一般的にフルートというと、美少女が奏でる楽器というイメージもあるのかもしれないですし、昔も今も吹奏楽部においては、
楽器振り分けの際には女の子には大人気の楽器の一つだと思います。
フルートは美少女が吹くイメージが強いせいか、きらびやか、かわいいと言う雰囲気がありそうですね~♪
フルートというと両腕を上げて奏でる横笛楽器で、銀色または金色の金属製の筒に複雑なキー装置を備えた横笛と言えます。
今現在はフルートというと横に構えて吹く楽器というのは既に一般化されていると思うのですけど、
実はJ.Sバッハとかヴィヴァルディ等のバロック時代においては、フルートという楽器は実は現在一般にリコーダーと呼ばれる
縦笛の事を指していました。
実際バッハの若い頃は横笛楽器としてのフルートという楽器はそれほど定着はしていなかったようです。
バッハの若い頃は上記で書いた通り、フルート=リコーダーという縦笛楽器であったのですけど、現在の感覚で言うと、
リコーダーというのは、誰にでも手軽に音が出せる学校教育の場で主に使用される楽器とか
はたまた妄想アニメ等で、モテない男子高校生が誰もいない教室でこっそりと憧れのクラスメイトのJKさんのリコーダーを
吹いて「間接キスができた・・」といって涙ぐむシーンでお馴染みなのかもしれないですけど(汗・・)
バロック時代は今現在と違って、リコーダーというのは管弦楽の主要楽器の一つという立ち位置でもあったようです。
バッハを崇拝していたフリードリヒ大王が横笛としてのフルートを愛用していたというエピソードからわかるように、
バッハの青年期以降は、縦笛のリコーダーにとってかわってフルートがその役割を担うようになり、そこに楽器としての
劇的な改良が施され現在のフルートの形になっていきます。
フルートという楽器は今現在はほとんど金属製になっていますけど、人によっては
「あんなメタルの楽器がどうして木管楽器に分類されるの~?」と疑問に感じられるのかもしれないですけど、
確かに初期の頃は木製フルートもあり今現在も稀に木製フルートを使用されるプロ奏者もいます。
クラリネットやオーボエはリードという薄片を息で震わせて音を出し、ホルンやトランペット等の金管楽器は唇を震わせて
音を出します。
フルートはクラリネットやオーボエのような物理的なリードはないですけど、
頭部管唄口のエッジに向け息を出して空気を振動させるという「エアリード」と呼ばれる空気の渦流を作る仕組みがあります。
吹き込んだ息をエアリードが音にして出しているので、フルートは金属製でも木管楽器に分類される訳なのです。
メタル系楽器と言うとサックスも木管楽器に分類されますけど、サックスの先端はマウスピースであり、マウスピースに
薄い木片のリードを装着させて吹くので木管楽器として分類されます。
クラリネットやオーボエと違って発音にリードを用いないため、他の木管楽器よりもタンギングの柔軟性は高く、
運動性能も木管楽器の中では最も高く、クラリネットやオーボエだと大苦戦する速い指使いの楽曲も比較的容易に
吹く事ができます。
(音色が安定し速いパッセージも難なくこなせるという事で指揮者からは愛される楽器なのかもしれないですね~)
フルートの音量は小さいのですけど、高音域は倍音が少なく明瞭で澄んだ音と言う事で、
管弦楽でも吹奏楽でもサウンドの中に埋没する事は少なく、その音は埋もれることなく明瞭に聞こえてくる傾向は強いです。
埼玉ネタで申し上げると、埼玉県所沢市に村松フルート製作所という楽器メーカーがあります。
昔も今も全て手作りなので1ヶ月に400本程度しか生産できないが、プロの6割以上が村松フルート製作所のフルートを使用
しているという話もあるそうです。
村松フルート製作所のフルートは最も優れたフルートの一つとしてミュンヘン市立楽器博物館に永久保存されているほどで、
換言すると埼玉の隠れ名産品とも言えそうです。
当ブログではよく「埼玉は何の名物も銘菓もないし、あるのは十万石まんじゅうだけ・・」と自嘲的に書いたりもしていますけど、
