
「女子高生の無駄づかい」は全体的にはゆるい脱力系の日常系作品でして、全体的にはバカの田中の
アホな言動に象徴される通り、原作漫画もアニメ作品も見ているだけでくすっ・・となったり時には
「これってよくある話だよね~」と多々共感する要素もあったりします。
全体的には大変ゆるい作品ではあるのですけど、時にホロリ・・とする会話とか意味深な会話があったりして、
そうしたちょっといい話に思わず感動してしまうシーンもたまにあったりもします。
そうしたちょっといい話で私の中で大変印象的な話は、アニメ版第6話・マジョ(原作漫画でいうと第2巻に収録されています)の
中で出てきた他人との円滑なコミュニケーションがなかなか思うようにできなくて悩んでいるマジョに対して、
同じようにその感情が死滅している極端なクールさと無表情さゆえに中学時代は周囲から浮いてしまって孤立してしまい、
マジョ同様に他人とのコミュニケーションにおいて悩みを抱えていたロボからマジョに対するアドバイスのお言葉である
「全ての人に好かれるなんて不可能」・「分かってくれる人だけ大事にすればいい」はすてきな名言だと思いますし、
「女子高生の無駄づかい」における数少ない(?)泣かせるセリフだと思います!
マジョ(久条翡翠)は双子姉妹の姉の方でして、
幼少の頃より、生身の人間よりゾンビやオカルト話や血しぶきがあがるようなほらー話にばかり興味を持ちようになり、
次第に周りから不気味がられるようになってしまった経緯はどことなくロボに被る面もあるのかもしれないです。
マジョ自身コミュニケーションが得意ではなく、一応高校に進学したものの、入学当初から不登校状態になってしまい、
学校に足が向かない理由として「友達がいなくてつまらない・・」という事を言っていました。
普通の感性の持ち主であり、今風にいうとリア充のJKさんライフを満喫している双子の妹の琥珀にいわせると、
マジョは「生まれてくる時に妹が姉のコミュニケーション能力やまともな感性を全て奪い取ってしまい、
姉にはカスしか残らなかった」と散々な事を言っていますけど、実はこの琥珀が誰よりも気に掛け心配しているのは姉のマジョ
であり、マジョ自身も初期の頃は「琥珀がいなくなったら今すぐ死んでもいい」みたいな過激な事をいっていたりもします。
そして琥珀はマジョに対して一つのアドバイスをします・・
琥珀 : いい?お友達に嫌われたくないのなら一方的にオカルトの話をしないこと
マジョ : で、でもじゃあ何を話せば…
琥珀 : 大丈夫。”それな・ウケる・カワイイ”。この3つを使い回せばとりあえず女子高生とは会話できるから!
確かに・・琥珀がアドバイスする現代のJKさん用語はある意味今風で、ワンフレーズとしては十分通用するのかも
しれないですけど、現役JKさんなのに妹以外のJKさんと会話をほとんどした事がないマジョにとっては、この3つのフレーズを
使いこなせること自体が至難の業だったのかもしれないです・・


マジョのグロテスク嗜好とコミュ障気味な性格を憂慮した琥珀は、ファミレスでたまたま出会った田中望・菊池茜・鷺宮しおりの
3人の制服姿を見て「この子たちは都立さいのたま女子高校の生徒たちで、しかも姉と同学年の子」と直感し、
初対面のバカたちに大胆にも「姉と友達になってあげてほしい」と頼み込んだことが、マジョがその後どうにかこうにか
不登校状態を脱し無事に2年生に進級し、以前よりは多少はコミュ障が改善された事に繋がっています。
そんな訳でおどおどしながら高校に通い始めたマジョですけど、上記の「それな・ウケる・カワイイ」の使い廻しを
色々と勘違いして使用した結果、トンチンカンな言動を繰り返して周りを困惑させて更に落ち込んでしまうマジョでしたけど、
そんなマジョに対してバカの田中はバカらしいフォローを入れます。
バカ : はぁ?そんなの気にせず好きに喋っていいのに
バカ : そうだぞー。ウチなんか口開けば”ウ〇コ ウ〇コ”言ってっかんな
ヲタ : お前は改めろ!
