当ブログで「忘れられた作曲家」とか「音楽史の歴史の中で埋没してしまった作曲家」という何度かアメリカの作曲家の
ウィリアム・シューマンの事を何度か取り上げさせて頂きましたけど、忘れられた作曲家というと
E.W.コルンゴルド もそうした作曲家の一人なのかもしれないです。
コルンゴルドは、正直あまり知名度はないかもしれないですし、知る人ぞ知る作曲家という印象もありますけど、
実は結構最近再評価が進んでいる作曲家でもあります。
そして幼少の頃より神童とか天才・モーツアルトの再来とも言われていたりもしまして、
10歳で作曲したカンタータ「水の精、黄金」を聴いた作曲家で指揮者のマーラーは「天才だ!」と称賛し、
マーラーの推薦によってコルンゴルトの指導にあたった作曲家ツェムリンスキーはその脅威の才能に接して
「どっちが教える立場なのかわからなくなる」と告白していたエピソードも残されているそうです。
1920年代~30年代の初期に大活躍をし、オーストリア楽壇の第一人者としての名声を誇った時期もあります。
しかし、コルンゴルドは、元々ユダヤ系のため、ナチスのオーストリア併合に伴って迫害を懸念し、
追われるようにアメリカへ亡命してしまいます。
しかし、アメリカ亡命後は当時極めて保守的なアメリカクラシック音楽業界の冷たい壁にその才能を封鎖され、
(その辺りはアメリカ亡命後にやはりアメリカの楽壇で冷遇され、大変困窮した晩年を過ごしていたバルトークと似ている面は
あります。)
アメリカ移住後は、純粋なクラシック音楽作曲では飯は食えそうにもないと考えたコルンゴルドは、生活の糧として
ハリウッドの映画音楽の制作への転向を決意し、映画音楽制作のためにハリウッドへの移住を決断します。
モーツァルトにも比肩される才能が、ウィーンを離れてハリウッドという映画の都へと活躍の場を移したことになります。
「海賊ブラッド」とか「ロビンフッドの冒険」などの映画のBGMを担当し、ハリウッドでは高い評価を受けるようになりました。
今現在の感覚で言うと「スターウォーズ」等でお馴染みのジョン・ウィリアムズの先駆者的存在という評価も成立すると思います。
アメリカで21本の映画音楽を作曲し、「風雲児アドヴァース」)と「ロビンフッドの冒険」でアカデミー作曲賞も受賞しています。
その関係でアメリカを中心にコルンゴルト=ハリウッド映画音楽の大御所という評価が定着しているようにも感じられます。
第二次世界大戦後に再びヨーロッパに戻ってクラシック音楽業界への出戻りを希望したものの、当時の欧州の楽壇は、
「アメリカの手先」とか「ハリウッドにクラシックの魂を売った人間」などという不当な評価を受け続け、
晩年は冷遇された生活だったようです。
第二次世界大戦後のヨーロッパの音楽事情は無機質な現代音楽が主流となり、
ロマンティックなコルンゴルトの作風は時代送れという辛辣な評価も受けていたようです。
アメリカのハリウッド音楽以外ではその作品も人物も忘れられつつあったコルンゴルドでしたけど、
その死後しばらく経過して、交響曲とかヴァイオリン協奏曲とか歌劇「死の都」が再評価され始め
現在では、マーラーとシェーンベルクの間の世代の代表的な作曲家の一人という評価が定まりつつあるような感じもします。
私が、なぜこのコルンゴルドを知る事になったかというと、1995年12月のNHK交響楽団Cプロにて、
シャルル・デュトワの指揮で、コダーイ/組曲「ハーリ=ヤーノシュ」とプロコフィエフ/交響曲第5番と共に演奏されたのが
このコルンゴルドのヴァイオリン協奏曲で、当時は、「こんな作曲家聞いたこともない」という感じだったのですけど、
この曲が終わる頃には、この協奏曲の虜になり、あまりにも抒情的で美しすぎる音楽の展開にメロメロになってしまい、
