北京冬季オリンピックも無事に終了する事ができましたけど、それが終わった同時にロシアが隣国のウクライナに
武力でもって侵略をしていた行為は容認する事はできそうにもないですし、21世紀の時代に入ってから、
こうした他国の領土を武力でもって奪い去るとか主権国家に対してその主権を武力でもって奪い取るという行為が
まかり通る事に深い憂慮を感じずにはいられないです。
ロシアのウクライナ侵略後に開幕した冬期パラリンピックに関してはロシアとベラルーシの出場が不可となったのは
やむを得ないと思いますが、それ以前にロシアと言う国家自体がドーピング問題もあり、国家としての
オリンピック出場が認められていない事情もあり、ドーピング違反歴ががなく潔白を証明した選手のみが個人資格で
出場が認められていて、オリンピックでの国旗や国歌の使用も禁じられていました。
そのため個人資格で出場したロシア選手が金~銅に輝き、そのメダル授与の表彰式の国旗掲揚の際に掛るBGMとしては
ロシア国歌は当然NGでしたけど、ロシア国歌の代わりにロシアの作曲家チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番~第一楽章の
冒頭の一節が使用されていました。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番の冒頭は大変華麗で多分ですけど誰しもが一度ぐらいは耳にした事があるほど
大変馴染み深いメロディーでもありますので、ロシア国歌の代用としてはうってつけといえるのかもしれないです。
さてさて、そうなると国家にはもしかしたら・・?? ロシアのような事例もある事を踏まえて国歌とは別の「第二の国歌」というものも
あっても宜しいのかもしれないです。
ロシアの事例のように例えばオリンピックやワールドカップ等での国際試合の場にて国歌使用が万が一禁止された場合、
国歌の代用曲として第二の国歌を使用する選択肢もありなのかもしれないです。
実際に世界各国の中にはお国の作曲家が残してくれて有名なメロディーが第二の国歌として公式に認定されている場合も
ありますし、公式認定はされていないけどその国の国民の間では「これこそ我が国の第二の国歌」として定着している
場合もあります。
一例を挙げるとイギリスではエルガーの行進曲「威風堂々」第一番が、アメリカではスーザの行進曲「星条旗よ、永遠なれ」が、
フィンランドにおいてはシベリウスの交響詩「フィンランディア」がそうですし、
はたまたイタリアにおいてはヴェルディの歌劇「ナブッコ」~行け、我が想いよ、黄金の翼に乗ってが名高いと思います。
ロシアに第二の国歌があるかは私もよくわからないのですけど、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番よりはむしろ
ロシア民謡でもある「カチューシャ」の方がより馴染みがありそうですけど、カチューシャはすぐにロシアと言うイメージが
ありそうなのでそれはボツなのかもしれないです。
(アニメ「ガールズ&パンツァー」のプラウダ高校の戦車行軍のテーマ曲はやはり「カチューシャ」でもありました~♪)
日本においてもしも第二の国歌があるとすればどのような曲がいいのでしょうか・・?
全然思い浮かびませんけど、日本らしくて馴染み深いメロディーだと軍艦マーチあたりがいいのかもしれないですけど、
タイトルが軍国主義を連想させると左の方からクレームがはいりそなので、ここは日本が得意なアニメ・ゲームの中からは
「ドラゴンクエスト」の序曲あたりが案外いいのかもしれないです。
さてさて、ロシアが北京冬季オリンピックで国歌の代用曲として使用したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番ですけど、
この曲は第一楽章の冒頭がとても有名ですし、あのホルンから開始される華麗なメロディーは誰もが一度ぐらいは
耳にした事があるのかもしれないです。
あの冒頭部分の主題は、このピアノ協奏曲の残りの部分では二度と再現されず協奏曲全体で特異的な位置を占めて
いたりもします。
そしてこのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番は構成がかなり特異で、全体の演奏時間は34分前後ですが、
第一楽章だけで軽く18分を超え、第二・第三楽章を合計した時間よりも第一楽章の方が長いというバランスの悪さも
あったりします。
この協奏曲は第一楽章冒頭はやたらと有名ですけど、私的には第三楽章のエキサイティングな展開の方が大好きで
あったりします。
この第三楽章は指揮者とソリストのバトルというのかお互いに「やったらやりかえす」みたいな双方の掛け合いも
聴きどころの一つでもありますし、例えば古い録音ですけどアバド指揮・アルゲリッチピアノソロの録音は、
ライヴ演奏の録音という事もあり双方がかなりヒートアップしてしまい、特に第三楽章はかなりテンポアップの連続と化し、
