東方の幻想郷内に存在している二つの神社の二人の巫女さんでもある霊夢と早苗さんって本当に面白いですよね!!
本当にこの二人の巫女さんは大好きですっ!!
というか・・・この二人の巫女さんの「対照性」にあまりにも相違点があり過ぎるため、
見ていてとっても興味深いものがあります。
霊夢は(ま・・もしかしてゆかりんが外界から浚ってきたのかもしれないですけど)生まれも育ちも幻想郷で
いわば土着の巫女さんです。
だから、元々の認識自体が
「別に私が何もしなくたって里の人たちは勝手にお詣りしてくるし、勝手にお賽銭を放り込んでくれる・・・」
みたいな認識なのかもしれないですよね。
ま、元々そこにいた人ですから、「別に工夫とか努力とかしなくたっていいじゃん・・・
それに私は別にお賽銭収入が乏しくても、得意の異変解決とか妖怪退治の謝礼でこの神社の生計ぐらいは
なんとかやっていける・・」
みたいな認識が強いのかもしれません。
それに対して早苗さんは、幻想郷内では「新参者」であり、
ま・・確かに「守矢神社」は妖怪の山の頂に建立されていて、元々が人里の人たちは
「え・・・そんな神社ってあったっけ・・? 」みたいな認識を持たれているのかもしれません。
だからこそ、早苗さんにとっては、まずは・・・ある意味「宣伝」というのか「PR」をしなくてはいけなかったのですよね。
つまり・・・
「ここ、幻想郷は、博麗神社だけではありませんよ――! 私が風祝を務める守矢神社だってありますよ――!!!」みたいな事を
まずは幻想郷の人たちに認識してもらう事が第一歩と考えたのかもしれないですよね。
そして、早苗さん自身は、多分ですけど、つい最近まで外界にいた人ですので
外界の資本主義のなんたるかをよく分かっている御方・・・・
すなわち・・・
「それでは幻想郷において守矢神社を知って貰うにはどうすればよいのか・・」
「どうすれば霊夢の博麗神社との違いを出せることが出来るのか」
「守矢神社を知って貰うにはどのような工夫をすればよいのか、自分に今できるサービスとは何なのか・・」
「幻想郷内の人達に満足と喜びを味わって貰えるようなサービスで、今私達が出来る事は果たして何なのか」
みたいな事をよく分かっていらっしゃるという感じがありますよね。
つまり「痒いところに手が届くサービス」というアピールポイントを早苗さんなりによく分かっていて、
資本主義をよく分かっている人の立場からの守矢神社の宣伝方法をよく分かっているという感じがありますよね。
そうした点が幻想郷内のルールとかしきたりしか知らない霊夢との違いなのかもしれないですよね。
霊夢はいわば、昔のソ連の共産主義みたいに、
「別に私が努力なんかしなくたって向こうが勝手に動いてくれるじゃん・・」みたいな発想であるのに対して
早苗さんは「何かお困りごとがあればまずは私たちに相談してみてください、何かお役にたちますよ・・」
みたいに考えて、それがあわよくば・・
幻想郷内の人たちに
「そっか・・・何か異変とか妖怪関係で困ったことがあればあの早苗さんという巫女さんにまずは相談すればいいんだ・・」
みたいな事を刷り込ませ、
結果として博麗神社を淘汰できればいいのかな・・・みたいな資本主義原理を
幻想郷にも応用しようとしているのかもしれないですよね。
実は既に以前の記事で「東方鈴奈庵」第4巻における霊夢と早苗さんのそうした「違い」について
ちらっと書いたのですけど、
霊夢は別に何も宣伝活動とかしなくてもいいじゃんみたいな現状維持路線・・・
それに対して早苗さんは、
「まずは幻想郷内ではそれほど知られていない守矢神社の存在をみんなに知って貰おう」
「身近な困りごとに対して、こうした方がいいですよ・・みたいなアドバイスをしてあげる事から始めて、
幻想郷内には博麗神社とは違うこんな親切な神社もありますよ・・
何かあったら是非是非声をかけてくださーーい!!」
みたいな積極的PR路線を採用しているというのが二人の一つの違いと言えるのかもしれないですよね。

あー――、だけどこの「東方鈴奈庵」の早苗さんですけど、とにかくめちやくちゃ可愛いですよね!!
なにこの垢抜けたスマートな感じ!!
