M.イッポリトフ=イヴァーノフの組曲「コーカサスの風景」は、第Ⅳ曲「酋長の行列」はそこそこ有名なのかも
しれないですけど、それ以外の三つの楽章はあまり知られていないと思います。
イッポリトフ=イヴァーノフの組曲「コーカサスの風景」以外に作曲した曲は調べてみるといろいろとあるようですけど、
私自身はコーカサスの風景以外は聴いたことがないです。というかこの組曲自体、全曲が日本のプロのオーケストラの
演奏会で演奏されたことは私自身は聴いたことがないです。
(稀に「酋長の行列」がファミリーコンサートで演奏されることもあるようです)
音楽史的には典型的な「一発屋作曲家」なのかもしれないですけど、後世に受け継がれていく曲を何か一つだけでも
残せたことは作曲者冥利に尽きるのかもしれないです。
ちなみにイッポリトフ=イヴァーノフ はリムスキー・コルサコフの弟子で、1935年まで存命でしたので、
ロシア革命・スターリンの独裁など色々大変な時代を生きていたと思いますが、どちらかというとロシア5人組といった
伝統的なスタイルを継承されていた作曲家&音楽教育家という印象もあります。
組曲「コーカサスの風景」の中の「酋長の行列」は、子供の頃に実家のレコードボックスの中に
「オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団 世界名曲ライブラリー」といったタイトルで
ハンガリー舞曲とか、アルルの女のファランドールの踊りとかフィンランディアとかスケターズワルツとか
ペルシャの市場にて等々の世界各国の小品名曲が収録されているレコードがあり、
「酋長の行列」は、このレコードの中に収録され、子供の頃からこの曲は耳に慣れ親しんでいたような印象もあります。
「酋長」というと、何となくアメリカのインディアンの部族長とか、頭の飾りがすごい部族の親方みたいなイメージがあるのですが、
イヴァーノフの曲のおかげて、私的には酋長というと、アメリカ西部劇のインディアンの部族長というよりも
中央アジアの騎馬民族の親方みたいなイメージの方が強かったです。
ちなみにですけど、イヴァーノフが意識した酋長というのは、中近東諸国の軍総司令官を指すとの事です。
イッポリトフ=イヴァーノフの組曲「コーカサスの風景」 は下記の4曲から構成されています。
演奏時間は大体23~25分くらいですけど、第一楽章だけで10分程度を要し、組曲としてのバランスはちょっと悪いです。
Ⅰ.峡谷にて
Ⅱ.村にて
Ⅲ.モスクにて
Ⅳ.酋長の行列
Ⅰの峡谷にては、大峡谷の雄大な自然の様子が描かれていて、冒頭のホルンが峡谷に響く郵便馬車のラッパのこだまを表し、
弦楽器によるひそやかな響きは小川のせせらぎを感じさせています。
クラリネットで奏でられる民謡風の主題はのどかで平和な雰囲気を感じさせてくれています。
Ⅱの村にては、エキゾチックでミステリアスな雰囲気を漂わせていて、東洋風の音楽というよりは中近東の雰囲気を
感じさせてくれています。コールアングレによる神秘的な響きも大変印象的です。
Ⅲのモスクにては、イスラム寺院での人々の祈りを表現していて、この楽章は木管楽器、ホルンとティンパニだけで演奏され、
弦楽器は使用されません。実質吹奏楽の響きですけど、雰囲気は華やかさよりは祈りの厳かな雰囲気の方が
強いです。オーボエに始まり、楽器を変えながら一つのメロディが単純に繰り返される単調な曲想ですけど、
単純だけでは割り切れない純朴な祈りの素朴さを強く感じます。
そして第Ⅳ曲が酋長の行列なのですが、この楽章だけは俄然盛り上がります。
メロディーラインが恐ろしいほどに単調で、何のひねりも変化もなく素朴そのものな曲なのですけど、
それがまた「シンプルイズベスト」を立証している感じもします。
全体的にピッコロの響きが極めて印象的で、中央アジア的な響きを感じるのですけど、この響きはどことなく
ボロディンの「ダッタン人の踊り」の雰囲気に近いものもありそうです。
ピッコロとファゴットで奏されるメロディがクラリネットの東洋的なメロディと溶け合い賑やかに曲が閉じられます、
それにしても「酋長の行列」は単調さと素朴さの中でもピッコロの響きがとても耳に焼きつきます!
ピッコロの旋律は思わず口ずさんでしまうほど親しみやすいのですけど、
この執拗で素朴な反復が曲自体の自然な盛り上がりに一役買っていると感じられます。
組曲「コーカサスの風景」は、1990年の黒澤明監督の「夢」において第Ⅱ曲の村にてを使用していたり、
はたまた1996年のコナミのゲームの「セクシーパロディウス」最終ステージのBGMとしてⅣの「酋長の行列」が使用されて
いたりもします。
この組曲が作曲されたのは1894年ですけど、当時は既にドビュッシーのような印象派の新しい音楽が登場していたり、
マーラーが交響曲第3番「夏の朝の夢」で100分を超える曲が作られていたり、
R・シュトラウスのような構築美のような音楽が世界各地で作られている中で、こうした素朴な曲が
ひっそりと作られていた事も興味深いものもあります、
組曲「コーカサスの風景」をCDまたはレコードで聴く場合、昔ならばフェドセーエフ指揮/モスクワ放送響の演奏が素晴らしく、
最近ですとグルシェンコ指揮/BBCフィルの素晴らしい演奏が出ています。
全日本吹奏楽コンクールにおいて組曲「コーカサスの風景」は2019年末時点でこれまで全国大会で3回演奏されています。
1997年頃の中学の部で、宮崎県の赤江東中学校がⅠとⅣの組合せで金賞を受賞しています。
97年の演奏は私も普門館で聴いていましたけど、素朴で中学生らしいのびのびとした演奏で大変好感を持ちましたけど、
曲自体は吹奏楽アレンジ版で聴いても「全体的に同じメロディーの反復が多い単調な曲」という印象はありましたけど、
やはりピッコロの響きが結構耳に残ったりもしたものでした。
赤江東中学校は1995年にマスネの組曲「絵のような風景」で全国大会初出場を果たし、この年の演奏も普門館で
聴きましたけど、演奏がたいへんおとなしく地味で単調で控えめな表現に、ちょっと抵抗感がありましたけど、2年後の
普門館は95年の消極性を払拭したのびやかさが感じられ、改めてスクールバンドの短期間の成長を実感させたられた
ものでした。
マニアックなネタですけど、この曲の全国大会初演は大変古くて、1964年の富士製鉄室蘭吹奏楽団の演奏が
吹奏楽コンクールでの初演でもあったりします。