マジョ : あ、あの…私…人に…皆さんに嫌われるのが怖くて…。そ、そればっかり気になって…全然上手くできなくて…
マジョの心の叫び : (だから自分の世界に閉じこもって…そこにいれば安全だから。嫌われて傷つかなくて済むから。
でも…でも本当は…)
そうしたマジョに対してのロボの言葉が「全ての人に好かれるなんて不可能」、分かってくれる人だけ大事にすればいい」
という事でそのロボの言葉に「はっ・・」となったマジョはなにかを感じとり、
「ロボさん…!」とどこか救われた表情になっていたのは大変印象的でしたし、「女子高生の無駄づかい」の中でも、
中学時代のバカが当時いじめられっこのヒメを助けてあげていた話と並んで屈指の数少ない?いい話だったと思います!
マジョは根は優しいし、自分のコミュ障を改善し友達を作ろうと努力したり相手に歩み寄ろうとする姿勢もありますし、
学校に登校するようになって以降は、バカ・ヲタ・ロボのグループに4人目として加わることも他のキャラと比べて多いようにも
感じられますし、バカ達の存在により少しずつ人とのつながりを持つことができつつあるマジョとも言えそうです。
現代社会だから・・SNS社会だから・・、匿名性の高いネット社会だから・・とか色々と私たちが生きる上で
最も大変な事の一つが他人とのコミュニケーションなのだと思います。
大変と言うか厄介な事でもありそうです。
もちろん、私たちがリアル社会で生きるからには、また学校や職場という社会または一つの共同体で生きる上においては、
自分一人でなんでもできればそれに越したことはないのですけど、生きる上では誰かと何かしらの関わりを持たないといけない
のは現代社会に限らず古今東西それは同じなのかもしれないです。
あまりにも他人を意識しすぎたり、周りとの協調性ばかり意識しすぎでも、それは心の疲れを呼び込むのかもしれないです。
そうした意味でロボの「全ての人に好かれるなんて不可能」・「分かってくれる人だけ大事にすればいい」という言葉は、
むしろ現代社会を生きる上での格言なのかもしれないですし、
全ての人にあわせるために自分自身を過度に抑制してストレスため込むよりは、ロボのように一歩引いた対人関係の
ありかたというのもこれはこれで立派なコミュニケーション能力といえるのかもしれないですね~♪

ロボは小学校まで一緒に過ごしていたバカやヲタと離れる形で
中学校は一人進学校に進んだものの、ロボは学校内で孤立してしまい、寂しい学校生活を過ごしていたという事情もあり、
高校はバカとヲタが受験する予定のロボにとってはあまりにも不釣り合いのおバカさん学校の都立さいのたま女子高校に
進学すると言う事をロボの意思で決意していたというエピソードもあるのですけど、
そうまでしてロボがやりたかった事とは、バカやオタというロボにとっての「分かってくれる人」という事なのかも
しれないです。
そうそう、ロボは、異性とはあまり縁がなさそうなバカたち3人組の中にあっては、男子高校生から好意を持たれて
告白されたり、はたまた同性ですけどマジメから中学時代から憧れを超えた恋心みたいなものも持たれているようですので、
意外とロボ人気は大きいといえそうです。
バカの田中が異性と今のところはまったく縁がないというのも自業自得なのかもしれないですけど、コミュニケーション能力
といえば、実はバカに敵う者はいないという感じもありますので、
バカはあれはあれで将来的には意外とひっぱりだこ的な存在になるのかもしれないですね~♪
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女子無駄はおバカな内容のようでたまにこういう名場面があるから油断できないですね。
周りからさんざん変人扱いされてきた二次元好きとしてはすごく刺さりますw
時に人の視線を無視する勇気が人生を楽しむカギというやつなのでしょう。
いちいち万人受けしようとしてたら海外アニソンコレクターなんてやってられねぇですのw