演奏会終了後に、すぐに渋谷のタワーレコードに駆け込み、この協奏曲のCDを買ってしまったほどでした。
コルンゴルドのヴァイオリン協奏曲は第一~第三の全ての楽章のメロディーラインがあまりにも美しすぎて、
その甘くてせつない抒情的な雰囲気は、バーバーのヴァイオリン協奏曲やラフマニノフのピアノ協奏曲第2番や交響曲第2番に
通ずるものはあると思います。
悪く言うと、映画音楽の効果的なBGMにも聴こえてしまうほど、実に耳に心地よい音楽なのです。
第二楽章が実に素晴らしく、美的限界を通り越したとしか言いようが無い美しいメロディーが展開されていきます。
第三楽章が、これまた圧巻で、「宇宙戦艦ヤマト」みたいな堂々としたアレグロで進んでいき、
ハリウッド映画の大団円のBGMみたいに格好いい終わり方をします。
バーバーのヴァイオリン協奏曲の第三楽章がが3分程度でセカセカ進んでいくのとは対照的に、
コルンゴルドの第三楽章は、たっぷりと歌い上げなおかつスケール満点で格好いいと言うことなしの素晴らしい音楽を
展開していきます。
だけど、お堅い音楽評論家さん的には「これは安っぽい映画音楽」という評価になってしまいがちですし、事実その初演時も
評論家から「時代錯誤」と酷評されていますけど、私的には別にレトロな雰囲気があったとしても
メロディーラインが美しく、人に何かを伝えられるのならそれはそれでいいのではないの・・?という感想です。
この協奏曲はまだ知名度も低いのかもしれないですけど、是非ぜひたくさんの皆様に聴いて欲しいですし、この曲の真価が
一人でも多くの皆様に伝わって頂ければありがたいです。
この曲は日本フィルで井上道義指揮/渡辺玲子の独奏でも聴いたことがありますけど、デュトワと違って
いかにもやんちゃ坊主みたいな感じの演奏で豪快な演奏を聴かせてくれていましたけど悪くはなかったです。
シェーンベルク等の無調現代音楽が幅を利かせている1930年~40年代に、こうした美しい抒情的な音楽が
作曲されていたとは、音楽史的には一つの奇跡なのかもしれないです。
この協奏曲をCDで聴く場合、シャハム独奏/プレヴィン指揮・ロンドン響が圧倒的に名演だと思います。

ららマジのヴァイオリン奏者の九条紗彩は高校1年生の女の子です~♪
自分に厳しく人にも厳しいプロ意識の高いヴァイオリン少女 という設定です。
自分にも周囲にも厳しいため、一見わがままだと誤解されることもありますけど、根は優しくて世話好きでもあります。
極度の照れ屋で自分の気持ちを素直に表現できないという事で、ららマジの中ではツンデレの一人と
言えそうです。
九条紗彩はヴァイオリンのプロを目指しており、神童と呼ばれるフルート奏者の菜々美に密かな憧れやライバル心を
抱いてもいます。
薄いバイオレットのロングヘアーですけど、おでこの露出がなんだかとてもかわいいです。
こういうおでこをしたツンデレ気味の美少女JKさんにデコビンを食らわしてやったら、その反応はなんだか
「私、気になります・・」という世界になりそうですね・・

九条紗彩は自己表現がちょっと苦手なツンデレ系美少女ですけど、この笑顔もかわいくてすてきですね~♪
九条紗彩ソリストによるコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲の演奏も聴いてみたい気はしますね~!
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吹奏楽コンクールではさすがにほとんど演奏実績はないですけど、
ブリスの「気たるべき世界」が自由曲になるほどですから、
映画音楽「ロビンフッドの冒険」をうまく吹奏楽にアレンジして、
演奏効果が期待できる場面をうまく組み合わせることができれば
人気がでるのかもしれないです。