲は、「魔法」ちゃいまんねん、現実的な収穫祭の曲とちゃいますか・・・と関西弁でツッコミを入れたい気持ちに
なったりもします・・・(苦笑・・)
ちなみにですけど、この「魔法革命プロコフィエフ」のCDの事を教えて頂いたのは
当ブログのリンク先の一つである鳥中零子様からの情報でした・・
鳥中様、大変ご無沙汰しています!!
あの時はありがとうございました!! こんなしょーもないブログですけど、たまーには覗いて頂くと
私としては・・・大変嬉しいものがあります!!
さてさて・・・上記の「魔法革命プロコフィエフ」ですけど
冒頭の「クラシック音楽で他に何か「魔法使い」みたいなワードが搭乗する曲って何かあったかな・・・」という問いには
何か大切なものが抜けているような気がしてなりません・・
何だったかな・・・
(一時間経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・苦笑・・)
そうそう、思い出しました!!
ロシアの作曲家、リャードフの小品です!!
リャードフなんてロシアの作曲家、日本ではほとんど耳にしないですよね・・・
この方は、時代的には、チャイコフスキー+ロシア5人組とショスタコーヴイッチ・プロコフィエエ・ストラヴィンスキーの
偉大なる二つの世代の丁度中間と言うのか、橋渡し的世代の作曲家と言えるのかもしれません。
そうですね・・・活動時期としてはグラズノフあたりと被るのかな・・・?
リャードフと言うと・・・・
ま、そうですね・・・一言で言うと・・
作曲家としての才能は誰しもが認めるものを持っていながらも・・・
生来の「怠け者」というか「面倒くさがり屋」・「自信の無さ」が悪い方向にばかり作用し、
結局は・・・交響曲・バレエ音楽・協奏曲・大規模な管弦楽曲は
何一つ残さず、
作品のほとんどは・・3~7分程度の小品ばかりという感じになっています。
だけど・・・・このリャードフの曲ですけど、確かに演奏時間は短いものばかりで
始まったと思ったら、もう終わってしまった・・・という曲ばかりが多いみたいな印象もあるのですけど、
曲自体は大変不思議な「ファンタジー」に満ちていると思います。
そう・・・あの雰囲気は・・・まさしく、「魔法使い」とか「魔法」という言葉がぴったり似合いそうなものが
あると思います。
もしかして・・・まだ始まっていませんけど
「魔法つかいプリキュア」に一番近い音楽になってくれたら・・・嬉しいものはありますね・・・
リャードフの曲と言うと
代表的な曲は交響詩「パーバ・ヤーガ」だと思います。
この「パーバ・ヤーガ」ですけど、全く同じタイトルがムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」の中の
最後から二番目の曲として登場します。
ちなみに、「パーバ・ヤーガ」とは、ロシア民謡に出てくるほうきにのった魔法使いの女の子です。
この民謡によると・・
バーバ・ヤーガが庭に出て口笛を吹くと、彼女の前に臼と杵と箒が現れ、
この臼に乗り、杵を使って臼を動かし、箒で動いた跡を掃き消して、庭から飛び去った。
しばらくすると森の中でざわめきが聞こえ出した。木がぱちぱち音を出して裂け、枯葉がかさかさ鳴っていた・・と
いう事です。
曲としては、大変ファゴットの使い方が巧みだな・・と思ったりもします。
そう言えば・・
デュカスの「魔法使いの弟子」もファゴットが大活躍していましたね。
もしかして・・・魔法使いとファゴットは相性がいいのかも・・・??
最後に・・・
このリャードフは、音楽史的には一つ大変な事を生み出す原因を作っています。
何かと言うと、20世紀の初頭、バレエ団のオリジナル作品を欲していたディアギレフは
当初、このリャードフに新作バレエの作曲を依頼したものの、
リャードフは例の怠け癖を遺憾なく(?)発揮し、全然作曲する気配すらない・・
半分やけくそになったディアギレフは、思い切って当時全く無名の新進気鋭の作曲家ストラヴィンスキーに
思い切って委嘱してみた所、完成したのが
あのあまりにも有名な名曲「火の鳥」だったのです。
そしてストラヴィンスキーはここから、ペトルーシュカ・春の祭典等の傑作を生み出していくのです。
もしも・・・・
あの時、リャードフが怠けないでこのバレエのための作曲をしていたら・・・・
もしかして、ストラヴィンスキーはあそこまで有名にならなかったかもしれませんし
「火の鳥」という名曲は誕生しなかったのかもしれません・・・
ま・・・歴史に「もしも・・」という言葉は禁句なのですけどね・・・
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