全体の演奏時間もなんと30分を切ってしまうというかなり白熱した演奏を聴かせてくれた実例もあったりします。
実はなのですけど、このチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番なのですけど、第一楽章の序奏以降の展開の
第一主題と第三楽章の第一主題は「ウクライナ」の民謡から採られていたりもします。
これってなんだか見方によってはすごい皮肉な話なのかもしれないです・・
冬季五輪後にロシアが侵攻したウクライナという国家の民謡をベースにした音楽をよりによってオリンピックの表彰式で
使用したというのも偶然とはいえ一つの歴史の皮肉なのかもしれないです。
19世紀のロシアにはロシア五人組という作曲家グループがいて、その中の一人が交響詩「はげ山の一夜」でお馴染みの
ムソルグスキーです。
このムソルグスキーの代表曲の一つが組曲「展覧会の絵」ですが、
(原曲はピアノ曲ですけど、これを有名にしたのがラヴェル編曲による管弦楽アレンジ版の演奏です)
この展覧会の絵の終曲が「キエフの大門」ですので(※キエフはウクライナの首都です)
もしもロシアが北京冬季五輪の国歌代用曲としてチャイコフスキーではなくてムソルグスキーの展覧会の絵~キエフの大門を
使用していたとしたら、これはこれで批判の対象になっていたのかもしれないです。
第二の国歌としてイギリスではエルガーの行進曲「威風堂々」第一番の中間部の高貴なメロディーに歌詞を付けたものが
定着していますけど、
私自身もエルガーの行進曲「威風堂々」第一番はなつかしい思い出があったりもします。
高校の卒業式の時には吹奏楽部は体育館後部で校歌・仰げば尊しの伴奏を奏でていましたけど、
卒業生入退場のマーチのエルガーの行進曲「威風堂々」第一番は演奏をしていても、とてつもなく
高貴な感情がこみ上げてきましたし、
私自身が高校を卒業する際の卒業式において、後輩たちが奏でる行進曲「威風堂々」第一番を耳にすると
「これで自分も卒業なんだ・・」と胸にこみ上げてくるものがありましたし、ちょいと泣けてくるものがありましたし、
同時に後輩たちには「後を託すよ・・」という気持ちにもなったものでした。
だから私にとって最大の卒業ソングは何かと言うとエルガーの行進曲「威風堂々第一番」と言えるのかもしれないです。


最後に少し余談ですけど、うちの奥様はチャイコフスキーだのエルガーといったクラシック音楽は興味のきの字も無いようで、
昔一度だけ彼女を連れて幡ヶ谷のオペラシティーハウスにて東京フィルの演奏会にて
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番などを聴きに行ったことがあるのですけど、彼女は第一楽章から第三楽章まで
ほぼ丸ごと爆睡していました・・
家では、私が例えば「春の祭典」とかショスタコーヴィッチの交響曲第7番「レニングラード」などを大音量で聴いていると
「やっかましーわ!」と文句を言ってきます・・
あれれ・・このやっかましーわ!というセリフは歴代プリキュアで聞いた事がありますよね・・
そう・・いうまでもなく「スイートプリキュア」の黒川エレン=セイレーン=キュアビートの決めセリフの一つでもありました!
エレンの「やっかましーわ!」のセリフは結構好きでしたし、黒猫としてのセイレーンもそうでしたし
人間体としての黒川エレンとしてもこのセリフはよーく言っていました。
キュアビートとしてプリキュアに覚醒して以降はこの決め台詞はほぼ封印してしまう事になります。
それは少し勿体なかったかもしれなくて、例えば毒舌&皮肉をたっぷりかましまくるアコちゃんに対して是非一度くらいは
「やっかましーわ!」のセリフは言って欲しかったです。
だけどそれはほぼ無理かな・・?
エレンとアコちゃんの関係はメイジャーランドでは、王女と下僕みたいな関係ですからね・・・
スイートの最終回では、元々の「三銃士」の姿に戻った元・トリオ・ザ・マイナーの3人に対しては
「やっかましーわ!」のセリフを最後に吐いていたのはとても良かったです。
関係ない話ですけど、ギリシア神話の世界においては、セイレーンは元々は人型をしていたのですけど、
それを怪物みたいな姿に変えてしまったりはアフロディテなのです。
またムーサ(ミューズ)と歌合戦をして敗れたセイレーンは、ミューズによって冠の材料として羽をむしり取られるという
散々な目にもあっているそうです。
(黒猫時にセイレーンがファルセットの髪の毛をむしり取っていたのは大変印象的でした~)
あれれ、これってスイートの世界とは随分と違うものですね・・・
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現在ではほとんと知られていませんけど、戦前の日本には
「海行かば」という歌曲があり公式ではないけど第二の国歌として
親しまれて歌われていた時期もあったようです。
日本の国歌は君が代ですけど、実は「君が代行進曲」というマーチもあったします。