組曲「コーカサスの風景」の酋長の行列のピッコロの東洋風な響きは大変印象的ですけど、
「ららマジ」でのピッコロ奏者はうざかわいい先輩の小田桐アミです~♪
小田切アミはピッコロを担当している3年生のJKさんで、ららマジ器楽部内ではダンサーも兼任しています。
アミは入部当初はシンバル担当だったものの、シンバルは普段はヒマだけど、
曲によってはシンバルの一つのバシャーン!という打撃音の効果で曲の雰囲気を劇的に一変させる事も多々あり、
しかもそれは曲の途中で・・という事で曲の開始から自分の出番がくるまでのあの独特なプレッシャーに耐えきれず、
担当楽器を途中からピッコロに変え、シンバルの後任として自分の後輩でもあり弟子でもある伊藤萌に引き継がせています。
小田桐アミはとにかくおしゃべり大好きのJKさんで、部内では一つのトラブルメーカーみたいな位置づけなのかもしれないです。
あらゆることを楽しむための発想力と行動力は抜群で、常に物事を前向きに楽しもうという発想が行動の基軸となっています。
婿養子の父親以外は家族全員おしゃべりという家庭で生まれ育った事もあり、
周囲からはうざかわいい~♪といわれる事も多いようです。
喜怒哀楽に富み、普段の言動からもかなりの自信家と思われますけど、意外と小心者だったりするなどのギャップも
垣間見せるあたりは萌え要素といえそうですし、最上級生だけどそうは見えない所もポイント高そうですね~♪
髪型は黒髪ツインテールで、制服は上着なし、ネクタイはリボンにアレンジしていて、
ふともも側に赤い二本線の入ったニーハイを着用していたりもします。
小田桐アミの奏でるピッコロによる「酋長の行列」の素朴な味合いも聴いてみたいものですね~♪

ららマジ器楽部30人のメンバーの中で、トロンボーン奏者兼コンサートマスターの地位にいるのが3年生のお姉さまの
星崎梨花です。
担当楽器はトロンボーンで、器楽部のコンミスを務める完璧超人で、器楽部創立メンバーの一人であったりもします。
武器のトロンボーン型の槍は突いたり切りつけたりするだけでなく小規模な爆風を放つこともできるそうです。
上記の小田桐アミと星崎梨花は同学年で共にららマジ器楽部の創立メンバーであるのですけど、この二人は
考え方も行動様式も極めて対照的というのが大変興味深い所でもあります。


ららマジは、今年・・2020年がゲーム配信開始から3周年という事で、記念グッズが色々と販売されていて、
3周年記念グッズイラストも取り扱いがされていて、その一つが上記の梨花とアミの二人のイラストです。
そしてこの二人のイラストは何やら喧嘩をしているような感じというのも何かと妄想し甲斐があるようなネタ満載
なのかもしれないです。
アミと梨花は、性格も見た目も考え方も水と油なのかもしれないですし、
アミは音楽を楽しみながらみんなで作り上げていこうという感覚なのかもしれないですし、梨花は指揮者の統率の下、
個と全体の調和を図りながら一つの方針の下に音楽に取り組んでいくという事なのかもしれないです。
言い争いをしているようなアミと梨花は、アミが手にしている楽器が現在のピッコロではなくてシンバルであることを
考えると、ららマジ器楽部創設間もない頃の話で共にまだ1年生の頃の話で、
お互いが相互理解を図れていない頃の話なのかもしれないです。
アミは普段の言動的にふざけているように見えがちなJKさんですが、「楽しく音楽をやりたい」という気持ちは真剣そのもので、
そうした真剣さというのは梨花ともどこかでつながるものはあるのかもしれないです。
そうした二人の心の交流というのが魔法少女服を手に入れた後の二人のきずなの強さにもつながるのかもしれないです。
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