現在東京MXで再放送されているプリキュアシリーズはハートキャッチとスター☆トゥインクルですけど、
既にストーリーも概要も知り尽くしているのに、ついつい見てしまうのはそれだけ作品自体に魅力があるという事なのだと
思いますルン!
ルン!というとララちゃんですけど、再放送と言え毎週ララちゃんを見れるというのもなんだかとても楽しいものがありそうですルン!
間もなく、ユニ=キュアコスモも登場しそうなのでそれもまた楽しみです。
そしてハートキャッチも間もなくキュアサンシャインが登場しそうですけど、最近の再放送の流れがフレッシュ→ハートキャッチと
来ていますので、今年の秋ぐらいには多分ですけどこの再放送枠ではスイートが始まるのではないかと
予想しています。
スイートプリキュアというと個人的には響=キュアメロディが大好きなのですけど、エレンもセイレーン時代のさまざまな悪さも
プリキュアとして覚醒して、色々あった末に最後には「ごめんなさーい」と涙を流す事で全てが吹っ切れて以降は
かわいくて時におとぼけな子猫ちゃんみたいになったのはとてもよかったですね~♪
スイートの中盤~後半以降、キュアミューズの登場もそうでしたけど、
それ以上に意表をつかれたのはマヌケ三幹部であるトリオ ザ マイナーのメンバーの内、ファルセットが突然何の前触れも
前兆も無く豹変していたことはリアルタイムで見ていた時は驚かされたものでした!
(最終的にあの豹変は、ノイズに操られての事と判明していますけど
リアルタイムで見ていた時は、いきなり何の脈絡も無くの豹変ぶりに驚いたものです・・・)
「スイートプリキュア」は、序盤の印象と異なり、後半になればなるほど
「不幸と幸福は二つで一つ」とか
「世界に悲しみが溢れているように同時に楽しい事も色々と存在する」とか
「不幸は全否定されるものではなくて、幸せと一対を為すものであり、不幸も受け入れなくてはいけない現実である」とか
「相容れない他人も、対話・交流を深める事で、分かりあえることも可能」などという
かなり難しいテーマが描かれるようになります。
そして初代からドキドキの中では、(厳密に解釈すると違うのかもしれませんけど)
シリーズを通して、敵も味方も最終的に「殉職者」がゼロという大変優しい世界を最終決戦時に私達に提示をしてくれています。
そうした中、物語の後半でいきなりファルセットは豹変します・・・
それまでのファルセットというと
〇高音の歌声をたまに外す・・・
〇機嫌が悪い時によくセイレーンに頭上に乗られ、髪の毛をむしり取られた・・・
〇リーダーになった事が一度も無く、ネガトーンを召喚した事も一度も無い・・・
〇花見行って、上司のセイレーンの悪口を愚痴っていたのをセイレーンに聞かれ
更に髪の毛をむしり取られる・・・
〇ハミィになぜか自分の職場(マイナーランド)の愚痴をこぼす・・・
〇女装してチャイナドレス衣装になってしまう・・・・
などみたいにどちらかというと「残念なマヌケ幹部」という感じだったのですけど、あの突然の豹変ぶりは意外でしたし、
ファルセットによって、半漁人の醜い容貌に変容させられ、挙句の果てに
ファルセットとノイズの部下にさせられてしまったパスドラとバリトンさんは気の毒な感じでした・・

ここで改めてファルセットとは本来どういう音楽用語なのかというと、簡単に下記に概略を示しますと。
(スイートプリキュアは音楽の街を舞台にしているため、かなりの音楽用語が色々と出てきたりもします)
「ファルセット」とはクラシック音楽上の声楽用語の一つで、本来の声帯から発声された声でのどは開かれしっかりとした共鳴を
伴った力強さを持ち、小さな声から非常に大きな声まで自由にコントロールできる声の事を示し、
日本で定着している裏声とは少し意味合いが違っていたりもします。
ファルセットの元々の意味は実は「偽りの声」というものでありますから、
スイートプリキュアの中盤まで、その本来の邪悪な素顔を隠し、中盤以降に本性を現したファルセットは
まさしく序盤から中盤までは偽りの声・偽りのキャラクターで通していたのかもしれないです。
(結果的にいうまでもなくファルセットはスイートの悪の親玉?でもあるノイズに操られていたという事が判明し、最終回あたりで
元の少しマヌケでやさしいファルセットに戻っていたのを見たときはなんだか不思議と安堵したものでした)
それにしてもこうした幼児アニメの世界で敵幹部の名前から、「その後の展開」を示唆するプリキュアの世界は
やはり奥が深いといえるのだと思いますルン!
