先日、1980年の課題曲D/オーバー・ザ・ギャラクシーを出来ればコンクールの課題曲として
吹きたかったと書きましたけど、
同様な曲が他にもあります。
その一つが1983年の課題曲A/吹奏楽のためのインヴェンション第一番でしたね。
この課題曲が演奏された年は、自分にとっては高校生活最後のコンクールという事もあり、
「うう・・・今年で最後・・・」と思うと何か気合が入っていたとも思いますし、
反面受験生でもありましたので、
「うーーん、やばい・・・・本当は吹奏楽コンクールになんか出ている場合じゃないのに・・・」と
思う気持ちもありました。
ま、二律背反みたいなものでしたね・・・
だけど、結果的に9月まではコンクールにばかり目が行ってしまい、
受験勉強らしき事を始めたのは10月以降かな・・・
ま、田舎の県立高校生らしいのんびりとした話ですよね・・・・(苦笑・・・)
それに私、ついに高校時代は予備校すら行ったことが無かったし・・・・
余談ですが、仙台の代々木ゼミナールは私が高校3年生の時に駅前に開校されました。
でもあの立派な建物の代ゼミが仙台では閉校になってしまうのですね・・・
やはり少子高齢化の波と浪人生激減の影響はとてつもなく大きなものがありそうですね・・・・
あ、何か話がそれてしまいました・・・・
この年、結局自分達の高校は課題曲にC/カドリーユを選曲してしまいました。
私としては、課題曲は「絶対にAのインヴェンション第一番がいい!!」と主張したのですけど
結局通らずCになってしまいました・・・
というかこの課題曲C/カドリーユは演奏する方としては苦手だったな・・・・(苦笑・・)
だってこの課題曲意図的に音が薄く書かれているし
とにかく全体的に「軽量感・清涼感・透明感・爽やかさ」を表現しないと曲にならないし、
正直、慢性的なクラリネット奏者不足に泣かされる男子高校としては
非常に荷が重い曲でした・・・
だってこの課題曲、クラリネットの音が穢かったりクラリネットセクションのサウンドに濁りがあると
すぐにばれてしまうほど音が薄く書かれているので
クラリネット奏者泣かせの曲でしたね・・・
確かに技術的には全然難しくないのだけど
あの「透明感」を演出するには相当泣かされましたし、
時折出る6/8拍子をこなすのに結構苦労させられました・・・
この課題曲Cは聴く分にはすごく楽しく聴けるのですけど
奏者にとっては地獄の極みでしたね・・・
だからこそ課題曲はA/吹奏楽のためのインヴェンション第一番を演奏したかったな・・・・
この課題曲Aは、序奏-A-B-Aのシンプルな構造を取っていて
出だしの健康的なファンファーレに続いて展開されるフーガ的な部分が実にノリが良いし
メロディーラインも聴くだけでもわくわくさせられるし
中間部のBのしっとりとした歌も魅力的ですし、
ラストもいかにも吹奏楽らしい豪快な感じですっきりと終わります。
中間部のアルトサックスのしっとりとしたソロが極めて印象的です。
この課題曲の作曲者の内藤淳一先生は、
この課題曲が演奏された当時は、宮城県内の泉高校の吹奏楽部の指揮者もされていて、
当然ながら県大会では、課題曲にAを選曲し
結果的に吹奏楽コンクールでは珍しい自作自演をされていました。
この自作自演の演奏、県大会で私は聴きましたけど、
テンポがかなり速かったのが印象的でした。
当時、「なるほど、作曲者本人の解釈としては、スピード感と切れを重視しているのだな・・」と
感じたものです。
だけど泉高校はこの年は県大会・スカ金に留まり、東北大会への代表にはなりませんでした・・・
自由曲の「飛鳥」の演奏が今一つ情緒不足というのも大きかったかな・・・
内藤先生は、泉高校の前は確か白石工業だったかな・・・・
白石工業の1979年の自由曲、フォースブラッドの「エディフイス」の演奏は何か妙に印象に残っています。
内藤先生はその後、荒井富雄先生異動後の向山に赴任され、
結果的に向山を再度全国大会出場にまでは至らせることは出来なかったようです・・・
この方は指揮者というよりは「作曲家」の方に才能がお持ちだったようで、
その後、1997年課題曲Ⅱ 99年課題曲Ⅰ 2001年課題曲Ⅰの課題曲にも
選ばれています。
実は内藤先生には高校生当時色々とお世話になった事があり、
泉高校の楽譜(リードのジュビラント序曲とかカレリア組曲)をレンタルさせて頂くのに
ご協力をお願いし、快く了解して頂いたことが印象的です。
※なんで当時の宮城の吹奏楽の事を色々知っているかと言うと、
中学から高校までは私も仙台市内の公立学校にいたからです・・・・
吹奏楽のためのインヴェンション第一番は、
出だしのインパクトが結構大事で、この部分を外すとそれを取り戻すのは正直至難の業です。
感覚としては、この課題曲は出だしで大体方向性が決まるという感じもあり、
出だしに「キラリと光る何か」を表現出来たチームは中間部もラストもスムーズに展開できていたような
感じもありました。
この課題曲Aで素晴らしい演奏を聴かせてくれたチームは色々ありますけど、
私個人の感想としては、
茨城高校の演奏がかなり気に入っています。
男子高校らしい豪快さと中間部の繊細な歌が印象的で、
このチームの83年の自由曲/エルザの大聖堂への厳かな行列の演奏共々、
「感受性豊かなチーム」というインパクトを残してくれました。
課題曲の中間部のアルトサックスの幾分ハスキーな歌い方が実に渋くて良かったです。
もう一つあげると、
中学の部の雄新中のインヴェンション第一番も素晴らしい演奏でした。
出だしもキラリと光る「何か」を感じさせてくれましたし、
中学生らしい「素直な感じ」とスピード感とサウンドの透明感が両立した素晴らしい演奏を
聴かせてくれていました。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
参考演奏ではハッキリと聴き取れたように思いますが、スタジオ録音と実演は違いますよね…(^^;;
ど田舎で、県大会地区予選は他校の為のかさ上げ参加?!でしたので…(; ̄ェ ̄)