R.シェルダンというと現在の吹奏楽コンクールの位置づけで言うとスクールバンドの小編成部門においては
自由曲のレパートリーとして欠かす事の出来ない存在と言えるのだと思います。
シェルドンは私が現役の高校生あたりの1980年代前半において、
その作品がぼちぼちと自由曲として取り上げられていましたけど、最初にシェルダンの名前を世に知らせしめた曲が
1982年のソニーの「自由曲集82」のレコードにも収録されていたフォールリバー序曲ではないのかなと思ったりもします。
シェルドンと言うと私の中では、
〇南西部の伝説
〇マナティー・リリック序曲
〇フォールリヴァー序曲
〇飛行の幻想
〇ダンス・セレスティアーレ
〇入り江の風景
〇ウエストハイランドの想い出
といったオリジナル作品を思い浮かべます。
私が高校3年の時の高校最後の吹奏楽コンクールの時には、前年と前々年が県大会・金賞を飾っていて
「高校生活最後の年も出来れば金賞で締めたいし県代表として東北大会に出場出来ればもっと嬉しい~!」と思っていましたけど
結果はダメ金どころか銀賞で終わってしまい、その際に私の高校を抑えて金賞・東北大会代表に輝いていた学校の自由曲が
ストラヴゥイスキーのバレエ組曲「火の鳥」であり、もう一つのダメ金がシェルドンのフォールリバー序曲でもありましたので、
シェルドンの名前を聞くと当時の悔しかった記憶が何か今でも鮮やかに思い出してしまいます・・
R.シェルドンは生まれは1954年で現在でも現役の作曲家です。
シェルドンは吹奏楽コンクールやコンサートでは今現在も演奏され続けている作曲家であり、確かに大編成・A部門や
支部大会・全国大会では演奏される頻度はそれほど多くは無いと言えるのかもしれないですけど、
前述の通り、今現在においてもスクールバンドの小編成部門においては欠かす事の出来ない作曲家の一人だと思います。
ここ最近の吹奏楽コンクールの小編成部門・B部門で演奏されたシェルドンの曲としては、
〇 メトロプレックス〜マンハッタンからの3枚の絵葉書〜
〇 アート・イン・ザ・パーク
〇 ヒル・カントリーの休日
〇 パイアサの飛翔
あたりが大変印象的ですし、あくまで私個人としては「メトロプレックス〜マンハッタンからの3枚の絵葉書〜 」は
素晴らしい作品だと思いますし、この曲は中学校A部門として全国大会で演奏されても
かなりの演奏効果はあるように感じられます。
シェルドンと言うと、私にとってはなんといっても「ダンス・セレスティアーレ」です~♪
この曲とっても大好きです!
技術的にもそれほど難しくないですし、曲の構成はリードやスウェアリンジェンの序曲のように
A-B-Aの三部構成と大変シンブルな構造と大変分かりやすく、
メロディーが実にかっこよくて親しみがあってすんなりと頭に入ってきます。
冒頭の金管セクションの高らかな感じがとても素晴らしいですし、中間部のうっとりするようなロマンチックさも素晴らしいです!
ラストも華麗に楽しく閉じられますし、演奏時間は7分半程度なのですけど、全く飽きる事はなく
あっという間に終わるような感じもします。
全体的には高揚感と上品で洗練されたダンスを感じさせてくれていると思います。
この「ダンス・セレスティアーレ」が特筆されるべき点は、シェルドンの曲の中で2019年時点で唯一全国大会で
演奏された曲であったりもします。
それは1990年の一般の部の春日市民吹奏楽団でしたけど、単純で技術的に平易なこの曲で
全国大会にまで駒を進めてきたことは当時正直驚きましたし、私の吹奏楽仲間でも結構話題になっていました。
演奏自体は意外と単調で淡々と曲が進行しているようにも感じられ、中間部も少しだれてしまったのですけど、
全体的には音色が洗練されていて音楽自体は生き生きと躍動していたと思います。
春日市民吹奏楽団は、1986年と89年にタルの「アコラーデ」・「儀式のための音楽」という
正直あまりよく分からないし大して面白くも無い曲を演奏した際は無味乾燥な印象を与えるのですけど、
90年のダンス・セレスティアーレとか87年のジェイガーのヒロイック・サガみたいに
メロディーラインがしっかりとした曲の際は大変生き生きと躍動的な演奏を聴かせてくれていたと思います。
ちなみに90年の春日市民吹奏楽団のダンス・セレスティアーレは私的には銀と銅のボーダーかなと思っていたら、
なんとかスレスレで銀賞にすべりこんでくれましたのでホッ・・としたものでした。
ダンス・セレスティアーレは、1990年の都大会で品川女子学院が演奏していましたけど、
当日の土砂降り天候の大雨のように惨憺たる事故みたいな演奏でした・・
ただ品川女学院というと都内ではひときわ目立っている正統派のセーラー服の制服でもありましたので、
普門館のステージにああいう純白のセーラー服のJKさんが演奏している光景は見ているだけで大変気持ちがいいですし、
心情的には「コールド金賞!」とコールしたい気持ちで一杯だったりします・・
ダンス・セレスティアーレで一つ忘れられない演奏がありまして、それが何かと言うと
1994年の関東大会・大学の部の中央学院大学でした。
この年は課題曲がどれも長いものばかりで
中央学院大学もダンス・セレスティアーレをかなり強引にカットして演奏し少し興ざめみたいな感じも確かにあるのですけど、
サックスセクションの輝かしい音色とか、少々とちりながらも勢いと輝きのある音色で魅了させてくれたトランペットの活躍もあり、
私は結構好きな演奏でした。
94年の各代表校は自由曲を4~5分程度にまとめないといけないから大変なものはあったと思いますけど、
この中では筑波大学のアイヴズの「カントリーバンドマーチ」や文教大学のミシシッピ組曲~Ⅳ.マナディ・グラの選曲は
大変センスが優れていたと思います。
ダンス・セレスティアーレは、CDでは「吹奏楽ベストセレクション90」にも収録されています。
出来ればこの曲、もう一度生で聴いてみたいものです。
コンサートのオープニング曲にはもってこいの曲だとは思いますけどね~♪

上記で全国大会がちらっとでてきましたけど、
2020年の吹奏楽コンクールは地区・県・支部・全国と全て中止なってしまいましたけど、奏者の皆様の失意を考えると
本当にいたたまれないものがありますけど、同時に聴き手にとってもコンクールでの「12分間のステージにすべてをかけてきた」
奏者の熱い演奏を聴く事ができなかったのは大変残念なものです。
そうした意味において、昨年度はは無事に吹奏楽コンクールが制約付であっても開催できた事は本当に何よりでした!
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