最近はゲームセンターというか大型商業施設等でのアミューズメントセンターに行く機会が激減してしまいました・・
やはりここにも三密回避やソーシャルディスタンスの確保を求める新しい生活様式の遵守による影響が色濃く残るから
なのかもしれないですし、それ以前に新型コロナウイルスが蔓延する以前から既にこうしたゲームセンタは
昭和や平成初期の頃ほどの集客力としての魅力はうすれているのかもしれないです。
そしてここから垣間見えるのはスマホアプリゲームや家庭用ゲーム機のとてつもない進化なのだと思いますし、今現在は別に
ゲーセンに行かなくても個人が好きな時にスマホや家庭用ゲーム機で好きな時間帯で楽しむ事が出来ることが
大きいのだと思います。
私自身、学生時代は主に神田神保町で過ごし、あの時はオール50円が大変魅力的でもあったゲーセンの「ミッキー」という
お店が学生の間でも人気でしたし、神田神保町を舞台にしたアニメ「邪神ちゃんドロップキック」の第一期の中でも
ミッキーはちらっと登場していましたけど、最近ミッキーが閉店してしまった事は時代の流れなのかもしれないです。
「空手道」というゲームは正直既に忘れら去られたゲームなのかもしれないですけど、私自身が都内近郊に初めて上京した
1984年にテクノスジャパンが開発したもので、同年・・1984年に世に出ています。
この時代、現在のようにゲームセンターは「アミューズメント化」されていなくてタバコの煙がもうもうと立ち込め、
麻雀ゲームとかポーカーゲームといったゲーム機と共にこうした普通のゲーム機が並べられていましたので
こうした事も既に隔世の感がありそうです。

この「空手道」ですけど、登場時期の時代背景としては丁度ロサンゼルスオリンピックの頃と重なっていて、
確かその頃「ハイパーオリンピック」というゲームも登場していて
ボタンを打って打って打ちまくってスピードを上げるだけの100m競争とか水泳とか射撃とか走り幅跳びとか楽しかったです。
あの中に、フェンシングもあって、ゲーム中にあんまりちょろちょろ逃げ惑ってあんまり攻撃をしないと
判定の際に客席から色々な物が飛んできてそれが顔面を直撃してそのまま失神みたいな中々シュールな場面も
あったような記憶があります。
「空手道」は、基本的にはとってもシンプルなゲームです。
ボタンはあるのですけど使う事は無いです。
レバーは右と左のツインレバーとなっており、特徴的な操作が非常に印象的でした。
左レバーに左右移動・ジャンプ・しゃがみが、右レバーに攻撃といった機能が割り当てられていて、
更に、前方向で前蹴り、後ろ方向で後ろ蹴り、下で下段蹴り、上で回し蹴りというのが基本攻撃です。
レバーの組み合わせと対戦相手との距離により16種類の空手技を出すことができますけど、
基本的には、方向レバー(→)に技レバー(→)か(↓)で攻撃する「前げり」「ローキック」、
余裕があれば一本取得技の「上段追突き」「飛び横げり」の4種類あれば十分とすら言えそうです。
私自身の当時のプレースタイルとしては基本的には・・
1.「はじめ!」の合図と共に3歩前進していきなり飛び蹴りを食らわす
2.しゃがんで相手が近づいてきたら突きを食らわす
3.「はじめ!」の合図と共にいきなり前方宙返りを行い、相手の背後に立ったらそこで後ろ回し蹴りを
叩き込む
4.待ち伏せして足払いを食らわす
この四つの技を適当に組み合わせていけば、初段から9段までは勝ち進むことが出来ると思います。
10段以降の名人からはいきなり唐突に対戦相手が強くなり、大抵の場合開始早々10秒で
一本負けを食らってしまい、そこでゲームオーバーというパターンが多かったような印象があります。


空手道の基本進行は、まず道場に入門し、そこでの鍛錬を経て道場での試合に勝てば、その道場を卒業し
なぜか唐突に全国大会に出場する事が出来ます。
この「全国大会出場」というキーワードが、当時本気で「全日本吹奏楽コンクール・全国大会」への出場を夢見て
日々練習に明け暮れていた私自身のココロをハートキャッチしたのかもしれないです。
道場での試合は、後方の弟子たちがしばしばよそ見をしたり、後ろを振り返ったりして落ち着きがないのが楽しいです。
全国大会での旗を両手に持っている審判ですけど、
「あの審判、なんかタモリに似ている・・」と一部で話題になっていたものです。
対戦相手に勝った時やボーナスステージで、時々プレイヤーキャラの顔が巨大化してドヤ顔になるのもバカバカしくて
面白かったです。

全国大会では勝利をおさめ段が一つ上がるごとに毎回毎回、「超人怒涛編」というボーナスステージが開始され
「さあ! 牛だ!!」の掛け声とともに、なぜか・・・モォー―――ッと突進してくる牛と対決する羽目になってしまいます。
あれは1970年代の漫画「空手バカ一代」に出てくる「牛殺し」へのオマージュなのかもしれないです。
ちなみに、牛殺しに失敗してもゲームは終わりませんけど
プレイヤーはしばし牛に踏み倒されて失神状態になってしまいます。
あの牛ですけど、これは完璧にタイミングとコツの問題でして、
あらかじめしゃがんで構えて、あるタイミングに突きを食らわすと大抵の場合撃破できました。
とにかくこれは完璧に昭和レトロのゲームだと思いますけど、あのレトロ感は今更ながらたまらないものがありそうです。

実はこの空手道には続編があります。
空手道のリリース三か月後にもプレイヤー同士で対戦可能な「対戦空手道 美少女青春編」がリリースされたのですけど、
これはプレイヤーVSコンピューターという従来のバトル方式ではなくて、
二人のプレイヤー同士で対戦をする事ができるという大変画期的なものでもありました、
多分ですけど当時の格闘ゲーム系でこうしたプレイヤー同士のバトルが可能というのは、対戦空手道 美少女青春編が
初めてなのかもしれないです。
そのため人によっては「対戦空手道 美少女青春編こそが対戦格闘ゲームの元祖である」という説を唱える人もいるそうです。
そしてこの「対戦空手道 美少女青春編」には美少女ヒロインが格闘に参加するという事ではなくて、
プレイヤーの2i人がヒロインのモモちゃんに「私、強い人が好きなの。」と言われ試合に挑むという、
いかにも青春まっしぐらな熱いストーリーになっていますし、そうしたベタな展開は昭和レトロそのものといえそうです。
しかしその後のプレイヤーの会話の中に、「ユミちゃんがいる。マリちゃんだっているんだ!!」というのは、
「それじゃー、モモちゃんの存在はお前にとってどうでもいいのかよ~!?」とツッコミを入れたい気持ちになりそうです!
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