「東方鈴奈庵」に登場してくるキャラは、正直・・・みんなどの娘もみんな「美少女」という感じで
とてつもなく可愛い描かれ方がされています。
マミゾウはこの鈴奈庵の中では結構頻繁に登場し、何となく準レギュラーみたいな感じもするのですけど、
「・・・・なんじゃ」とか「なんじゃろ」みたいにちょっと古めかしい言葉遣いをしているのが面白いですね。
なんかああいうマミゾウを見てしまうと「おまえは、魔法つかいプリキュアの校長先生なのかっ!?」みたいなツッコミを
入れたくもなってしまいますね・・・(笑)
あのマミゾウですら「可愛いお姉さん」みたいな感じで描かれているのが楽しいです。
その中でも特に、霊夢なんかは「まさにあなたこそ東方の美少女No.1!!」みたいなオーラに満ち溢れていますし、
十六夜咲夜のあの「大人っぽい長身のスラッ・・とした感じ」もまさに絶品ですっ!!
阿求ちゃんなんかもとてもとてもあの「求聞史紀」における毒舌キャラとは思えない、とてつもない美少女振りが
遺憾なく発揮されていますし、
寿命とか「あと何年生きられるか・・」みたいな話の際に時折見せる阿求ちゃんのあの憂いの表情とか
本当に素晴らしいですよね。
そして特に際立っているのが「魔理沙」の描き方だと思います。
あの魔理沙の描き方は、他の公式漫画で描かれる魔理沙とはかなり違った描かれ方がなされていて、
とてつもなく「個性的」だと感じます。
ああいう魔理沙もとっても魅力的ですね!!
本当にこの「東方鈴奈庵」の作者の春河もえ先生のキャラの美少女ぶりとか可愛らしさは、
際立っていますよね!!
あのタッチ、本当に素晴らしいと思います。
「三月精」も全体的にとっても可愛く描かれているのですけど、三月精はいかにも「アニメ」っぽい雰囲気が漂いますけど、
「鈴奈庵」は、いかにも「原画の美しさ」みたいなものを感じさせてくれます。
早苗さんの「東方鈴奈庵」としての初登場は意外に遅く、第四巻からの登場となります。
公式漫画としてではなくてゲームの早苗さんの初登場と言える「東方風神録」の際は
なんか・・高圧的というか上から目線というか
少しばかり「気負い」が強すぎるような感じもありましたね・・・
早苗 「ここの山は私と私の神様が頂くわ。
そして貴方の神社を頂けば――幻想郷の信仰心は、全て私達の物……」
霊夢 「そんな事したら、幻想郷におわす八百万の神が黙ってはいないわよ」
早苗 「これは幻想郷の為でもあるのですよ。
今の信仰心が失われた状態が続けば、幻想郷は力を失います。奇跡を起こす力を失うのです」
霊夢 「冗談じゃない。信仰心くらい、私の力で何とか戻すわよ!」
ま・・・神奈子や早苗さんの意図としては、
まずは幻想郷内において自分たちの「神社」を「唯一の神社」として人間・妖怪たちに認識してもらうためには、
霊夢の博麗神社を乗っ取って廃する必要があると考えたのでしょね。
「博麗神社を手に入れれば幻想郷を支配できる』」いう、幻想郷の本質を突いているようでそうでもないような
危うい考えを当初は持っていたのだと思われます。
だけど、結局その乗っ取りは失敗に終わり、霊夢によって守矢神社勢力は退治をされてしまいます。
でもそうやって退治をされても、「幻想郷内に別に神社が二つあってもいいじゃん・・」みたいな大らかさ+寛容が
あるのは実に素晴らしい事ですよね!
ま、これが外界の世界だったら、「敗北したのだからここを出ていけ!!」みたいな感じになるのかもしれないですけど、
そうならない所が幻想郷の「常識に囚われない世界」という感じなのですよね。
そして早苗さん自身も、敗北後も霊夢を恨む事は一切なく、
上から目線とか高圧的とかなにか「自分はこうしないといけない」みたいな強迫観念みたいなものは
綺麗さっぱりなくなり、
元々早苗さんが有していた「柔らかさ・素直さ」が戻ったという事になるのかもしれないですよね。
霊夢も霊夢で、「なんだ、こいつ新参者のくせに生意気!!」みたいな感情は持たず、どちらかというと
「守矢神社が出来てしまうと、只でさえ少ないお賽銭収入が守矢に取られてしまう・・」みたいな現世利益の事しか考えず、
早苗さんの事は単に「商売敵」としか見ていない事はとっても面白いですよね。
早苗さんの初登場時の「でもね、そんな事するわけないじゃない」と霊夢に対して柔らかく話しかける
早苗さんはとっても可愛かったです!!
