最近の吹奏楽コンクールでは・・・メリッロの「アメリカの騎士~選ばれし者」を自由曲として選ぶチームは
随分と少なくなってきた印象がありますね・・・
2001年~2003年に掛けてこの曲は吹奏楽コンクールでは大ブレイクを果たし
支部大会では結構多くのチームがこの曲を自由曲にしていましたよね。
多分あれは・・・・2001年の市立柏高校の素晴らしい名演が色々と影響を与えたのかもしれませんよね・・・・
実は・・・・
私、この曲自身の事は・・・あまりよく知らないのです・・・
というか・・・多分・・・多くの吹奏楽ファンの皆様は・・・私と同じ感想を持たれているのかも・・・??
それにしても・・・この「選ばれし者」とは・・・随分と・・・何かいかにも「傲慢な大国・アメリカ・・・・」を象徴するような
タイトルだな・・と感じていたら・・・
もしかしたら・・・誤訳ではないのかという人も一部にはいるようですけど、
そのあたりの真偽も今一つ定かではないのですよね・・・
この「選ばれし者」は、組曲「アメリカの騎士」という組曲の中の一つの曲・・・という話は耳にした事はあるものの、
いずれ組曲全曲が発表されると思われたのですけど、その全貌はベールに包まれたまま年月が過ぎたという
感じでした・・・・
そして・・・選ばれし者」だけが先行出版されてきた・・・というのが定説だったような気もします・・・
(ま・・・この辺りは・・・情報不足なもので・・・書いている方も正直あんまりよく分かりません・・・苦笑・・)
そうした中・・・2007年頃だったかな・・・?
「A WISH TO THE WORLD」(世界への願望)という曲が、発売され、この曲が・・実は組曲「アメリカの騎士」の
ほぼ全曲版ではないのか・・という事が判明したのは・・・
この組曲は全19曲から成り、2007年に発売されたCDには15曲が収録されているようですけど、
日本であんなに大ブレイクした「選ばれし者」は未収録なんですよね・・・
当初は「アメリカの騎士」として作曲された一連の作品群なのですけど、
2001年の「9・11同時多発テロ」を機に、「世界への願望」というタイトルに変更されたみたいですね・・・
だけど・・・私自身、選ばれし者のプロの演奏とか「世界への願望」という曲も聴いたことがないもので、
正直・・・・書いている方が言うのもなんですけど、
このあたりは・・・あまりよく分かりません・・・・
但し、一つ言える事は・・・・「選ばれし者」の曲自体は、大変イメージがしやすいし分かり易いし
聴いていて「スカッ!!」とする爽快さはありますね・・・・
この曲冒頭がとにかく格好いいですし、序盤の展開部のスピード感が実に爽快ですよね。
あの切れ味は・・・何かジャズの世界みたいな感じもありますし、やはりサックスセクションのノリの良さと
ベースギターのリズムギンギンのあのノリは・・・すごいものがありますね!!
中間部の高揚感も、ま・・・確かに「意図が見え見え・・」みたいな人工的な安っぽい感じが確かにあるのも
否定はしませんけど、
あのいかにも・・・・
「努力すれば全ての夢がかなう事が決して夢物語ではない」みたいなアメリカンドリームを彷彿とさせるあのノリは・・・・
素晴らしいものがありますよね!!
「選ばれし者」の過去の吹奏楽コンクールの名演としては・・・・
多分誰しもが2001年の市立柏高校を挙げると思いますが、
私はここはあえて・・・2001年の洛南高校を推したいと思います。
確かに市立柏は・・・ベースをギンギンに聴かせて都会的で洗練された格好いい音楽なのですけど、
逆に少しええかっこしすぎ・・みたいな感覚もあったりもします。
その点・・・洛南は・・・実に音楽が正攻法・・・・
特に・・・ラスト近くのティンパニーの硬質な響きが個人的には特に特に・・・・気に入っています。
だけど・・・なんで唐突にこのメリッロの「選ばれし者」はコンクールの人気自由曲から消え去ったのだろう・・・・??