実は世界に誇るべきフルート製作メーカーが存在しているというのは、埼玉県民の私にとっても大変誇らしい話といえそうです。
吹奏楽部に入部希望をしてくる新入部員たちの中での人気楽器は、トランペット・トロンボーン・アルトサックスだと思いますが、
女の子にとって一番人気のパートはフルートと言えるのかもしれないですね。
フルートのイメージは優雅で華麗であり、全体合奏の中では目立たない方なのかもしれないですけど、随所においしいソロが
用意されている事も多々あり、音程が安定している事もありますし、万一ミストーンをしても元々の音量が弱いという事もあり、
あまり目立つことも無く、指揮者からはどちらかというと優等生扱いされる事が多いのかもしれないです。
フルートは前述のとおり、とても清らかな音色で美しく、美しいメロディーをソロ的に奏でる管弦楽曲も古今東西多数
存在しています。
フルートがソロ的に扱われている管弦楽曲を少しばかり挙げさせて頂きますと・・・
ビゼー / アルルの女第二組曲~Ⅲ,メヌエット
M,ラヴェル / バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲~Ⅱ,パントマイム
G,グリーグ / 劇付随音楽「ペール・ギュント」~朝
G,フォーレ / 組曲「ぺリアスとメリザント」~Ⅲ,シチリア舞曲
C,ドビュッシー / 牧神の午後への前奏曲
C.サン・サーンス / 組曲「動物の謝肉祭」~鳥かご
個人的な趣味ですけど、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」の第一幕冒頭の細かい動きはフルートによって
主に進行されていきますけど、あのフルートの細かい動きは結構ツボにはいっています。
吹奏楽オリジナル作品では、チャンスの「呪文と踊り」の冒頭ソロの重々しい響きもとても渋くてすてきです。
そうした中、フルートが管弦楽の中で朗々と長大なソロを奏でるというと私的には、ラヴェルのダフニスとクロエを
推したいです。
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」は、副題は三部から成る舞踏交響曲というのは少し意外でもあったりします。
(どう聴いてもシンフォニーには聴こえないです・・)
組曲版としての第一組曲(Ⅰ.夜想曲 Ⅱ.間奏曲 Ⅲ.戦いの踊り)はバレエの第一部と第二部から構成されています。
あくまで私個人の主観ですけど第一組曲は冗漫で退屈で聴いているだけで眠くなりそうです。
一度だけこのバレエ音楽を全曲ノーカット版をデュトワ指揮/N響で聴いた事があるのですけど、
第一部と第二部は退屈で死にそうでした。
このバレエ音楽は純粋な管弦楽曲ではなくて、バックに歌詞を伴わない合唱が入り、
合唱が管弦楽の響きの中に入り込んでくると、管弦楽の精緻でひそやかなな響きを楽しんでいる時に、
コーラスがその響きに水を差すような印象があり、私個人としてはこのバレエに関しては、合唱が入らない版の「第二組曲」を
聴けばそれで十分みたいな感想も実はあったりします。
余談ですけど、デュトワ指揮/N響のダフニスとクロエ全曲版の演奏の最中に、震度5程度の結構強い揺れの地震発生という
ハプニングが発生し、会場内は結構ザワザワとした雰囲気に一時なったのですけど、
デュトワも奏者も合唱も誰一人動揺することなくそのまま自然体で演奏を続けていたのは、プロは違う!と感じたものでした。
第二組曲は、Ⅰ.夜明け Ⅱ.パントマイム Ⅲ.全員の踊りの三曲から構成されていますけど、
Ⅰの夜明けの「ひそやかさ」は素晴らしいですし、冒頭のフルートとハープによって奏でられる鳥のさえずりの部分は、
指揮者と管弦楽団にとっては腕の見せ所だと思いますし、指揮者の「美的センス」が真正面から問われそうです。
そしてⅡのパントマイムは長大で美しくひそやかなフルートソロはこの世の響きとは思えない幽玄で美しい響きに満ち溢れて
いると思います。
吹奏楽コンクールにおいては、1987年の習志野高校の超名演とフルートソロの美しさが圧巻です!
