「ヤバい」という言葉は私が小・中学生の頃より既に使われていましたけど、当時の意味合いとしては
「まずい」とか「芳しくない」というマイナス的な側面としての意味合いで使用される事がほとんどでしたし、
当時は例えば教師の見ている目の前で「ヤバい」というワードを使用したとしたら、結構な確率で
「そんな下品な言葉を使うな」とか「そんな元々がやくざ社会の隠語みたいな言葉を堅気社会で使うな」みたいに
怒られていたような記憶もあります。
「ヤバい」という言葉自体は実は最近使われ始めた言葉という訳では全然無くて江戸時代から既に使われていたようです。
実際、江戸時代の滑稽本・十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも「やばなこと」という表現が見られたりもします。
その語源は諸説ありますけど。江戸時代の矢場(射的場)では隠れて売春が行われていたため、
そこに下手に居合わせ、役人から目をつけられたら危ないという意味で「ヤバい」と言われるようになったという説が有力な
そうです。
それ以外の説として、江戸時代、牢屋や看守のことを「厄場」といっており、そのようなものとかかわりあいになりそうなくらい
危険な状況にあることを「ヤバい」といっていたそうです。
牢獄でよからぬことをしている囚人が看守に見つかりそうになると、「やば、やば」と言い合って囚人どうしで
看守の存在を教えあったとも言われているそうです。
こうして見てみると「ヤバい」という言葉の本来の意味とは、状況的に危ないとか不都合な事態が起こりそうという事なのかも
しれないです。
そうした危険とかまずいとか立場的にあまりよろしくないといったマイナスの表現としてヤバいという言葉は、
例えば「なんだか、やばいことに巻き込まれたぞ!」「やばい! 気をつけろ~!」というようにマイナス的な意味合いとして
使用されていたと思います。
最近では「ヤバい」という言葉は、「あの店のランチやばいよね~」「このラーメン、チャーシューの量やばくね?」などのように、
凄い・魅力的・素晴らしい・言葉にならない程凄い事などの意味で使われることが多いように思われます。
「やばい」という言葉、国語学的には「具合の悪いさま」「不都合なさま」を意味する形容動詞「やば」を形容詞化した言葉として
解説されることが多いですけど、
最近においては具合が悪いどころか魅力的とか見事であるといった意味合いとして使われる頻度が高いというのも
言葉自体が時代の変化に応じて進化したものといえそうです。
そしてヤバいという言葉はいい意味でも悪い意味でもありとあらゆる意味で使えるという大変応用範囲が広いという点でも
際立つものがありそうです。
「ヤバい」と言う言葉は現在においてはポジティブな意味でもネガティブな意味でも両方の意味で使えますし、
人が相手に伝えようとする言葉の意味により「ヤバい」という言葉はプラスのイメージとしてもマイナスのイメージとしても
七変化するということだと思います。
魅力的でも魅力的でなくても、可愛くても可愛くなくても、美味しくても美味しくなくても、カッコよくても悪くても、
感情系、状態系の全ての言葉がこの「やばい」の一言で片付いてしまう便利すぎる言葉が現状のヤバいという言葉なのだと
思います。
具体的な使用事例としても思い浮かぶところでも例えば・・
やばい! くそ眠い
ほんとに歌上手いやばい!
新曲の評判が良すぎてやばいっすね~
人間を超越していてやばいなって感じのあの人・・
コンサート最高だったってツイートが多すぎて羨ましくてヤバい・・
本当にものすごい長時間寝てしまって病院行かないとやばい気がしてきた・・
この漫画アプリやばいw 人気漫画から新作漫画まで読み放題w
ウエストbefore→afterがやばい
やっぱり「ヤバい」のストライクゾーンの広さは「かわいい」や「すごい」と同じと言えそうです。
さてさて、この「ヤバい」というワードをもしも別の言葉で言い換えるとしたらどんな言葉が適切なのでしょうか・・?
「不都合」「危険」などの意味に解釈するならば、
まずい、いけない、いただけない、困った、困り果てる、弱った、弱りはてる、大変、厄介、危ない、あわや、危機一髪、危うい、
油断できない、切迫、緊迫といった言葉が思い浮かびそうですし、
「すごい」など肯定的な意味に解釈するならば、
見事な、際立つ、秀でた、優れた、抜きん出た、長けた、極めつけ、超越、卓越、かっこいい、素晴らしいといった言葉が
思いつきそうです。
そしてこの「ヤバい」というワードを少し上品なワードに置き換えたとしたら、結構しっくりきそうな表現が「穏やかではない」
というワードなのかもしれないです。
「穏やかではない」の意味とは、不穏な空気が漂うとか心配である、落ち着いていられないという意味合いでもありますので、
確かにヤバいというワードよりは上品さはあるのかもしれないです。


「穏やかじゃないわね」・「穏やかじゃない」というセリフは、アイカツ!の登場人物・霧矢あおいのセリフとして有名ですよね~♪
このフレーズが初登場したのはアイカツの第一話にてあおいがいちごに対して
「穏やかじゃないわねぇ、いちごからアイドルの話がでるなんて」と言っていたのが最初です。
そしてこのあおいの「穏やかじゃないわね」というセリフは、穏やかじゃないわ。穏やかにね・この穏やかさ、穏やかじゃないわね・本当に穏やかじゃない!・いちご、穏やかじゃないわ!こんなの穏やかじゃなさすぎる!などなど
決して穏やかではないレベルで使用頻度が上がり続け、
「穏やかじゃないわね」というのはあおいの口癖または決め台詞としてはすっかり定着してしまったと言えそうです。
周りの人からも既にあおいの代名詞的に扱われており、いちごに真似されたり、織姫学園長にも「これは霧矢の言うところの・・・」と前振りされていたりもします。
3期では後輩の氷上スミレもあおいの「穏やかじゃない」発言に対して「穏やかじゃありません」と返していましたし、
「穏やかじゃない」を「霧矢先輩の言うところの「穏やかじゃない」。という形で引用・使用していたりもしていました。
JCさん・JKさん・すてきな美少女の皆様が「ヤバい」というワードを駆使してもそれは既に当たり前の言い廻しという事に
なりそうですけど、知的なあおいがヤバいという表現ではなくて「穏やかではないわね」というフレーズを
多用するのも妥当といえそうですね~♪
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