この記事の一つ後の記事にて
「Go! プリンセスプリキュア」第25話の事を相変わらずグチャグチャと語る事になるのですけど、
この第25話の中で、一つ大変印象に残るシーンがありました。
それが何かと言うと、
トワがみなみに対して
「夜が来るのが怖い・・・夜が来るとトワイライト時代の自分の記憶を思い出してしまう・・・」と
怯えている場面でした。
ま、だけどこの「夜が怖い・・・」というのは人間にとっては一つの「本能」と言えるのかもしれません。
小さいお子さんが、真夜中に「悪夢」にうなされるとか
子供が寝る際に、「電気を消さないで・・・・真っ暗闇の中に一人でいると何か・・・怖い・・・」とか
小さい子供が「夜、一人っきりで寝ていると、何か魔物が自分をさらってどこかに連れて行ってしまう・・」とか
何て言うのかな・・・・
「夜」というのが「恐怖」の象徴として人間の記憶に元々インプットされているものなのかも
しれませんよね。
かつて人間達が、まだ電気とか火とか自分の家を所有していない頃、野宿をしながら昼間に狩猟を行う一方、
夜は・・・猛獣たちの真夜中の獰猛な叫び声・うめき声を耳にしながら
「いつあいつらが襲ってくるのか・・」みたいな恐怖感と戦いながら夜を過ごしていた「古い記憶」というものが
やはり現代に至っても「本能」として記憶の中に残存しているのかも
しれませんよね。
さてさて・・・・トワのそうした「夜が来るのが何だか怖い・・」という話を耳にした際、
不思議と・・・
何だか思い出してくる曲が一つありました。
それが何かと言うと・・・
極めてマイナーな曲で申し訳ないですし、
正直・・・知る人ぞ知る作曲家&ピアノ曲の範疇に入ってしまうと思うのですけど
モシュコフスキ作曲/六つの幻想小品集~夜の不安
という曲でした。
あ・・・この「夜の不安」という楽章自体、大変短く、1分半程度で、正直・・・あっ・・・と言う間に終わってしまう
極めて短い音楽です。
「夜」とか「不安」というタイトルから想像すると、
なんか「おどろおどろしいもの」とか「妖怪」とか「けだるさ」みたいなものを連想しがちですけど
実際は・・・・
かなり激しい雰囲気を伴う大変印象的な楽章です。

モシュコフスキという作曲家を初めて耳にしたのは、確か・・・1999年頃あたりだったかな・・
この当時、例えば、東京芸術劇場とかサントリーホールとか川口リリアなどのような音楽ホールには
必ずと言っていいほど「ぶらあぼ」という無料音楽雑誌がラックに置かれていて
これ・・・確かに広告は多いのだけど
クラシック音楽関係の情報とか作曲家・指揮者・演奏家等のインタビュー記事とか
コンサート情報とか
結構中身は充実していて、とてもとてもこれが無料といのも何か申し訳ない・・・と感じさせる程
結構立派な内容だったと思います。
(残念ながら、数年前に廃刊になりましたけどね・・・、ま・・・採算が取れる訳無い感じでしたよね・・・
クラシック音楽を聴く人は・・・うーーん、どうしても少数派だしね・・・)
そのぶらあぼの記事の中で取り上げられていたのが
藤原亜美さんという札幌出身のピアニストが録音した「モシュコフスキ・ピアノ作品集」というCDの記事だったのですけど、
当時、なぜかその記事とモシュコフスキという埋もれた作曲家に興味を持ち、
2000年頃だったかな・・・上野の東京文化会館小ホールで開催された藤原亜美さんのピアノリサイタルを聴いた際に
「ま・・・これも何かの縁だ・・」と思って購入したのが
上記画像の「モシュコフスキ・ピアノ作品集」というCDだったのです。
そうですね・・・・
正直言うと、今でもこのモシュコフスキという作曲家の事は、私自身、あんまりよく分かっていません・・・
というか・・・
あまりにもマイナーで埋もれた作曲家という事情もあるのですけど、
とにかく・・・情報量が圧倒的に少ない・・・
だから・・・・知りたくても興味を持っても、特に文献も参考CDもほとんど無いから
今でもあまりよく分からないのですよね・・・
だけど、この藤原亜美さんのCDを聴く限りの感想としては・・・・
そうですね・・・一言で言うと、
決して絢爛豪華でも派手でもないし、かといって特に内省的で抒情的で泣かせる曲という感じでもないし
そうですね・・・
ショパンっぽくもないし、ラフマニノフっぽいメランコリーも別にないし・・・・
何だろう・・・
「音楽が名人芸的に軽妙に流れてくる・・」とか「BGMみたいな感覚」とか
「何も難しい事を考えずに、ただそこに流れてくる音そのものを純粋に味合う・・・」
そういった感じが私の中ではあります・・・
ま・・・これはあくまで私個人の感想ですけどね・・・・
何て言うのかな・・・・
聴いていて、「あ・・・なんか懐かしい・・」とか「昔、どっかで見た事あるな・・・」みたいな感覚の音楽という感じが
あります。
藤原亜美さんのCDに収録されている曲のほとんどが、一つの曲が2~3分以内の大変短いものばかりというのも
そうした「聴き易さ」にも繋がっているような感じもあります。
モシュコフスキは、時代背景的には・・・・
ショパンの没後5年後に生まれ、フォーレの生誕5年前に生まれたという感じです・・・・
時代的にはサン=サーンスあたりと被るのかな・・・
亡くなったのは・・・プーランクとかミヨー等のフランス6人組が活躍し始める辺りですね。
「ショパン以降に、ピアノの為にどのように作曲すればよいかを心得ていた作曲家・・・」というのが・・・
とある音楽評論家がモシュコフスキの音楽を評した言葉として伝わっているようですけど、
藤原亜美さんのCDを聴いてしまうと。
「あ・・・それ・・・何か分かるような気がする・・・」
とも思ったりもしますね。
モシュコフスキというと、現在では・・・「ピアノ練習曲」とか「ピアノ教材の一つ」みたいな印象があるのかな・・・・
著名な作品と言うと・・・「火花」・「スペイン舞曲集」くらいなのかな・・・
だけど・・・・
私にとっては、モシュコフスキというと・・・
前述の通り、「六つの幻想小品集」~夜の不安なんですよね・・・
この曲・・・短いけど、イメージが大変し易い曲だと思います。
おどろおどろしさ・夜の恐ろしさ・妖怪化物みたいな「夜の負のイメージ」というよりは・・・・
何となくですけど・・・
「夜対昼の対照性」とか「昼の明るさに対抗してうごめく夜自体が持つとてつもないマイナスのエネルギー」みたいな
感じをこの短い曲からは
私は感じ取ってしまうのですよね・・・・
だって・・
「夜の不安」というタイトルから連想される「おどろおどろしさ」ではなくて
「情熱」・「激しさ」みたいな雰囲気の方が濃厚・・・と
私は感じ取ってしまうのですよね・・・
ま・・・「Go! プリンセスプリキュア」のトワ=キュアスカーレットも
「闇に追われるのが私の定めならば、もう目を逸らすことはしません!」
「この手で闇をはらいます! !何度でも!!!」と
言われていましたからね・・・
うーーん、そうした意味でも意外とモシュコフスキの「夜の不安」はトワが内在している「夜の怖さ」に
繋がるものはあるのかも・・・・
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