私の中では「東方の絶対的なエースは霊夢!!」と言うのは最初から揺るぎがない一つの信念なのですけど、
なんかこういう早苗さんを見てしまうと、
「いやいや、霊夢以外にも東方にはエース候補は一杯いるのかも・・??」と思ってしまいますよね。
話としては、霊夢が早苗さんに対して
「最近、幻想郷内で蛇の被害が色々と出ている。蛇を祀っているあんたの神社が何か陰で糸を引いているんじゃないの」
みたいな因縁と言うか難癖をつけているようにも感じられるのですけど、
ま・・それは明らかに霊夢の思い違いでして、
早苗さんの言うとおり、蛇を祀っている神社が蛇を使って幻想郷内の人々を困らせてしまったら、
守矢神社は人々から「信頼」を失ってしまい、信仰の対象から外れてしまいますからね。
ましてや守矢神社は新参者で、「最初が肝心・・最初に悪い印象を与えてしまうと、それを取り戻すのは至難の業、
いい話は中々伝わらないけど、悪い話はぱーーっと広まってしまう」という事ですからね。
それは早苗さんの方に一理があると思いますし、霊夢の方が少し被害妄想という感じなのかな・・?
だけどそうした事を後に引きずらないのが霊夢の美点ですよね。

さてさて、前述の通り、「資本主義経済のなんたるか」をある程度は分かっていらっしゃるような
外界出身で聡明な早苗さんにとっては、幻想郷で「何をすべきなのか」という事は
さすがによくわかっていらっしゃる!!という印象が大変強いですね。
幻想郷で里の人々が「蛇の被害で困っている」という話を聞き込めば、
1.蛇と言うのは神の使い、または神様そのものですのでむやみやたらと殺生は出来ない。
2.だけど、実際問題、蛇が人里に忍び込み食べ物を食い散らかしたり最悪の場合、人に危害を
加えてしまうのもまた事実・・
そうした相反する難しい「一つの問題」に対して、早苗さんは、
蛇の「神の資質」をきちんと認めたうえで、
「それならば、人里と山里の境周辺にいくつか、私の神社の分社を建てましょう。
そしてその分社にお供え物をするのです。
お供え物をする事で、蛇自身に、この分社にやって来れば食べ物にありつく事が出来るから人里まで
おりてくる必要がなくなる」という事を具体的な解決方法をきちんと提示をした上で、
優しく丁寧に誠実に里の人々にわかり易く説いている点は「さすが、早苗さんは違う!!」と思ってしまいますね。
ま・・・霊夢だったら・・・・
「も―――、面倒くさいなぁ・・・蛇が人里におりてきたらその都度退治すりゃそれでいいじゃん!!」みたいな事を
ついつい悪気は無くても言ってしまうのでしょうね・・・
早苗さんが「素晴らしいな・・」と感じる点は幾つかあるのですけど、
1.蛇も人もそれぞれの立場と意義をきちんと認めている
2.その上で「蛇」の威厳もきちんと説き、人々に蛇を普段から恐れて敬う事の大切さもきちんと説き
人々がむやみやたらと蛇を殺生しないように教えている。
3.そうした上で、「私の神社の分社を・・・」みたいに霊夢の博麗神社ではなくて、早苗さんの守矢神社を
しっかりとアピールしている。
そういった点は「やっぱり違うね・・」と改めて思ってしまいますね。
早苗さんは、今回はまずは「蛇との関わり」という小さいテーマから始めようとしています。
まずは損得抜きで小さい事から始めていき、段々と大きい仕事を取っていく・・それはまさに「資本主義の手法」
なんじゃないのかな・・・とも思います。
よく美容院とか接骨院とかマッサージ店とかクリーニング店などが
「初回お試しキャンペーン」とか何とか言って、一番最初のサービスは規定の料金の半額など
とにかくお安い価格で当該サービス内容をまずは見て貰った上で、
「もしも宜しければ正式に会員登録をしてみませんか?」というのとなんか理屈はよく似ているのかな・・とも
思ったりもしますね。
あ・・・・それは私が在籍している会社でも似たようなことはやっているのかも・・・??
最初に便利屋部門の「垣根剪定・網戸張替」などをとてつもない安い料金で受けて、
まずは「正式に会員登録」という事から始めて、何度か依頼や相談なんかを受けている内に
「外装・内装・設備・新築・建替えなんかもうちらはやっていますよ、何かあればまずは私たちに声をかけてくださいね」と
顧客に対しての「家に関することはなんでもあの会社に相談すりゃいいんだ・・」みたいな意識の植え付けをし、
数年後の「大きな仕事」獲得という餌付けというのか下準備を早い段階からしていくという感じですからね。
ま・・・これこそがまさに「資本主義の手法」そのものですよね・・・・その是非は別として・・・・
それと同様な事をもしかしたら早苗さんは、もしかしたら既に意識しているのかも・・・?
まずは幻想郷内の人たちに小さい事から始める「啓蒙活動」から始めていき、
段々と幻想郷内の人里の人たちに対して、営業活動を掛けていっているのかもしれないですよね。
例えば・・
〇幻想郷には霊夢の博麗神社だけではなくて、私が巫女(風祝)をしている守矢神社だってありますよー!!