ま・・勿論・・・コンクールの自由曲の人気の浮き沈みは激しいですからね・・・
「選ばれし者」の場合、多分・・・・吹奏楽連盟の「コンクールにおけるベースギター禁止」の通達の
影響が大きいのかも・・・・
確か最近のコンクールは、吹奏楽連盟の通達によりベースは使用不可になったのでしたね。
確かに・・・このメリッロの「選ばれし者」からベースギターを除いて代用楽器としてコントラバスを当てたとしても
多分・・・曲自体の持ち味は半減するかもしれないですよね・・・
そのくらい・・・ベースギターが大きな影響力があった曲だったのだと思います。
ベース使用の曲と言うと、最近の吹奏楽オリジナル作品の中では・・・
〇アメリカの騎士~選ばれし者
〇コンサートバンドとジャズバンドのためのラプソディー
あたりが有名ですよね。
ベースを全国で一番最初に使用したチームはどこなんでしょうか?
自分の聴いた限りでは、1986年の東海大学第一高校なのかなと思っています。
自由曲は、ラム/イーゴリファンタジーという曲でしたが、
導入部で最初にベースがなった時は、すごいインパクトを感じたものでした。
だけど、この演奏録音で聴くと、すごく面白いものがあります。
生で実際に聴いた時は、正直「全然盛り上がらないし、この曲のどこが面白いのか
よく分らない」という感じでした。
指揮棒もノリノリなのですけど、今一つ盛り上げに欠ける曲と感じたのも事実です。
曲が終始ジャズ風に鳴っているのだけど、曲自体の緩急の差とか強弱の差が弱く、
何となく騒がしい曲だなーという印象だけで終わってしまったような気もしました。
だけど後日改めて聴いてみると、
別タイトル名が「ストラヴィンスキーの主題による幻想曲」となっている通り、
幻想曲「花火」とか「春の祭典」のモチーフを部分的に取り入れたり、
クラシック風とジャズ風な要素をミックスさせたりと色々面白い試みはあったと思います。
終わり方も「春の祭典」のパロディーみたいで、それもまた面白いと思います。
何か、この曲はライヴで聴かせるよりは、CD等の録音でじっくり聴いた方が楽しめる曲の
部類に入る曲のようにも思えました。
だけど途中でベースの相当大胆なソロもあるし、やはり面白い曲だと思います。
意外な事かもしれませんが、
ミッチェルの「海の歌」にもベースが使用されています。
高校二年の時、定期演奏会でこの曲を演奏したのですが、確かパーカッションパートが
「あれ、この曲にベースが入っている」とか言っていたので総譜を見てみると確かに
ベースが打楽器として入っていました。
あんな抒情的な曲にベースの指定があるとはかなり意外な感じもしたものです。
演奏会では、ベースは使用しませんでしたが・・・
吹奏楽コンクールは、確か1981年にピアノを用いる事が解禁となり、
それから弦楽器・ハープもOKとなり、その流れで確かベースも可となっていったような気がします。
ハープを最初に使用したチームは、恐らくは
1981年の市立川口高校の「無言の変革~問い」だと思います。
ヴァイオリンを実際にソロ楽器として使用した初めての例は、1982年の仙台第一高校の
組曲「グランドキャニオン」だと思います。
チェロを使用した例は、96年の伊奈学園の「英雄の生涯」だったかな・・?
だけど確かにチェロとヴァイオリンの使用は何か反則的な感じもするので、現在の使用不可と言う規定は
まあ仕方がないとは思います。
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指揮者のイメージだと、バスクラ6バリサク4くらいの割合で、と指示があったのですが、吹いている方としてはどのように聞こえるのかまったくわからず、なかなかバランスが取れず難しかった思い出があります。
弦バスの代用で、ピッチカート部分はバスクラでテヌートアタックで、ボウイング部分はバスクラのアタック+バリサクの伸ばし・・・というのはよくやってましたが。