Ⅲの全員の踊りはまさに華麗なる音の絵巻の世界で絢爛豪華なサウンドが展開されていきます。
全員の踊りは打楽器はかなり使用されていて、ティンパニ・大太鼓・サスペンダーシンバル・スネアドラム・カスタネット・
トライアングル・タンバリンの7人の打楽器奏者が同時に音を出している箇所もあったと思います。
フルートソロというとビゼーのアルルの女のメヌエットも美しさの極みだと思います。
メヌエットはハープの伴奏に支えられて、フルートが牧歌的なソロを展開していくのどかな曲なのですけど、
突然管弦楽がフルートソロを遮るようにダン・ダン・ダン・ダーと鳴らす箇所があるのですけど、小学校の音楽の授業の
名曲鑑賞においてこの曲が掛けられ、そうした場面になると結構児童たちはどよめいたいたものでした。
アルルの女のメヌエットは曲がそれ程ダイナミックスレンジの広い曲とは思えないのですが、子供の感性は意外と
鋭敏なのかもしれないですね。
アルルの女~メヌエットのように、ppの部分から突然ffの大咆哮の代表的音楽として
ハイドンの交響曲第94番「驚愕」~第二楽章が取り上げられますけど、
現代人の感覚から言うと、別にそれは驚愕でも何でもないのですけど、確かに18世紀の貴族・貴婦人を
主な聴衆とした演奏会としては、「びっくり」だったのかもしれませんね~
第二楽章は単調なメロディーが二回展開され聴衆がウトウトする頃に、全ての楽器とティンパニが突然ffでダン!!と
奏でるのですけど、当時の聴衆としてはそれは驚愕だけど、20~21世紀の聴衆にとってはそれはもはや驚愕でもなんでも
ないと言えそうです。
ppから急激なfffへの展開の曲というのは腐るほどある訳ですし、
別に「アルルの女」がそれ程すごい曲とは思いませんけど、子供にはこのくらいが丁度いいのかもしれないです。
そうした意味においては、音楽のダイナミックスと言うのは決して「音量」だけではないと思いますし、
要は、静かな部分と壮大に豪快に咆哮して鳴り響く部分の「静と動の対比の落差」なのだと思います。
「ららマジ」に登場する一年生のフルート奏者の結城菜々美については、一度バルトークの舞踏組曲と二つの肖像記事の際に
レビューをさせて頂きましたが、結城菜々美はららマジのメインヒロインの一人というのか実質的な主人公キャラでもありますし、
本記事がフルートに関するものでしたので、再度改めてレビューさせて頂きたいと思います。
フルート奏者の結城菜々美は「ど根性で乗り切るぞ!期待の新人!」というのが売りのふわふわ熱血少女です~♪
明るく素直で、誰とでも仲良くなれるタイプで、根性さえあれば何でもできると考えている熱血系根性論者でもあり、
ときに無鉄砲な行動に出ることも多々あります。
音楽家の両親の影響で物心つく前からフルートに触れており、幼少期から数々のコンサートで最優秀賞を総なめ状態で
周囲から神童と呼ばれていましたけど、とある出来事により挫折してしまう過去の傷もあったりします。
根性論者、肉好き、運動神経抜群という側面と見た目のふわふわ~っとしたかわいらしさのギャップが
結城菜々美の際だの魅力なのかもしれないです。
灰色のニーハイを常に着用していて、ららマジの中ではすてきな絶対領域の持ち主であるのも大変素晴らしいですね~♪
結城菜々美は私服姿もとてもかわいいです~♪ 太腿が眩しすぎます・・
クリスマスのサンタコスプレもかわいいですし、よくお似合いですね~♪
制服姿ですべって転倒する場面もとてもかわいいです~♪
美少女は時にこうしたドジっ子要素も必要なのかもしれないです。
フルートという楽器はやはり美少女が奏でるのが一番相応しいのかもしれないです。
結城菜々美の奏でるダフニスとクロエ~パントマイムやアルルの女~メヌエットの美しいソロを聴いて、
心癒されたいものです~♪
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