〇何か神仏・妖怪絡みで何か困ったことが起きれば、まずは守矢神社に声をかけてくださいね!!
〇え・・・? 守矢神社は妖怪の山の頂に建立されているから、あんな所にまで相談に行けないって・・?
大丈夫ですよ!
こうやって定期的に(例えば毎週水曜日の午前10蒔と土曜日の午後1蒔とか・・)
ここに来ていますから、何かあればぜひ一声かけてくださいね!
〇そうそう・・・・まずは皆様の家の敷地内に小さい鳥小屋みたいなもので構いませんので、
私の守矢神社の分社を建てて、そこで日々お詣りをされてみてはいかがですか?
私の神社には二社・・つまり神様が二人もいまして、力もお強いですし、きっとご利益はあるはずですよ。
〇お子さんの七五三とか節句とか地鎮祭とか季節のお祭りとかお祓いとか先祖供養とか
身近な行事の際には是非一声掛けて下さいね。
はたまた妖怪なんかが出没してなんか悪さをした場合は、そうした妖怪退治なんかも出来ちゃいますよ!
そんな感じで、まずはみかん箱みたいなものに乗っかっての小さい啓蒙活動から始めていき、
守矢神社の分社を建てる事から始めていき、
小さい事から初めて幻想郷の人たちから「信頼」を得る事で、段々と大きな仕事が廻ってくるようになり、
そして最終的には・・・もしかして、意外と意外と・・・
人たちから寄付金とかお布施を一杯いっぱい集めて、
妖怪の山とは別に幻想郷の人里近くに「守矢神社」にもう一つの人間用の本殿を建立する事が
出来るのかもしれないですよね・・・・
最初は損得抜きに小さい事から始めて大きな仕事を獲得していき、お客様(幻想郷内の人里)に
博麗神社との違いを巧みにPRしながら守矢神社としての良いサービスを提供し、
最後は競争相手(この場合は博麗神社)に打ち勝ち、その競争相手を淘汰する事で大きくなっていくという
まさに「資本主義の理屈」を早苗さんは
幻想郷でも実施しているという事になるのかもしれないですよね。
その意味では早苗さんは、まさに資本主義の申し子と言えるのかな・・・??

一方、霊夢はやっぱり霊夢なのかな・・・??
早苗さんのそうした啓蒙活動なんかを見ていても
「あ・・・そういう布教活動もあるんだ・・」と思わないで、
「人々の不安を煽って御守りとかを売りつけるのは宗教家の常套手段」と思ってしまうのは、
いかにも発想が短絡的な霊夢らしい話ですよね・・・(笑)
ま・・・そういう霊夢自身だって、大木を神木として祀って「客寄せ」をしようとしたり
グッズ販売をしようとしていましたから、
ま・・・霊夢だってその意味ではまさに「宗教家」そのものですよね・・・・(笑)
早苗さんが前述の通り、長期戦略に基づいて、まずは人々の「信頼」を勝ち得て
分社を建てたり人用の本殿建立なんかをもしかしたら目論むみたいな長い目で物事を見ているのに対して、
霊夢はやっぱり霊夢でして、
「分社を建てて人々からお供え物をさせて、それをくすねてしまおうとしているんでしょ・・」と早苗さんに
食って掛かっているのは、やっぱり霊夢らしい発想ですよね。
いや―――、私、霊夢のこういう計算とか戦略とかを何も持たないその場しのぎ発想なんかは
本当に大好きですし、
やっぱり霊夢は霊夢なんだな・・・こういう所、本当に大好きだなぁ――!と思ってしまいますね・・・(笑)
そして早苗さんから
「そんな乞食みたいなみみっちい事を目的にする訳ないじゃん!!」とタメ口を叩かれていましたけど、
いや――――、ああいう先輩巫女さんに対して
思いっきりダメだしをして、尚且つタメ口を叩いてしまう早苗さんは本当に素敵ですよね!!
早苗さんは基本的にはどんな人でも、丁寧語・敬語を使用し、とっても礼儀正しいみたいな雰囲気を持っているのですけど、
さすがにこの時の霊夢のせこい発想にあきれちやったのかな・・・??
あの「する訳ないじゃん!!」のタメ口はとにかくとっても面白かったです!!
東方鈴奈庵のこの回のお話は、蛇被害だけではなくて妖怪と思われる無銭飲食被害の話も同時に
出ていましたが、
あれは結局マミゾウが一人で解決していましたけど、
早苗さんの「蛇に対する啓蒙活動の効果が表れて、無銭飲食被害もなくなったってさー!」みたいな
またまた霊夢に対するタメ口も面白かったです!
ま・・あれは早苗さんの思い違いだったようですけどね・・・(笑)
早苗さんに関しては・・・・その④ その⑤でも色々と語ってみたいと思います。
→まずは、早苗さん その④に続きます・・・