クラシック音楽の声楽を伴う作品でこのファルセットを使用した作品として
例えば、ラヴェルの「三つの歌」とかストラヴィンスキーの「きつね」などがありますけど
個人的には一番分かり易い事例としてオルフの世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」を推したいと思います。
(カルミナブラーナは、このブログでも何度も登場していますね・・・・)
カルミナ・ブラーナ第二部「居酒屋にて」では、バリトンの方がファルセットを用いて歌う事もありますけど、
一番印象的なのは、第12曲の「昔、私は湖に住んでいた」でのテノールの方のファルセットです。
この部分は、テノールの方は、実声で歌う人は比較的少なく
大抵の方はファルセットを駆使して、少しコミカルで間が抜けた歌い方をされるパターンが多いようにも思われます。
それをよく表した演奏例が、プレヴィン指揮のロンドン響の演奏かな・・?
あのテノールのコミカルな謳い方はも明らかに実声ではなくてファルセットだと思いますし、あの歌い方はいたずら心に溢れて
実に素晴らしいと思います。
参考までにこの第12曲の歌詞を記すと・・・・
昔は私も美しい姿で湖に住んでいた。かつて白鳥だった頃は。
なのになんと哀れなこと、今は焼かれてただ真っ黒な姿になってしまった!
料理人は鉄串を回し、薪は私を強くあぶり、食卓係が私を酒宴に運ぶ。
皿の上に横たわり、飛ぶこともできない。
ぎしぎし砕く歯が見える!
ああ情けない、高い志もすっかり崩れて今はこの有様だ。
歌詞も何か少しマヌケですね・・・
いかにもスイートプリキュアでの序盤のファルセットさんみたいな雰囲気もありそうです。

喧嘩・裏切り・相互不信などという見方によっては大変嫌なテーマを分かり易くストレートにぶつけた直球勝負のシリーズが
「スイートプリキュア」の世界だったと思いますけど
リアルタイムで見ていた頃は、この辺りが少し「重たい・・」とか「子供には少し難しいかな・・」とも感じたものですけど
改めてこうやって見てみるとやっぱり「スイート」の世界もいいものですね~♪
響と奏の二人は、序盤は、プリキュア史上「最悪」とも言えるスタートを切ってしまいましたけど、
二人の離れていた気持ちが徐々にゆっくりと縮んでいき、二人の信頼関係が構築された時には、
エレンが加わり、三人の組曲が始まり、
そしてそれにアコが加わり、四人の組曲が奏でられていきました・
スイートの物語は、人々の連なり、絆、みんなで作られる調和から、物語がどんどん拡張していった印象があります。
音符がないなら創り出せばいい。
不幸のメロディの後に幸福のメロディを歌えばそれでいい・・・
不幸と幸せは二つで一つ・・・・
不幸だけを嘆いても意味が無いし、
幸せだけを求めてもいつの日か報いを受けてしまう・・・・
不幸に遭遇したら、いつの日にか再度「幸せ」が訪れるようにやりなおせばいい・・・・
そんな事なのだと思います。
やっぱり「スイート」の世界は想像以上に深いものがあるのだと思いますルン~♫
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ただその第12曲のファルセットを駆使したテノールの方はコミカルに大胆にのびのびと歌われていることが多くて聴いていてもとても楽しくて面白いです。
第三部以降は完全にソプラノがいいところを一人でもっていったという印象があったりもします。